ここでは、以下のことを紹介します。 (1)「組織の経済学(新制度派経済学)」登場の歴史 (2)「組織の経済学(新制度派経済学理論)」の概説 (3)「組織の経済学(新制度派経済学)」の文献紹介 企業の経済理論の歴史―どのようにして新制度派経済学は出現したか― ★★菊澤研宗著『組織の経済学入門』有斐閣2006年 2300円 を買って読んでください。★★ 1. 新古典派企業の理論 従来、経済学者は企業組織にはほとんど関心をもたず、市場の役割だけに注意を払ってきた。もし自由に交換取引できる市場があれば、能力のない人は財を売り、能力のある人は財を買い取るので、市場取引によって能力のある人に財が配分され、財は効率的に利用されることになる。このような効率的資源配分システムとしての市場の役割を厳密に説明してきたのが、《新古典派経済学》である。 しかし、市場を唯一の効率的資源配分システムとして説明する