【シリコンバレー=中藤玲】生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を手掛ける米新興オープンAIは17日、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。現在、最高技術責任者(CTO)のミラ・ムラティ氏が暫定CEOに就く。新たなCEOの人選も進める。事実上の解任とみられ、アルトマン氏は退社する。同社は声明で、アルトマン氏の退任について「取締役会による審議プロセスを経たもの
新型コロナウイルス感染症対策の切り札と期待されていた接触確認アプリ「COCOA」。そのAndroid版で「接触を検知・通知できない」という根幹機能に関わる不具合が4カ月以上放置されていた問題は、開発体制の見直しや原因調査に波及しようとしている。同問題は2021年2月3日に厚生労働省が公表した。 「アプリそのものの出来があまりよくなかった」――。平井卓也デジタル改革相は2021年2月9日、現状のCOCOAについてこう断じ、今後は内閣官房IT総合戦略室がCOCOAの保守・運用などに関与していく考えを示した。一方でCOCOAを担当してきた厚労省は不具合発見が遅れた原因について第三者による調査を検討しているという。 現在の体制は、厚労省と発注先ベンダーの両方が問題を抱えている。ただ原因を究明するならば、厚労省の前任者らが関わっていた発注プロセスが最善だったのかという点まで踏み込んで検証すべきだ。
インターネット上の意見に政府の圧力がかかるのは70カ国中53カ国、監視干渉行為をしない国は日本を含めてたった4カ国。ネット上の自由に迫る「影」は着々と広がり続けています。その実情とは。長年情報通信政策に携わり、現在は大手プロバイダーのIIJ副社長である谷脇康彦氏の著書『教養としてのインターネット論 世界の最先端を知る「10の論点」』から一部を抜粋して紹介します。 インターネットはどう生まれ、どう使われてきたか 1960年代のインターネット草創期。インターネットの普及は世界の人々の間で情報や知識を共有することを促し、透明で民主的な社会の実現に貢献するという期待が利用者の間に確かに存在していました。これはインターネットの基本精神である「自律・分散・協調」という面に依拠するものでした。 具体的には、インターネットを構成するルーターなどの機器は民間の人たちが「自律」的、つまり自由に設置・運用し、あ
ChatGPTがデジタル広告の業界構造をつくり替えつつある。大手各社は、ChatGPTを生かして開発したAI(人工知能)システムをバナー広告の制作工程に導入。広告制作の生産性向上に成果を上げている。広告制作に携わる人員構成の見直しや、顧客企業から受け取る報酬の体系にメスを入れる動きも始まった。 デジタル広告の中でもChatGPTの影響をもろに受けているのがキャッチコピーの文言をつくる作業だ。商材の種類や想定する閲覧者の属性といった情報を入力すると、瞬く間にキャッチコピーの文言が自動生成される。 ChatGPTをはじめとする生成AIをデジタル広告制作に積極的に活用している1社が、デジタル広告最大手のサイバーエージェントだ。同社は自社開発のデジタル広告制作支援システム「極予測AI」を使い、新たにつくったバナー広告の内容をAIが解析して広告効果の予測値を算出。既に配信しているバナー広告のうち広告
2022年6月27日、東京・立川市役所で大規模な通信障害が発生した。出先機関を含めた1000台以上のパソコンで終日、窓口作業ができなくなった。庁内LANの心臓部となるコアスイッチの障害が原因だった。コアスイッチに向けて大量の通信が発生し、メモリー不足に陥った。原因特定に時間がかかり、完全復旧に1週間を要した。 グループウエアの挙動がどうもおかしい――。東京都立川市役所の本庁舎内がざわつき始めたのは2022年6月27日、始業時刻である午前8時半ごろのことだ。ほどなく市役所のITインフラストラクチャー運営を担う総合政策部情報推進課のもとに、「窓口業務用の情報システムにアクセスしづらい」「内線電話が通じなくなった」といった職員らの困惑した声が続々と寄せられるようになった。 情報推進課はただちに障害箇所の特定に乗り出した。庁内ネットワークのメンテナンスを委託している保守事業者と連絡を取り合い、担当
警察は逮捕した10人の一部が「香港独立」や2019年の大規模デモのスローガンだった「光復香港 時代革命」の旗やプラカードを所持していたと発表した。街頭での荷物検査でかばんなどの中から見つかり、逮捕されたケースもある。 警察によると、最初に逮捕された男は香港島の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)で取り調べを受けた。香港メディアによるとバックパックの中に「香港独立」と書かれた旗を持っていた。 「国家の安全を脅かすごく少数の者にとって国家安全法は鋭い剣になる」。中国政府の出先機関トップの駱恵寧氏は香港が中国返還23年を迎えた1日午前、記念式典でこう演説した。法施行前は欧米など国際社会の批判や市民の懸念を意識して慎重に運用するとの観測もあったが、さっそく法律の威力を見せつけた。 詳しい容疑は分かっていないが、国家分裂を企てた罪に問われる可能性がある。特定の旗やプラカードを持っているだけで逮捕される
コンビニの証明書交付サービスで別人の住民票が発行されるトラブルが横浜市で発生した問題について、サービスの提供ベンダーが富士通Japanであることが日経クロステックの取材で2023年3月29日までに分かった。同社が手掛ける証明書交付サービスへのアクセスが集中し負荷が高くなったことで、「プログラム的な瑕疵(かし)が表面化した」(広報)という。 富士通Japanは日経クロステックの取材に対し、システムに不具合があったことを認めた。負荷が高くなると別人の住民票が発行される事象の詳細については「回答を控える」(広報)とした。 同トラブルは2023年3月27日午前、横浜市に住民から寄せられた連絡で発覚した。住民がコンビニでマイナンバーカードを使って住民票を取得したところ、別人の氏名や住所が記載された住民票が交付されたという。横浜市は同日午後2時にコンビニでの証明書交付サービスを停止し、誤って交付された
香港で続く抗議活動をめぐり、アメリカのグーグルが傘下に持つ動画共有サイト「ユーチューブ」の、中国当局が関与したとみられる200余りのチャンネルを閉鎖したことについて、中国外務省は「中国の14億人の願いは香港の暴力を制圧することで、その意志は封殺できない」として不快感を示しました。 これについて、中国外務省の耿爽報道官は23日の記者会見で、グーグルがとった措置について詳細は把握していないとしたうえで「香港の同胞を含む14億人の中国人の最大の願いは香港の暴力を制圧して秩序を回復することだ。14億人の意志は操ることはできず、当然、封殺することもできない」と述べ、グーグルの措置に不快感を示しました。 香港情勢をめぐってはアメリカのツイッターとフェイスブックが、香港でのデモの正当性をおとしめるなど政治的な対立をあおる内容が投稿されていたとして900以上のアカウントを閉鎖したと発表し、これらには中国当
日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 文化庁は7日、インターネット上に著作物を無断公開する海賊版サイト対策として、ダウンロードを違法とする著作権法改正に関する検討会の第3回会合を開き、大枠の方針をまとめた。漫画だけでなく、新聞や雑誌、論文などからのダウンロードも規制。軽微であれば違法としないものの、「論文の半分程度は違法」などと具体的な線引きを定めた。 検討会は違法とする行為の対象について「著作権者の利益を不当に害する場合」に絞り込む案についても議論。プロの漫画家など著作物で利益を得ている人に実害が及ぶケースなどに限った規制が想定されるが、「規制範囲を絞れば対策の実効性が失われる」と反対意見が多く、結論が出ず今後の調整に委ねた。 検討会はこれも含めて近く最終報告をとりまとめ、文化庁は2
富士通Japan製コンビニ交付システムを巡る誤発行トラブルが後を絶たない。2023年3月に横浜市で他人の住民票が誤発行されるトラブルが発生したのを皮切りに、東京都足立区や川崎市、徳島市、新潟市、さいたま市、熊本市などでも同様のトラブルが続々と明らかになっていく――。 事態を重く見たデジタル庁は同年5月8日、コンビニ交付システムを一時停止した上で不具合を検査する「総点検」を富士通Japanに要請。同社は要請に応える形で、6月17日までに全国の自治体123団体の点検を完了させた。ただ点検完了後まもない同月28日には新たに福岡県宗像市で住民票の誤交付トラブルが発生しており、事態が収束したとは言い難い。 自治体側の責任は? 不具合が相次いでいることからも、富士通Japan製システムに設計上の問題があるのは明らかである。一部の専門家からはその設計について「稚拙」という指摘も出ている。 ただ、富士通J
5月物は21日に取引を終える。例えば、20日の価格(マイナス37.63ドル)で新たに1000バレル買い、そのまま取引終了を迎えると、同量の原油とともに3万7千ドル(約400万円)の現金を受け取る。売り手なら、逆に400万円を支払って原油を引き取ってもらう。通常では考えられない事態だ。 背景には需要激減と原油保管スペースの枯渇がある。米国では外出規制でガソリンの使用が激減しているほか、企業のエネルギー需要も急減している。米エネルギー情報局(EIA)によると、4月2週の米原油在庫(戦略備蓄除く)は5億バレル強と3週間で5千万バレル以上増えた。全米の貯蔵能力は約6億5千万バレルとされ、余地はなくなりつつある。 このため買い持ちしたままでは原油の保管先を確保できなくなる恐れがある。プライス・フューチャーズ・グループの原油アナリスト、フィル・フリン氏によると、原油の受け渡しに使う取引所の倉庫は満杯に
楽天グループがオンプレミス(自社所有)環境のプライベートクラウド「One Cloud」を拡充し、グループ企業の各種事業が用いるIT基盤の統合を進めることが日経クロステックの取材で分かった。現在、パブリッククラウドで稼働させているシステムが多数あるが、原則としてOne Cloudへシフトしていく。グループ全社でIT基盤のプライベートクラウドへの集約を進めてコスト効率を高めるほか、IT基盤のノウハウを蓄積し安定稼働やセキュリティー強化につなげる。 プライベートクラウドは、新たに参入を計画する法人向けITサービスの基盤にも活用する。計画するのは本人確認に使うeKYCやWebサイトのアクセス分析、電子決済の機能などだ。いずれもグループの事業で使うために開発した技術で、従量制のパブリッククラウドサービスとして外販する方向で準備を進めている。 部分的だったOne Cloudの利用、まず楽天市場で全面採
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