長時間労働から「逃げ場」を失う 入社1年目の電通の女性社員が過労自殺した事件は社会に大きなショックを与えた。過去にも同様の例があったとして電通という会社の「体質」を問題視する声も上がった一方で、伝統的な日本企業の「働き方」が問題の根底にあるという指摘も根強い。恒常的な長時間労働から「逃げ場」を失う社員の姿は、決して電通だけの問題ではない。 「人手不足」が深刻化している。求職者1人に対して何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」は10月に1.4倍を記録、バブル期の1991年8月以来、25年2カ月ぶりの高水準となった。全都道府県で1.0倍を超え、東京都では2倍を突破した。人が欲しくても採れない状況になっているのだ。 残業をしないと仕事は終わらない 仕事が増える中で、今働いている既存の社員への荷重は確実に高まっている。毎日残業をしないと仕事が終わらないという人の数が確実に増えているのだ。 もとも