『ソウル・パワー』より、セリア・クルース&ファニア・オールスターズ 昨年6月に公開され話題を呼んだ、伝説の音楽祭「ザイール'74」を収めた貴重なドキュメント映画『ソウル・パワー』。その豪華映像特典付きDVDが3月4日に発売された。そこで、公開時から6回も劇場へ足を運び、『ソウル・パワー』の魅力を知りつくしている菊地成孔氏に、なぜ本作が傑作たりうるのかを大いに語ってもらった。 偶然の連鎖が生んだ、音楽記録映画史上、屈指の傑作 ブラック・ミュージックといわずホワイト・ミュージックといわず、大衆音楽の記録映画というのは1940年代から2000年代に至るまで、すでに腐るほどありますが、その中でもこの『ソウル・パワー』は、神の采配としか言いようがない偶然が重なって生まれた、屈指の価値を持った作品だと言うことができると思います。 被写体としての「ザイール’74」というコンサート自体が大変にいわくのある