■電子書籍が紙の売上を食うカニバリゼーション 3月5日、日本での最後の電子書籍プラットフォームとしてオープンした「iBooksotore」だが、やはり、市場を伸長させる最大の決め手は、電子書籍の価格である。 日本では、電子書籍が紙の書籍の売上を食う(カニバリゼーション:共食い)と信じられてきたので、これまで大胆な値付けは行われてこなかった。 紙より安い値段を付けると、紙のほうが売れなくなって全体の売上が落ちると、電子書籍の価格は紙と同じか、あるいはやや安めというところで落ち着いてきた。もちろん、これは大手や中堅出版社のケースで、「iPhone」の単体アプリ電子書籍などは例外だ。 それでは、電子書籍の価格はどのくらいが適正なのか? あるいは売れるのか? ■電子書籍は紙より安いものという見方が定着 アメリカのケースを見てみると、電子書籍の値付けに関しては、ある程度の信頼できるデータが出ている。