民主党の鳩山由紀夫代表は今月7日、「温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する」という目標を表明した。これは従来から民主党の掲げている方針だが、この目標には少なくとも三つの疑問がある。 第1に、本当に地球温暖化が起こっているのか、そしてそれが人間活動によるものかどうかが疑わしい。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は地表の平均気温が2000~25年に10年あたり約0.2度のペースで上昇すると予測したが、実際には最近10年で約0.2度下がり、2008年は21世紀に入って最低だった。その原因として専門家が重視しているのは、海水温や太陽の黒点活動(日射量)の変化だ。長期的には温暖化が起こるとしても、その主要な原因が人間の排出するCO2かどうかは科学的な結論が出ていない。 第2に、IPCCの結論を認めるとしても、排出権取引は経済的に非効率であり、その削減目標にも科学的根拠がない。