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斎藤環の検索結果1 - 31 件 / 31件

  • 人は人と出会うべきなのか|斎藤環(精神科医)

    「というのも、各々は直接的に他者のうちに自分を知るからであり…しかもそれによって、各々が、他者もまた同じように彼の他者の内に自分を知るのだ」(ヘーゲル『イェーナ体系構想』法政大学出版局) 「臨場性」はなぜ必要か コロナ禍の中で、心から消滅して欲しいと思ったのは「ハンコ」である。 大学が入構自粛になっているのに、ハンコを押すためだけに出勤することの徒労感。そういえばうちの大学では、会議からはほぼ完全に紙資料が駆逐されて、タブレットで会議資料を閲覧することになりはしたけれど、「ワープロで作成しプリントアウトした紙資料に押印したものをスキャンしてPDF化」という純和風デジタイズが横行しており、電子署名などまだまだ imagine the future の彼方——内輪ネタですみません——というありさまだ。というか、そもそも現政権におかれましてはIT担当大臣が日本はんこ議連議長を兼任、という漫画のよ

      人は人と出会うべきなのか|斎藤環(精神科医)
    • 日米ハーフの自分が思う「自己肯定感」のクソさ

      生まれてから高校までアメリカで過ごし、それ以降は日本で住み就職もしている。今20代前半。 最近X(Twitter)でこんな動画が賛否両論を生んでいた。 https://x.com/sgwhn8727/status/1627815915457839104?s=20 「子どもたちの自己肯定感を上げるため、わたしのクラスでは毎朝affirmationを言います。I am loved, I am brave, I am smart, I am kind, I am a problem solverと言い合って、ポジティブな気持ちで1日過ごせるようにします。これを毎日繰り返すことでポジティブな自分になることが狙いです。」 これを見て、自分が今まで生きてきて感じたことを色々と思い出したので少し書く。 便宜上、「アメリカ」「日本」と大きな主語を使うが、もちろん家庭や土地によって差はあると思う。 アメリカ

        日米ハーフの自分が思う「自己肯定感」のクソさ
      • 「鬼滅の刃」の謎 あるいは超越論的炭治郎|斎藤環(精神科医)

        ※ 本論は12月9日に開催されたゲンロンカフェのトークイベント「伊藤剛×斎藤環×さやわか 『鬼滅の刃』と少年マンガの新情勢」で述べたいくつかの論点の備忘録として書かれた。ネタバレについては一切配慮をしていないので、原作未読・アニメ未見の方には注意を促しておく。 「鬼滅の刃」のわかりやすさ 「鬼滅の刃」(以下「鬼滅」)が空前のブームを巻き起こしている。アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は公開三日目にして興行収入48億円という空前の記録を樹立し、12月12日までの興行収入が299億2千万円、観客動員数が2152万人に達した。国内興収記録歴代1位の「千と千尋の神隠し」を抜くのももはや時間の問題であろう。原作漫画はさきごろ最終巻となる23巻が発売されて全巻の売り上げが1億2000万部を越え、11月30日発表の「オリコン年間コミックランキング 2020 単巻別」では、史上初の「1位~22位独占」

          「鬼滅の刃」の謎 あるいは超越論的炭治郎|斎藤環(精神科医)
        • 「意思疎通できない殺人鬼」はどこにいるのか?|斎藤環(精神科医)

          7月19日に公開された藤本タツキの漫画「ルックバック」は傑作だった。CSM以来の藤本ファンとしては、この作家の底知れない引き出しの多さに驚愕したし、予告されているCSM第二部への期待感がいやがうえにも高まった。とはいえ、私は自分がこの作品のほんとうの素晴らしさを理解できているとは思わない。本作は「漫画家についての漫画」であると同時に、これまでになく藤本の個人史を投影したとおぼしい作品だ。それゆえ、実際に漫画制作に関わった経験のある人ほど、その素晴らしさを深く理解できるであろう。 私は特に物語後半の「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いかけに続く無音のシークエンスがことのほか好きで、そこだけ何度も読み返している。藤野のネームを読んだ京本のうれしそうな笑顔、涙ぐむ京本にティッシュを渡す藤野、ただ京本を喜ばせたかった、という想いが画面全体から溢れ出してくる。藤本作品は良く映画的、と言

            「意思疎通できない殺人鬼」はどこにいるのか?|斎藤環(精神科医)
          • 東日本大震災の経験から学んだのは、多くの人が「その土地を離れたら、自分が自分でいられなくなる」という感情を共有していることだった。それは人間存在の根幹にかかわる感情で、ときに生命よりも優先される。彼らに「危険な土地を捨てて移住せよ」と勧めることが、いかに残酷な提案でありうるか。

            斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx 精神科医。被災期間限定で参入しています。リプライ、メンション、DMは読んでいますが反応はしないと思います。あしからず。 bit.ly/2vZ9q6E 斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx 東日本大震災の経験から学んだのは、多くの人が「その土地を離れたら、自分が自分でいられなくなる」という感情を共有していることだった。それは人間存在の根幹にかかわる感情で、ときに生命よりも優先される。彼らに「危険な土地を捨てて移住せよ」と勧めることが、いかに残酷な提案でありうるか。 2024-01-10 18:23:47

              東日本大震災の経験から学んだのは、多くの人が「その土地を離れたら、自分が自分でいられなくなる」という感情を共有していることだった。それは人間存在の根幹にかかわる感情で、ときに生命よりも優先される。彼らに「危険な土地を捨てて移住せよ」と勧めることが、いかに残酷な提案でありうるか。
            • かけ足が波に乗りたるかもしれぬ - 菅野カラン / 【コミックDAYS読み切り】かけ足が波に乗りたるかもしれぬ | コミックDAYS

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                かけ足が波に乗りたるかもしれぬ - 菅野カラン / 【コミックDAYS読み切り】かけ足が波に乗りたるかもしれぬ | コミックDAYS
              • 「マイルドな優生思想」が蔓延る日本に「安楽死」は百年早い(斎藤 環) @gendai_biz

                筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性から依頼を受け、医師が薬物を投与して殺害し逮捕された事件で、京都地検は事件に関わった2名の医師を8月13日、嘱託殺人罪で起訴した。報道によればALSの女性は以前から強く安楽死を希望しており、2018年12月にツイッターで被告の医師と知り合ってから、やりとりを重ねていたという。 医師の一人はクリニックを開業しており、メンタルケアや緩和ケアに力をいれ、ホスピスの運営も手掛けていた。2名の医師は、共著で高齢者の安楽死を積極的に推奨するような電子書籍(書名はあえて記さない)を発行していたが、この本には以下のようなくだりがあると報じられている。 《認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛

                  「マイルドな優生思想」が蔓延る日本に「安楽死」は百年早い(斎藤 環) @gendai_biz
                • 「ひきこもりは非常に犯罪率が低い集団としか言いようがない」精神科医・斎藤環氏が過剰な報道に苦言 | 国内 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ

                  先月、神奈川県川崎市で小学生ら20人が刃物で襲われ2人が死亡した事件、そして1日に東京都練馬区で元農林水産事務次官が長男を視察した事件。いずれの事件でも、メディアの報じ方に疑問の声が上がっている。 報道番組では、事故現場でリポーターがストップウォッチを用いて"10数秒"という容疑者の犯行スピードの速さを表現。あるいはコメンテーターやキャスターが「1人で死んでくれ」という趣旨の発言も飛び出した。また、容疑者の家宅捜索を伝える報道では「部屋からテレビやゲーム機」という見出しで伝えたことが非難を浴びた。

                    「ひきこもりは非常に犯罪率が低い集団としか言いようがない」精神科医・斎藤環氏が過剰な報道に苦言 | 国内 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
                  • 自殺者が後を絶たない…リアリティーショーは「現代の剣闘士試合」か(斎藤 環) @gendai_biz

                    女子プロレスラーの木村花さんが5月23日、急逝した。彼女は2019年5月からフジテレビ系列で放映中のリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』に出演中だった。彼女の死には、放映中からSNS上で彼女に向けられた誹謗中傷が大きく影響したと報道されている。 木村さんの没後、ネット上ではSNSの誹謗中傷をめぐる論議が活発化した。フジテレビは「テラスハウス」の放送中止を発表し、遠藤龍之介社長は検証チームを立ち上げる意向を明らかにした。ネット上の批判の矛先は、いまや番組制作陣や他の出演者などにも向けられ、原稿執筆時点ではまだ「炎上」が続いている。 この事件を受け、高市早苗総務相は、インターネット上の誹謗中傷を巡る発信者の情報開示について制度改正も含めて対応する考えを明らかにしたが、この機に便乗して政府への批判を封じる意図があるのではと警戒する声が上がっている。 な

                      自殺者が後を絶たない…リアリティーショーは「現代の剣闘士試合」か(斎藤 環) @gendai_biz
                    • 斎藤環氏の『ルックバック』批判に精神障害当事者として思うこと。 - Something Orange

                      統合失調症当事者として考える。 公開されるや否やソーシャルメディアで大評判となり、あっというまに数百万回のアクセスを記録し、そして瞬く間にその表現を問題視されたマンガ『ルックバック』が、やはり記録的な速さで内容を修正されたようである。 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられるが…!?shonenjumpplus.com 『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきまし​た。⁰熟慮の結果、​作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、​一部修正しました。 少年ジャンプ+編集部https://t.co/Vag51clfJc — 少年ジャンプ+ (@shonenjump_plus) Augu

                        斎藤環氏の『ルックバック』批判に精神障害当事者として思うこと。 - Something Orange
                      • コロナ禍で「リモートの方が楽」な若者へ 精神科医・斎藤環さん | 毎日新聞

                        ビデオカメラなどを使用して進められるオンライン授業。「コロナ禍」によって全国の大学でこうした光景が見られた=2020年5月7日、矢頭智剛撮影 会議も、授業も、診療も、飲み会も……。新型コロナウイルス禍による自粛生活で、さまざまな「リモート」化が定着し、1年が過ぎた。リアルで人に会う機会の減ったこの日々は、私たちにどんな影響を及ぼすのだろう。精神科医の斎藤環・筑波大教授は「コロナ禍をきっかけに『ひきこもり』は増える」と予測する。そのわけは?【小国綾子/オピニオングループ】 臨場性の暴力が減れば ――コロナ禍では、「リモートの方が楽」と喜んだ人、逆に「リアルで人と会いたい」と悲しんだ人、どちらもいます。1年以上の「リモート」生活は私たちを変えていきますか? ◆私はこのコロナ禍で、人と人が出会うことの価値のゆくえに目をこらしてきました。コロナ禍でリモート化が進み、世界中で人と人がリアルで会うこと

                          コロナ禍で「リモートの方が楽」な若者へ 精神科医・斎藤環さん | 毎日新聞
                        • コロナにうんざりしているはずなのに、なぜ「コロナロス」を抱いてしまうのか? 精神科医に聞きました

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                            コロナにうんざりしているはずなのに、なぜ「コロナロス」を抱いてしまうのか? 精神科医に聞きました
                          • 部活のトラウマで会社怖かったけどもしかして社会って意外と優しい?

                            部活(中学)のトラウマで会社怖かったけどもしかして社会って意外と優しい? 現在社会人3年目。中学時代はブラック部活の代表格、吹奏楽部に3年所属していた。 音楽や楽器は今でも好きだけど、部活は大嫌い。顧問も嫌いだし、部活仲間も先輩も後輩もみんな好きじゃない。当時はみんな大好きで大事だと思ってたけど、今なら分かる。あんなの洗脳だ。 たったの12歳で私の嫌いな言葉は「やる気」になった。 私は先生のお気に入りじゃなかったから、しょうもないことで目をつけられていつも理不尽に怒られていた。 夏休みの1日練習で、たったの10分休憩をした。パート練習だった。私は打楽器を担当していたから1日中立ちっぱなしで、音楽室のクーラーはバカだから日中も扇風機で乗り切っていた。暑くてクタクタで、パートのみんなも水筒を煽って床に座り込んでいたと思う。そこにたまたま顧問が現れた。楽譜を取りに来たとかそんな程度の用事だった。

                              部活のトラウマで会社怖かったけどもしかして社会って意外と優しい?
                            • ひきこもりの息子、すがった先は悪徳業者だった 母の後悔届かぬ返事:朝日新聞デジタル

                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                ひきこもりの息子、すがった先は悪徳業者だった 母の後悔届かぬ返事:朝日新聞デジタル
                              • コロナ・ピューリタニズムの懸念|斎藤環(精神科医)

                                疫病は倫理観を書き換える。14世紀にヨーロッパの人口の約30%(地域によっては80%)を死亡せしめたペスト(黒死病)は人々の死生観に影響を及ぼし、「メメント・モリ(死を思え)」なる標語を生んだ。一方、18世紀におけるイギリスでのペストの流行は、故郷に疎開して思索に集中できたアイザック・ニュートンに万有引力の着想をはじめとする「三大業績」をもたらした。15世紀から16世紀初頭にかけて急速にヨーロッパに広まった梅毒は、イギリス人の意識と社会的身ぶりとを変え、ピューリタニズムをもたらしたという説がある。 20世紀末から流行したHIVは、当初は罹患者の特徴から、同性愛やドラッグカルチャーに対する神罰、といったニュアンスでとらえられた。粘膜を介しての血液の交換が危険であると理解されてからは、避妊のためではなく、いわば「粘膜への禁欲」としてコンドームの使用が大々的に推奨された。 そして現在、新型コロナ

                                  コロナ・ピューリタニズムの懸念|斎藤環(精神科医)
                                • 引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕

                                  コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

                                    引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕
                                  • “感染”した時間|斎藤環(精神科医)

                                    花々を見て、煙のまとわりつく木々を見て、のぼっては下るカラスの群れを見て立ちつくすわたしに、ピーターが何か言った。「野菜に囲まれて物思いかい」だったかしら。「おれはカリフラワーより人間がいいぞ」だったかしら。ある朝、朝食どき、テラスでのことだった。ピーター・ウォルシュ……もうすぐインドから戻る。六月?七月?どちらだか忘れた。だって、あの人の手紙は恐ろしく退屈なんですもの。覚えているのは語られた言葉、あの眼差し、ポケットナイフ、笑い顔、不機嫌。何百万の物事が何もかも消え失せて、残ったのがカリフラワーについての二言三言だなんて、とても不思議。 (バージニア・ウルフ著、土屋政雄訳『ダロウェイ夫人』光文社) 被災した時間 大規模な災厄は、人間の時間意識を変える。 そのことを最初に意識したのは9年前、東日本大震災の直後だった。震災は時間の流れを分断し複線化した。列島は複数の時制へと引き裂かれた。目前

                                      “感染”した時間|斎藤環(精神科医)
                                    • メディアは「共感」や「同調圧力強化」を求めて動くな 新型コロナワクチンの報道に精神科医が注文

                                      ウイルスそのものより、ウイルスがついた人を遠ざける「ケガレ」の意識ーー新型コロナウイルスのような災厄をマイナスばかりには捉えないという「適応力」が日本人にはあるという見方を伺いました。一方で、「自粛警察」やマスクをしているかどうかの互いへの監視、コロナに関わる医療者への差別なども広がっています。それはコロナを遠ざけたい、コロナを忌み嫌うという心理の現れに見えますが、そこは矛盾しないのでしょうか? それは「ケガレ(穢れ)」の意識だと思います。 穢れ意識では、ケガレそのものではなく、ケガレに触れた人、近づいた人を憎み、自分のテリトリーから排除する。そういう方向に向かいがちです。 医療者差別という、他国ではあり得ないような現象が起こったのも、ケガレに近づいた人を排除するという心理ですね。 だからこそ、コロナそのものへの警戒心が鈍い人ですら、コロナに近づいた人や染まった人を過敏なほど排除し遠ざける

                                        メディアは「共感」や「同調圧力強化」を求めて動くな 新型コロナワクチンの報道に精神科医が注文
                                      • 斎藤環が映画を語る、北野武、是枝裕和、宮崎駿、そしてエヴァ 心と向き合う精神科医が映画を見て思わず気づいてしまうこと | JBpress (ジェイビープレス)

                                        映画には製作者の意図を超えて、隠したい人格や本音、狂気の兆候が映し出される。また、ある映画が爆発的にヒットする場合、製作者の描いた精神世界とオーディエンスの心の葛藤が共鳴している場合もある。ゆえに、時として映画は恐ろしい。 心の病と向き合う精神科医ともなれば、映画を見ながら思わず登場人物や製作者や観客のダークサイドが透けて見えてしまう。『映画のまなざし転移』(青土社)を上梓した精神科医で批評家の斎藤環氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ※映画のネタバレを含みますのでご注意ください ──本書では「アウトレイジ ビヨンド」(2012)と、その他の北野武監督の映画について言及しており、北野映画の最大の特徴は「コミュニケーションの欠如だ」と書かれています。特に暴力シーンに、その特徴が表れているという印象を受けました。 斎藤環氏(以下、斎藤):北野監督のデビュー作「その男、凶暴につ

                                          斎藤環が映画を語る、北野武、是枝裕和、宮崎駿、そしてエヴァ 心と向き合う精神科医が映画を見て思わず気づいてしまうこと | JBpress (ジェイビープレス)
                                        • 「アゲればなんとかなる」ヤンキー政権 改憲に見た限界:朝日新聞デジタル

                                          ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                            「アゲればなんとかなる」ヤンキー政権 改憲に見た限界:朝日新聞デジタル
                                          • 失われた「環状島」|斎藤環(精神科医)

                                            奇妙な健忘 歴史上もっとも奇妙な健忘状態、その一つとして「スペイン風邪」を挙げたとしても異論は少ないだろう。鳥インフルエンザに起因するこのA型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)は、全世界でパンデミックを引き起こし、最も多い推定で1億人が死んだとされている。掛け値なしに人類史上、最も大量の死をもたらした災厄である。いかなる飢饉も天災も戦争も独裁政権も、スペイン風邪には及ばない。にもかかわらず、その経験は忘れられた。ここへ来てスペイン風邪関連の書籍が売れ行きを伸ばし、人々が急速に「思い出し」はじめている事実こそが、健忘の何よりの証左である。 A.W.クロスビー『史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック』(みすず書房)は、最終章でこの忘却の奇妙さに焦点を当てている。 スペイン風邪はアメリカにおいても、20世紀のすべての戦争よりも多くの死者を、わずか一年でもたらした。例えばサミュエル・

                                              失われた「環状島」|斎藤環(精神科医)
                                            • 第1回 20分でわかる中動態――國分功一郎

                                              ◆◆◆ 國分功一郎(こくぶん・こういちろう) 1974年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は哲学。 2017年4月に医学書院より刊行した『中動態の世界』で、第16回小林秀雄賞受賞。最新刊は『スピノザ「エチカ」 100分 de 名著』(NHK出版)。 斎藤 環(さいとう・たまき) 1961年岩手県生まれ。精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。 オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。 医学書院より『オープンダイアローグとは何か』のほか、最新刊として『開かれた対話と未来』(監訳)が出たばかり。 企画:NHKエデュケーショナル・秋満吉彦/ NHK文化センター青山教室 小社『精神看護』1月号で「國分功一郎氏×斎藤環――オープンダイアローグと中動態の世界」を特集したところ、大変な

                                                第1回 20分でわかる中動態――國分功一郎
                                              • 追悼・中井久夫さん<ケアの時代を予見したひと> 斎藤環さん寄稿 | 毎日新聞

                                                統合失調症研究や阪神大震災時の「こころのケア」の取り組み、随筆や翻訳など幅広い業績を残した精神科医、中井久夫さんが8月8日、肺炎のため88歳で死去した。「唯一の師」として敬慕してきたという精神科医の斎藤環さんが毎日新聞に追悼文を寄せた。 ◇ 血肉化された読書体験 中井久夫先生が亡くなられた。私は著書を通じて私淑してきた一ファンに過ぎないが、中井先生を唯一の師として敬慕してきた。 臨床1年目で手に取ったのが、今は絶版となった『中井久夫著作集』(岩崎学術出版社)の一冊『分裂病』だった。一読して圧倒された。とてつもない教養と繊細極まりない臨床眼、どんな作家にも似ていない、みずみずしくも重厚な文体。ただちに著作集全巻を買い求め、貪(むさぼ)るように読んだ。

                                                  追悼・中井久夫さん<ケアの時代を予見したひと> 斎藤環さん寄稿 | 毎日新聞
                                                • エヴァンゲリオン -空虚からの同一化-|斎藤環(精神科医)

                                                  まずはっきりさせておこう、「自分探し」など徒労に過ぎない、ということを。 精神分析、とりわけフロイト/ラカンの教えによれば、人は「語る存在」であるがゆえに、癒やされない欠如を抱えている。人は自らを語りつくす言葉をけっして手にすることはない。人は他者の言葉のネットワークの中に「存在させられる」、それだけだ。そしてここから、精神分析がはじまる。  「新世紀エヴァンゲリオン」(以下「エヴァ」)というアニメーション作品がすぐれているのは、まずこの点だ。主人公・碇シンジの「自分探し」は、結局それが想像的に——つまり擬似的に——解消されるか、あるいは探す行為そのものを放棄する以外には終わりようがないということが、とてもリアルに示されている。だからあの最終二話は、あそこに、あのように置かれるしかなかったように見えるのだ。 ところで精神科医として見る「エヴァ」は、きわめて「境界例」的な作品である。 庵野監

                                                    エヴァンゲリオン -空虚からの同一化-|斎藤環(精神科医)
                                                  • 「勉強ができる」「絵が上手い」「文才がある」ことはほとんど無意味…!? 現代のスクールカーストを決定づける“意外な要素”とは | 文春オンライン

                                                    自身の価値を他者からの承認に圧倒的に依存しており、「自己承認」が苦手な人が多いといわれる若い世代。それだけに彼らの多くは他者からの承認に依存している。SNSが当たり前のようにある時代を生きる若者たちは、いかにして「承認依存」に陥ってしまうのか。そして「承認依存」はどのようなメリット・デメリットがあるのか。 ここでは精神科医の斎藤環氏が、「自分が嫌い」をこじらせてしまった人たちの、自傷行為のように見える言動について迫った『「自傷的自己愛」の精神分析』(角川新書)の一部を抜粋、紹介する。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ つながり依存 現代における承認依存とは、端的に言えば「他者とのつながり」への依存です。 つながり依存の背景には、通信環境の変化が大きく関わっています。とりわけ95 年以降の商用インターネットの爆発的な普及と、ほぼ同時期の携帯電話(2000年代以降はスマートフォン)の普及は

                                                      「勉強ができる」「絵が上手い」「文才がある」ことはほとんど無意味…!? 現代のスクールカーストを決定づける“意外な要素”とは | 文春オンライン
                                                    • 「死にたい」と言われたら、どうするか? | 斎藤環×與那覇潤『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』刊行記念特別企画 | 斎藤環 , 與那覇潤 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社

                                                      著者: 斎藤環 , 與那覇潤 先日公開した「トイレットペーパーはなぜ消えたのか?」の記事に、大きな反響をいただきました。そこで今回は、とくに関心の高かった「同意なき共感」について、斎藤環さんと與那覇潤さんの対談本『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』(新潮選書、5月27日発売)の中から、一部を再編集してご紹介いたします。 双極性障害にともなう重度の「うつ」をくぐり抜けた歴史学者・與那覇潤さん(左)と、「ひきこもり」を専門とする精神科医・斎藤環さん(右)。 ヤンキーに癒された入院体験 與那覇 双極性障害にともなう重度の「うつ」のために、2015年に約2か月、入院をしました。各種の研究もしている大学病院だったこともあって、病名としても年齢層としても、幅広い患者さんと知りあうことができました。 斎藤さんと初めてご一緒したのは2014年の頭に、日本社会の「ヤンキー性」をめぐって対談(※1

                                                        「死にたい」と言われたら、どうするか? | 斎藤環×與那覇潤『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』刊行記念特別企画 | 斎藤環 , 與那覇潤 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社
                                                      • Believe Your Light あなたの光を信じて ~ オリジナルゲームをプレイできる研究に参加しませんか - ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

                                                        文・パントー・フランチェスコ Believe your light(ビリーブヨーライト) 私は、ひきこもりを専門とする精神科医となるべく、筑波大学の後期博士課程で研究しているイタリア人のパントー・フランチェスコと申します。以前、HIKIPOSからインタビュー記事を配信していただきました。 www.hikipos.info 現在、「物語作品と対話を用いたひきこもり支援のための介入方法の開発」という研究に取り組んでおります。 その一環として、今回ゲームの鑑賞とその精神的な影響に関して調査を行いたいと考えております。 ひきこもりや不登校を体験した方で、もしこの研究にご興味がありましたら、調査にご協力いただけませんか。 プログラムに参加し、アンケートをご記入いただいた場合には、ご協力いただいた謝礼として、2500円分のamazonギフト券をメールで差し上げます。 個人情報が漏洩する心配はございませ

                                                          Believe Your Light あなたの光を信じて ~ オリジナルゲームをプレイできる研究に参加しませんか - ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-
                                                        • 「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉 : すずろーぐ☆

                                                          「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉 カテゴリ: コラム 心理療法 前回は、精神科のクスリ/向精神薬を飲みたくないひとのなかには、宗教的で保守的な世界観をもつひとがいるという話をしました。 そんなひとたちは、向精神薬によって自分を変えていくのではなく、心理療法やカウンセリングによって「ありのままの自分」を肯定していく、という治療の方に興味を示すかもしれません。 でも、「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉は非常にやっかいだと思うわけです。たとえば、斎藤環のツイート。 患者さん、あるいは支援対象のひとを無条件に全肯定するべきであるという意見です。SNSでは異常に人気がありますが、これを単純に受け入れていいものでしょうか? 心理療法はカルトっぽい?心理療法の大御所カール・ロジャーズは効果的な心理療法を始めるための基本として「傾聴・受容・共感」の重要性を説き、「来談者中心療法」を提唱しまし

                                                            「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉 : すずろーぐ☆
                                                          • コロナ禍で知った ひきこもり状態を「楽園」と言えますか? 斎藤環│朝日新聞デジタル

                                                            斎藤環さん ひきこもっている人は「たまたま困難な状況にあるまともな人」であり、ひきこもりの長期化は、そういう人たちを排除していく社会の方に原因があると考えた方がいい――。 ひきこもり状態の人たちに向き合って約30年の斎藤環・筑波大学教授(社会精神保健学)は、こう指摘します。地域の中で、企業の中で、学校の中で、私たちはどうすればいいのか。一緒に考えてみませんか。 好きでひきこもっていると考えるのは誤解 ――斎藤さんは、ひきこもり状態の人たちを簡単に説明する際、「たまたま困難な状態にあるまともな人」としていますが、どのような意味か説明していただけますか。 ひきこもり状態というのは、本人の個人的要因よりも環境要因、置かれた状況からきているとお考えいただきたいと思います。昔は、ざっくり言えば好きでひきこもっている、自分の意思でやっている、と周囲や社会から思われている節がありました。昨今の傾向を見て

                                                              コロナ禍で知った ひきこもり状態を「楽園」と言えますか? 斎藤環│朝日新聞デジタル
                                                            • 「自分はダメな人間だ」…急増する「自己否定という“自傷行為”をやめられない人々」の深層心理 | ゴールドオンライン

                                                              「自分はダメな人間だ」「生きている価値がない」など、自分自身を貶め傷つける考えを繰り返してしまう…。今、このような“自己愛の発露としての自傷行為”をやめられない人が急増しています。ひきこもり専門の精神科医・斎藤環氏の著書『「自傷的自己愛」の精神分析』(KADOKAWA)より、自己否定を繰り返しがちな人の「プライドは高いが自信はない」を見ていきましょう。誰もがおちいる可能性のある「自己愛の捻れ」に迫ります。 「プライドは高いが自信はない」…自傷的自己愛の人々 自傷的自己愛は、いびつさはありますが、病的と言い切れるような感情ではありません。そのいびつさについてはいろいろなことが言えそうですが、一番わかりやすい言い方は「プライドは高いが自信はない」でしょうか。 自信とプライドは同じではないのか? と疑問に感じられた方もいるでしょうが、厳密に言えば両者は異なります。ここで言う自信とは、今の自分自身

                                                                「自分はダメな人間だ」…急増する「自己否定という“自傷行為”をやめられない人々」の深層心理 | ゴールドオンライン
                                                              • 精神医療で注目を集めるオープンダイアローグどこまで効くか? 精神科医の斎藤環氏が語る、話をひたすら聞いていく治療法の意味 | JBpress (ジェイビープレス)

                                                                精神疾患はがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に並ぶ5大疾病の一つであり、うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者は年々増加傾向にある。近年は適応障害、発達障害、パーソナリティ障害、依存症などをテーマにした報道や書籍も数多く見られ、社会問題としての関心も高い。 そんな中、今注目を集めている新しい精神医療の手法が「オープンダイアローグ」である。精神科医の斎藤環氏はオープンダイアローグを第一線で実践している。漫画家の水谷緑氏と『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』(医学書院)を上梓した斎藤氏に、対話実践オープンダイアローグの魅力と効果、実践方法、さらに相手を肯定するとはどういうことか、人が人を変えることはできるのか──など、現在の精神科治療の問題点について話を聞いた。(聞き手:長野光 シード・プランニング研究員) ※記事の最後に斎藤環氏の動画インタビューが掲載されているので是非ご覧ください ─

                                                                  精神医療で注目を集めるオープンダイアローグどこまで効くか? 精神科医の斎藤環氏が語る、話をひたすら聞いていく治療法の意味 | JBpress (ジェイビープレス)
                                                                1