『野の医者は笑う』や『居るのはつらいよ』、『聞く技術 聞いてもらう技術』などの著作があり、現代を生きる私たちの「こころ」を見つめ続ける臨床心理士の東畑開人さん。ここ数年はオンラインで行っている授業が評判になっています。5月からはオンラインセミナー「みんなのカウンセリング入門」が始まるということで、そんな東畑さんが思う本当の「知」のあり方、そして「野生の授業」の重要性について話を伺いました。 「役に立つ」ことは面白かった ―東畑さんは『居るのはつらいよ』や『聞く技術 聞いてもらう技術』、近刊の『ふつうの相談』など臨床心理学やケアについての本を書きながら、日々クライエントと会う臨床家としても働いています。それだけではなく、一般市民向けにオンライン授業も開いておられます。臨床心理士としては珍しい多彩な働き方に見えます。 東畑:実は珍しくないんですよ(笑)。そういう働き方をしている人はそれなりにい