「鉄道ファンの聖地」や「プロレスの聖地」と言われる神保町の書泉グランデ 東京都は神保町・秋葉原に店舗を構える中規模書店、「書泉」が元気だ。 経営は赤字続きの状態ながら、2023年3月に1冊の書籍を「書泉グループ独占販売」で復刊させ、結果的にシリーズ3作で累計約3万部も売り上げたのだ。3万冊もの拡販につながったのは、「書泉グランデ(神保町)」に勤めるひとりの書店員の発案によるものだった。 出版業界全体で売り上げの落ち込みが続く中、都心部で本を売り続ける「書泉」の内情とはいったいどんなものなのか。約1年前に代表取締役に就任した手林大輔氏に話をうかがった。 ■転職先は「赤字書店の社長」――書泉の社長に就いたきっかけを教えてください。 「普通に転職サイトで見つけたからです(笑)。ミドル用の転職サイトサービスに登録して、ある日サイトを眺めていたら『へぇ~、社長の公募とかあるんだ』と思って。前職は教育
出版業界が一丸となって読書の秋を盛り上げる、読書推進キャンペーン「本との新しい出会い、はじまる。 BOOK MEETS NEXT 2023」が、2023年10月27日から全国の書店でいっせいにスタートした。それに先立って10月17日にオープニングイベントが開かれ、会場の紀伊國屋ホール(東京・新宿)は本好きの老若男女で埋め尽くされた。今回は、国語の教科書を2日で読破するほど子どもの頃から本が好きという芥川賞作家の川上未映子さんのトーク「言葉で世界とつながること」を紹介する。 「秋の読書推進月間」オープニングイベント(紀伊國屋ホール)の壇上に立った「秋の読書推進月間」運営委員会委員長の高井昌史氏(紀伊國屋書店会長兼社長)、神永学さん(ミステリー作家)、川上未映子さん(芥川賞作家)、渡辺祐真さん(書評家)(写真左から順) 出版業界が一丸となって読書の秋を盛り上げる、読書推進キャンペーン「本との新
日本のジャズ喫茶を北アイルランドの写真家が記録した、ジャズ喫茶のビジュアルクロニクル本『Tokyo Jazz Joints』。ドイツのアートブック系出版社Kehrer Verlagから発売された本書を、英ガーディアン紙が特集。掲載写真の一部を公開しています。 『Tokyo Jazz Joints』は、北アイルランドの写真家フィリップ・アーニールが、日本に長期滞在しているアメリカの放送作家ジェームス・キャッチポールと共同で行ったドキュメンタリー写真プロジェクトです。 2人は特集でこう述べています。 フィリップ・アーニール: 「『Tokyo Jazz Joints』は、日本、写真、ジャズ、そして友情と、私の人生において大きな影響を受けたものが交差するところから始まったラブストーリーです。陳腐な表現かもしれませんが、このプロジェクトは本当に愛の結晶です。1997年に実家を出て日本で働き始めたとき
「100分de名著」(NHK Eテレ)で取り上げる作品を九年にわたり選び続けてきたプロデューサー、秋満吉彦さんが最も戦慄を覚えたのは、現代社会のありようを言い当てる「名著の予知能力」でした。5月31日に発売された新書『名著の予知能力』は、まったく新しい名著の読み方を提案する書。 講師が青ざめるとき――シェイクスピア「ハムレット」(2014年12月放送) 日本を代表する……いや国際的にも高い評価を受けているシェイクスピア研究の第一人者の顔が青ざめていた。モニター越しに見えた表情なので、スタジオ照明の加減もあり、やや誇張が入ってしまっているかもしれない。もっと正確にいえば、表情がこわばっていた。次の句が継げないでいる。明らかに挙動がおかしい。 東京大学大学院総合文化研究科教授・河合祥一郎さん。「ハムレットは太っていた!」「謎解き『ハムレット』」といった著作に惚れ込んだ私が、「ハムレット」解説講
東海林さだお氏の丸かじりシリーズにハマりこんだので、各シリーズの表紙、目次を記しておきたいと思います。 一応文庫化されているものは全て載せているつもりですが、(2013/6月現在発売されているもの全てを掲載)万が一モレがあった場合を考慮して「オイ、あれを忘れてるぞ!」なんていう皆様のツッコミもお待ちしております。 ※太字はお気に入りを意味します。 古いものから順に載せてます。 本名は庄司禎雄。 昭和12年東京生まれ。 早稲田大学露文科中退。 昭和45年第16回文藝春秋漫画賞受賞。 平成7年第11回講談社エッセイ章受賞。 平成9年第45回菊池寛賞受賞。 東海林レシピ:東海林風チャーシュー余計なことはしません。 東海林レシピ:鰹の刺身3種旧友再開。 東海林レシピ:炒飯秘伝。 タコの丸かじり ナイター・弁当・生ビール 激突!激辛三十倍カレー 究極のネコ缶を食べてみる 「おいしい」ってどんな味?
村上春樹新作「文芸のプロ」が読んだ驚く深い感想 『街とその不確かな壁』は"期待通りの傑作"か 東洋経済オンライン / 2023年4月16日 7時10分 初版30万部と、4月13日発売早々大きな話題を呼んでいる村上春樹氏の新作『街とその不確かな壁』。発売にあわせてカウントダウンイベントまで行われた「話題の新作」を「文芸のプロ」はどう読んだか。 中上健次から江藤淳、吉本隆明、阿久悠まで、数々の評伝を綴ってきた文芸評論家の高澤秀次氏が、「ネタバレ」は最小限度にとどめつつ、今回の「読みどころ」を解説する。 作家自身が「失敗作」と認めた旧作『騎士団長殺し』いらい、6年ぶりとなる村上春樹の長篇新作『街とその不確かな壁』は、タイトルをめぐる版元のネタばれ的な事前告知もあって、多くの読者を身構えさせてくれた。 「あとがき」でも触れられているように、作者は1980年に「街と、その不確かな壁」という作品を書い
どこかで読んだ新書リストが挙がっていたので、自分もリスト化してみたいと思った。覚えてないのやどうでもいいのも含まれている。 岩波新書 非ユダヤ的ユダヤ人|I.ドイッチャー 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍|大木毅 ユーゴスラヴィア現代史|柴宜弘 魔女狩り|森島恒雄 パレスチナ〔新版〕|広河隆一 香港―過去・現在・将来|岡田晃 ルポ 貧困大国アメリカ|堤未果 日本人の英語|マーク・ピーターセン 知的生産の技術|梅棹忠夫 写真の読みかた|名取洋之助 日本の思想|丸山眞男 歴史とは何か|E.H.カー インドで考えたこと|堀田善衞 やさしさの精神病理|大平健 講談社現代新書 世界史の中のパレスチナ問題|臼杵陽 日本を降りる若者たち|下川裕治 「国境なき医師団」になろう! |いとうせいこう 教養としてのキリスト教|村松剛 はじめての金融工学|真壁昭夫 ちくま新書 ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年
上京して3年目になる。 不案内な土地を知るには足で稼ぐのが一番と思い、休日には降りたことのない駅で降りる事が多かった。そこでよく目的地に設定したのが古本屋だ。 東京にはたくさんの古本屋がある。有名な神保町の古本屋街をはじめ、中央線沿線など一駅に複数の古本屋が密集する土地も珍しくない。 そこで今回は、この2年間で実際に訪ねてみて、これから上京する人に向けておすすめしたい古本屋をまとめてみることにした。参考になれば幸いである。 前提条件:書き手がよく買う本のジャンル……SF、海外文学、あとちょっと現代詩、精神医学系の本 古書ワタナベ(中野) www.kosho.or.jp 中野ブロードウェイ内にある宝の洞窟的古本屋。なぜかというと、開店している時間帯が読めないから。基本的にやってない。ただし、運良く開店しているところに出くわせると、破格の値段で海外SFや海外文学の本が手に入る。店主はいつも狭い
*あらすじ*中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、彼女が犯罪被害者遺族の立場から死刑廃止反対を訴えていたと知る。一方、町村の娘婿である仁科史也は、離婚して町村たちと縁を切るよう母親から迫られていた――。 *あらすじ*中学三年生の緒方櫂は復讐心をたぎらせていた。従弟が上級生たちから凄絶ないじめに遭った末に意識不明の重体に。その妹も同じ連中に性的暴行を受けたのだ。自殺願望を持つ同級生・高橋文稀が櫂の復讐の相棒となることを承諾。二人は予行演習として、少年法に守られて罰せられない犯罪者たちを次々と襲い始める。エスカレートする制裁の果てに待つ衝撃の運命とは?
東野圭吾氏や宮部みゆき氏と並んで日本のエンターテインメント小説界を代表する存在である伊坂幸太郎氏による初期の代表作『魔王』。その『魔王』の新装版は、カバーのメインビジュアルを一般公募するというプロジェクトを実施、審査の結果「蓮村」氏のイラストが選ばれました。 そんな『魔王 新装版』を、書評家の大森 望氏が解説してくださいました! ただし、ネタバレがあるので顛末を知りたくない方は注意してくださいね。 デビュー長編『オーデュボンの祈り』(新潮社/2000年12月刊)から22年。いまや、伊坂幸太郎は、東野圭吾や宮部みゆきと並んで、日本のエンターテインメント小説界を代表する存在となっている。2022年12月現在、著書は小説だけでも40冊を超え、日本国内で映画化された作品は13タイトル。2021年には『マリアビートル』がBullet Trainのタイトルで英訳されて、2020年度のストランド・マガジ
評者:北上次郎(書評家) すごい小説だ。 誰が悪かったのか。なにがいけなかったのか。どこが分岐点だったのか。読み終えてもずっと、考えている。 少しだけ遠まわりをする。早見和真はこれまで、さまざまな素材を扱って、さまざまな作品を書いてきた。野球小説、初恋小説、家族小説あたりまではまだ理解できるけれど、仏教を背景に「我いかに生くべきか」をめぐって彷徨する青年の熱い青春の物語を書いたりするのだ(それが『スリーピング・ブッダ』だ。高校野球を素材にしたデビュー作『ひゃくはち』に続く第2作がこの『スリーピング・ブッダ』だったから、あのときは驚いた)。どんな素材であっても早見和真は、群を抜く人物造形と、巧みなエピソードを積み重ね、鮮やかなエンターテインメントに仕立て上げるのだから感服だ。競馬小説『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞を受賞したのはまだ記憶に新しい。あのときも、早見和真が競馬小説を書くの
「本の雑誌」創刊者で弊社前社長の目黒考二(めぐろこうじ)が、2023年1月19日10時、肺がんのため永眠しました。享年76歳。みなさまには生前のご厚誼に心から感謝いたしますとともに、ここに謹んでお報せ申し上げます。 葬儀は近親者のみにて家族葬として執り行います。誠に勝手ながら、御香典、御供花、御供物の儀はご辞退申し上げますことをご了承ください。後日、お別れの会を執り行う予定です。 目黒考二は本名のほか、文芸評論家・北上次郎、競馬エッセイスト・藤代三郎の名でも幅広い執筆活動を続け、エンターテインメント書評という新しい分野を確立しました。社員一同、故人の遺志を継ぎ、「本の雑誌」をみなさまからより愛読される雑誌にしていく所存です。 なお、大変恐縮ではございますが、ご遺族および椎名誠氏へのお問い合わせや取材につきましては差し控えてくださいますよう、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます
書くということ おれは2022年の1月1日に、自分のブログで「今年は小説を書く」と宣言した。何人かの読者から期待されもした。おれはやる気だった。 しかし、2022年、おれは小説を書くことができなかった。書こうとすらしなかった。一文字も書けなかった。まったく。 ……などと書くおれはなんなのか。なんだろうな。ネットの片隅にいる日記書きだ。 それなりに長く書いてきた。書くことは好きだ。ずっと好きだった。 おれは日本語を書くことが得意だと思って生きてきた。身の程に合わない大学に入れたのも、小論文一本で勝ち取ったものだと思っている。だからフランス語の活用が覚えられなくて中退することになったけど。 でも、たとえば、そこらへんを歩いている人を十人くらい集めたら、そのなかで二番目くらいにものを書くのはうまいという自負もある。 もっとも、百人集めたら二十番目、千人集めたら二百番目ということになるのだが。あ、
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