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ブックマーク / ta26.hatenablog.com (26)

  • 『八紘一宇』発言に鈍感であってはならないと思う - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■唐突に出て来た『八紘一宇』 先週、久々にぞくっと悪寒が走るようなニュースがあった。元女優で自民党政治家である三原じゅん子氏の発した一言に思わず体が敏感に反応した。『八紘一宇』がその一言である。 この言葉の意味は、ブリタニカ国際大百科事典の説明がわかり安くコンパクトにまとまっているので、以下、引用しておく。 「世界を一つの家にする」を意味するスローガン。第2次世界大戦中に日中国,東南アジアへの侵略を正当化するためのスローガンとして用いられた。『日書紀』のなかにみえる大和橿原に都を定めたときの神武天皇の詔勅に「兼六合以開都,掩八紘而為宇」 (六合〈くにのうち〉を兼ねてもって都を開き,八紘〈あめのした〉をおおいて宇〈いえ〉となす) とあることを根拠に,田中智学が日的な世界統一の原理として 1903年に造語したもの。40年第2次近衛文麿内閣が、「基国策要綱」で東亜新秩序の建設を掲げる

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  • インターネットの遠心力と求心力/世界を正しく理解するために - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■第三の産業革命 先日、カドカワインターネット講座の第10巻『第三の産業革命 経済と労働の変化』*1が発売されたので、早速読み始めたら、あっという間に読みおわってしまった。興味深い論点もたくさんあって、必ずしも簡単な内容のではないと思うが、自分自身が、ここに集まった執筆者達とほぼ同じ目線でこの10数年間、時代を見つめて来たればこそと思うと、妙に感慨深い。だが、これだけ奇妙なことが次々に起きた驚きを忘れ、いつの間にかさほど違和感を感じなくなっている自分がいることにも気づき、むしろそのことに驚いてしまった。こんなことでは、今また次元が上がろうとしているインターネットの方向性を見失ってしまいかねない。この機会に、真摯に過去を振り返り、現状を評価しておきたくなってきた。 『この巻のタイトルはインターネットと産業とあるが、その中身はもう少し広くインターネットと経済というべきものにした』、とこの巻を

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  • 2014年10大潮流 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■話題が豊富な2014年 2014年というのは、実に話題が豊富な年だった。印象的で記憶に残るニュースが目白押しだった。実際他の情報ソースを見ても、今年は10大ニュースに関わる記事は明らかに例年より豊富だ。昨年末も10大ニュースをまとめてみようと取組んだのだが、あまりコメントしたくなるようなニュースが集まらず、忙しかったこともあって見送ってしまったことを思い出す。それに比べると年は、10件に絞るのに苦労する感じだ。 しかも、自分がこれはと思ったニュースを並べてみると、例年以上にそこにストーリーの繋がりが見えてくる。せっかくなので、今年は単なる10大ニュースではなく、『10大潮流』と銘打って、いくつかの関連するニュースをまとめてその背後にあるストーリーのほうに着目してみたい。 1. 人工知能元年/進むデジタル革命 年、年明け早々に、 Googleがイギリスのディープマインド・テクノロジー

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    shiraber 2015/01/04
  • インターネット文化の未来について - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■インターネットの総括の時期 今年は、年の中ごろに、昨年(2013年)は『ゼロ年代のインターネットの夢の挫折の年』だったのではないかという主旨の記事を何度か書いた。当時はこの視点をさらに深堀して、『インターネットの夢』とは何だったのか、誰が夢を見ていたのか、どうして挫折したのか等、もう少し思考を熟成しようと思っていた。だが、残念ながら手をつけかねてそのままにしてしまった。追求しようにも、自分でもどうしても今ひとつはっきりと考えをまとめることが出来なかったのが正直なところだったりする。 だが、2014年も暮れようとしているこの時期になって、もう一度この案件を拾って、書けるところまででよいから何か書いておこうという気になって来た。そうすることが、これからの日文化を解読するにあたって、不可欠な作業に思えてならないからだ。確かに、夢は挫折し、インターネット文化にも陰りが見られるのは確かだが、だ

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    shiraber 2014/12/24
    “ADOKAWAの企画ではないが、今は、これまで起きて来たことを総括して、次の大きな波に乗り遅れないよう、準備しておくべき時期であることをあらためて強く感じる”
  • 米国の静かな革命が、今後大きな潮流になると考える3つの理由 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■米国の強力な『複合体』 先週は米国の悲惨ともいえる状況について記事を書いたら、思った以上に大きな反響をいただいた。ただ、『あまりに救いがないのは何とかならないのか』、と言うご意見が結構あって、私自身が多少なりともそう感じていたこともあり、出来るだけ早く何らかのお答えになるような記事を書いておきたいと思っていた。 選挙前に知っておくべき、米国で今起きている恐るべき事実 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い質を観る とはいえ、米国の政治の現状は、客観的に見てもかなり厳しい。いわゆる日でいう政官財だけではなく、法曹会から、軍事産業に至るまで、非常に緊密な『複合体』となって組み上がっていて、容易なことでは解体できそうにないように見える。 サブプライムローンのような、詐欺商法といっても過言ではないようなウォール街の悪行が世にあきらかになって、言わば改革の一大チャンスだったはずの『リーマンショッ

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    shiraber 2014/12/02
  • 本当に世界を変えてくれるかもしれない経営者とは - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    イーロン・マスク氏のすごさ 先週のエントリーで、米国のカリスマ起業家/経営者であるイーロン・マスク氏が、人工知能に関して衝撃的な見解を持っていることを取り上げたわけだが、意外に自分がイーロン・マスク氏のことをあまり知らないことに気づいた。そこで、あらためて少し詳しく調べてみると、この起業家の圧倒的なスケールに今更ながら驚嘆することになった。ただのラッキーボーイでもなければ、ほら吹きでもない。それどころか、従来の著名な起業家を上回る実行力と思想性を併せ持っている。 この機会に、イーロン・マスク氏のことをちゃんと知るために、ネット記事だけではなく、著書『未来を変える天才経営者 イーロン・マスクの野望』*1を読んでみた。主にそこから、彼の履歴をざっとおさらいしてみる。 1971年南アフリカ共和国生まれ。 1988年、17歳でカナダに渡り、90年にクイーンズ大学に進学。 1992年、アメリカのペ

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    shiraber 2014/11/17
    “人間の究極的な価値判断は、理屈じゃないんですよね。理屈が正しくて、人間の感情のほうが間違っていると言った瞬間に、人間はどんどん解体されていく。それをどこまでやっていいのかというと・・・これはすごく難
  • 合理主義でかすむ奥深い価値/ワールドカップの負の置き土産 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■消化しきれない『ミネイロンの悲劇』 ブラジルのワールドカップが終了して1月半あまり、世界のサッカー界は、ワールドカップ後の新しい勢力地図の構築に向けて動き出している。得点王に輝いた若き新星、ハメス・ロドリゲスは世界屈指のビックグラブ、レアル・マドリードにレアル史上3位という高額の移籍料で引き抜かれた。香川の所属するマンチェスター・ユナイテッドは、オランダ代表を率いて3位という好成績をおさめたルイス・ファン・ファール監督を獲得してチームの立て直しをはかろうとしている。日でも、アギーレ新監督のもと、新しい日本代表の人選が発表された。人々はもう終ってしまったワールドカップなど関心がないかのようだ。だが、そんな中でも、私は未だにあのワールドカップでの、ブラジルが準決勝でドイツに7−1という歴史的なスコアで敗れた「ミネイロンの悲劇」の衝撃を消化しきれないでいる。 ■マネーボール ドイツの徹底した

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    shiraber 2014/09/01
  • 日本をやり直すために必要なこと - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■比較的楽観的だったIT業界でさえ 今の日は色々な意味で、『ギリギリの状況』にあることはやはり間違いない。遠からず、従来以上にドラスティックな変化が(良し悪しは別として)次々に表面化してくるのは間違いない。それなのに、指針というか、進むべき方向は益々不透明になってきている。この身悶えするような方向喪失感が今の日の時代の空気であることは、私ならずとも昨今は誰もが感じていると思う。 しかもそれは昨日今日始まったものではない。いわゆる失われた20年の間、そして今に至るまで基的にはずっと続いてきたセンチメントといえそうだ。だが、その中でこれまで例外的に比較的明るかった領域がある。『IT業界』とその周辺だ。そこに比較的楽観的な空気が流れていたのは、切り札としてインターネットへの信頼があり、このインターネットの持つ潜在力を自分たちの手で最大限顕在化させることで、ビジネスだけではなく、様々な社会問

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    shiraber 2014/08/18
    “私は昔から日本人の深層意識の奥には、『問題解決の最良の策は、すべて水に流してしまうこと』という信念があるのではと感じてきた”
  • 東浩紀氏の新著『弱いつながり』が誘う『自分の似姿の世界』の外側 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■時代の変調を察知する『カリスマ』 今年に入って何度か、2013年という年は『ゼロ年代のインターネットの夢の挫折の年』だったとブログに書いてきた。私のような市井の者がいうまでもなく、最近では、ゼロ年代にインターネットシーンを強力に引っ張って来た『カリスマ』の面々が皆、異口同音に語ることでもある。それぞれに変調に戸惑い、現状を嘆き、暗中模索する様子が明らかに見て取れる。そのような人達を順不同でリストアップしてみると、まさにそうそうたるメンバーがずらりと並ぶ。(敬称略) 東浩紀(思想家)、川上量生(ドワンゴ会長)、津田大介(ジャーナリスト)、佐々木俊尚(ジャーナリスト)、宇野常寛(編集者)、宮台真司(社会学者) 皆、時代の風を微細に感じることができる鋭敏な感性を持ち、行動力も抜群だから、インターネット、特にWeb2.0以降のソーシャルメディア全盛の時代に、それ以前にもましてプレゼンスを高め、確

    東浩紀氏の新著『弱いつながり』が誘う『自分の似姿の世界』の外側 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
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    shiraber 2014/08/02
    “意図的に『切断』することも必要(=『強いつながり』を『弱いつながり』に置き換えていくこと)、というのが、今回の東氏の一番大事なメッセージの一つといってよさそうだ。”
  • 時代の潮目の変化と備えておくべきこと - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■東浩紀氏の語りで気になったこと 思想家の東浩紀氏が主催するゲンロンカフェでのイベントはネット配信されていて、有料であれば全て視る事ができるが、7月の配信プログラムにつき東氏自身が解説をしていて、この動画がものすごく面白い。プログラムの説明もそこそこに、最近の世の出来事につき思うがままに語る東氏は、破天荒だし、コミカルだし、ハチャメチャだが、一方でとても深い。大変印象的な思考の断片をたくさん拾い集めることができる。せっかくなので、その中でも、今回私が特に気になったトピックについて(その断片に私なりに肉付けした上で)、若干のコメントを書き残しておこうと思う。 ■スマートモブ 2000年代の初め頃、 作家のハワード・ラインゴールドは、彼ので著書*1で『スマートモブズ』という概念を提唱した。 モブ(mob)とは「群衆、 大衆、暴徒」といった意味で(『スマート』といっても、必ずしも肯定的な意味では

    時代の潮目の変化と備えておくべきこと - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
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    shiraber 2014/07/10
    “自由が花開く社会を構築するには社会の抑圧的な勢力を除けばすむというものではない、という当たり前の現実を突きつけられたのが、2013年だったといえそうだ。”
  • 『静かなる革命』について自分でも考えてみた - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■ネットに期待していた 前回のエントリー*1でも書いたような、イノベーティブな個人を潰す傾向のある日企業の組織のことは、ずっと以前から私が意識し続けた問題なのだが、2000年代の半ば位からSNS格的に普及し、インターネットを通じた双方向コミュニケーション、バーチャルコミュニティの形成、インターネットを通じた動員力等を目の当たりにするようになったころから、日企業にいる企業内個人が、社内、社外を問わず、志を同じくする者どうし繋がり、会社に籍を置いたままでも、共同で新しいサービスを立ち上げたり、その力を組織改革に向けたりする可能性が開けてきたことを感じ、期待していた。 ■残念な結果 ネット世論では、この勢いを、社会改革、さらには政治改革につなげて行くことができるとの期待も盛り上がっていた。その可能性を私も全く考えないでもなかったが、しがらみの強い日政治の改革や社会全体の改革には、正直

    『静かなる革命』について自分でも考えてみた - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
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    shiraber 2014/07/03
    “中央官庁の若手と話すと、『他の場所では言えませんが、この国はもう1回焼け野原になったほうがいい』という話は必ず出てきます。『もしかしたらカイゼンによって延命できるかもしれないけど、地獄を見る可能性も
  • 若者 vs. 『おじさん』/理は若者にありそう - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■若手社会学者 古市憲寿氏 若手社会学者の古市憲寿氏の新刊(新書)、『だから日はズレている』*1が面白いという話を聞いたので、早速、読んでみた。 古市氏のことは、私のブログでも、すでに何度か言及してきているし、気鋭の若手(当時26歳)社会学者の注目作として、非常に大きな話題になった『絶望の国の幸福な若者たち』*2については、早々に書評を書かせていただいた。当時はまだ氏に関する情報も少なく、歯に衣着せぬ率直な発言で場を煽る『炎上マーケター』の一人か? とまで思ったものだが、著書を読み込んでみると、着眼点がユニークで、語り口は淡々としているものの、論旨は意外にわかりやすい。そして、氏が切り取ってみせた問題は実に印象的で、その後ずっと私の頭から離れずにいる。 ■恐るべき近未来像 今回の新刊では、そんな古市氏の当時の問題意識はそのままに、より一層、古市氏が相対する問題の全体像がわかりやすく提示さ

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    shiraber 2014/05/14
    おもしろい。poe氏コンサマトリー論もさらに昇華されてきた感
  • あまりに『母性原理』が優勢な日本の危機 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■違和感のある記事 3月24日付けの東洋経済オンラインで始まった社会活動家の湯浅誠氏の連載記事、『真のリベラルを探して』というタイトルを目にして、昨今のリベラル政治勢力(民主党等)のあまりの惨状と、極端な保守回帰ぶりに、さすがにバランスの悪さを感じていた私は、思わず引きつけられた。 90年の人生で、今の日がいちばんひどい | 真のリベラルを探して | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 だが、ゲストの名前を見て驚いた。瀬戸内寂聴氏? どいうこと? 実は私が知らない瀬戸内氏の音があって、当はリベラルな人なんだろうか? だが、インタビューの内容をいくら読んでも、どこからもリベラルな気配を感じない。昔の日のムラ社会へのノスタルジーや感傷的な彼女自身の実感以外には特段目新しいことが語られているわけではない。私は特に瀬戸内ファンを敵に回す気もないし、彼女の意見自体にケチをつけるつも

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    shiraber 2014/03/31
    “だから、日本社会には、リベラルのストーリーを探求しようとする場合にさえ、瀬戸内寂聴氏のような伝統的な中間共同体にノスタルジーを感じる人に語らせたくなる磁力があるということなのではないか。”
  • やはり辻井喬氏の再評価が必要だ/都市集積と洗練そして個の自立 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■秘密保護法の成立 国家機密の漏えいに厳罰を科す「秘密保護法」が、反対意見の沸騰も空しく、12月6日に国会で成立してしまった。米国の有識者からも「民主国家では今世紀最悪」との批判も出たように、この法案自体非常に問題が多いことは言うまでもないが、それ以上に、後で振り返ってみて、この法案成立が、日の右傾化/政治・官僚の統制強化や暴走/言論の自由の制限/経済の停滞等、日全体が今以上に抑圧が強く、暗い国になっていく前兆/きっかけになってしまうのではないかとの不安がよぎる。 ■堤清二(辻井 喬)氏の逝去 ちょうど、先日、セゾングループの創始者にして、小説家としても活躍した、堤清二(辻井喬)氏が亡くなったという報道を受けて、この人の業績の意味や、思想等につき振り返っていたこともあって、感慨はひとしおだった。辻井氏は(あえて堤氏ではなく辻井氏とさせていただく)、大経営者でありながら、リベラルで公平な

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    shiraber 2013/12/09
    “今こそ、『都市への集積』『都市文化的洗練』『洗練された記号的需要創造』等が求められる時代になって来ているというべきではないか。”
  • 未来の詰まった玉手箱『PLANETS Vol.8』(前編) - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■前回に引き続き 前回の記事の後半で、行き詰まってしまった今の日にあって、インターネットによって無意識が可視化されることで、フロンティアが拡大する可能性があるという点につき、評論家の宇野常寛氏が編集長をつとめる『PLANETS Vol.8』*1が非常に面白かった旨言及したものの、記事が長くなってしまったこともあり、内容にはまったく立ち入らなかった。案の定、具体的には何が書いてあって、どこが評価できるのかという質問を受けることになったので、今回は(私が理解した限りではあるが)、内容について感じたことを書いておこうと思う。 ■ゲームのルールが変わった世界市場 日の戦後社会システムは、個別の会社から系列に至るまで、閉鎖的な縦社会を組み上げ、その縦社会を非常に精密に機能させることで世界との競争に勝ってきた。ところが、インターネットの導入によって、欧米(主として米国)主導で、国をまたいだ水平分業

    未来の詰まった玉手箱『PLANETS Vol.8』(前編) - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
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    shiraber 2013/01/21
  • 『ウェブで政治を動かす!』を読んで/激変はこれから起きる - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■津田大介氏の新著を読んだ ジャーナリストの津田大介氏の新著、『ウェブで政治を動かす!』*1を早々に入手して読み終えたので、感想を書き残しておこうと思う。最近、イベントに出かけることが少なくなって、私のこのブログも書評関連記事が多くなってきている。だだ、著者にはまったく失礼な話かもしれないが、私が書くのは、大抵はその著書の『要約』ではない。優れたに出会った時に去来するインスピレーションを書き留めておこうというのが、私が書評めいたものを書く主たる動機であり、書かれた内容は、あくまでそのインスピレーションに喚起された私自身の『語り』である。今回も、かなりそういう内容になりそうなので、予めお断りしておく。 ■歴史の転換点 すでに私のブログを読んで頂いているような方には説明するまでもないと思うが、津田氏と言えば、ソーシャルメディアの雄で、Twitterを非常にうまく使いこなすことでジャーナリズム

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    shiraber 2012/11/19
  • 『Facebookは危険』で済ませてしまっていいのか? - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■Facebookの凋落? ここのところソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)各社は、 LINEのような一部例外を除くと、おしなべて精彩を欠く印象があるが、中でもFacebookに係わる報道は、ネガティブなものばかりが目に付く。先日発表された上場後初の四半期決算の結果も芳しくなく、市場には失望感が広がり、株価はまたしても最安値を更新することになった。FacebookのようなITジャイアントは、ビジョンや経営がしっかりしていれば、短期損益に一喜一憂する必要はない、というのが昨今の大方のコンセンサスではある。だが、最近のFacebookの場合、その『根幹』に関わる変質が起きているのではないかとの懸念もあり、関係者ならずとも気になるところだ。 株価以上に日のFacebookユーザーを驚かせたのは、先頃発表された米国 American Customer Satisfaction Ind

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  • 『個』と『仕事』と『ソーシャル』を考えるにあたって - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■FTMフォーラム 第4回Green Table 開催概要 2月23日(木)に、国際大学GLOCOM主催のFTM フォーラム(Future Technology Management フォーラム。 議長:村上憲郎GLOCOM教授・主幹研究員、多様な人々を幸せにする「スマート社会」の構想と、その実現に必要な技術を取り巻く制度・カルチャー・企業経営を議論)の一貫で開催されているGreen Table (今後5年以内に社会の中心を担う世代の研究者、経営者、技術者、社会活動家をコアメンバーとしたラウンドテーブル)の第4回目が開催されたので参加した。 これで4回シリーズのうち、2〜4回に3連続で参加することになり、この場の雰囲気、メンバーの個性等知る事が出来て、大変楽しかった。議論は毎回収斂するより拡散する事が多く、最終回の今回もシリーズ全体の雰囲気を象徴するようにパネラーと会場が入り乱れて大いに議

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  • 今経営学/ビジネス関連図書を読むにあたっての8つの留意点 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■深い探求が求められ始めた 昨年から今年にかけて、経営学者のピーター・ドラッカーのことが日でも非常に話題に上がる事が多かった。これは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』*1という、非常にユニークなが300万部近くも売れたことがきっかけになった事も確かだが、従来のビジネスマンの枠を超えて、広くドラッカーが読まれている様子を目にすることが多かった印象がある。しかも、従前のように流行に遅れまいとして、一応買って流し読みするというような主体性のない態度ではなく、何らかの指針を得たいという真剣さが感じられる。実際ドラッカーの原著にあたればすぐにわかることだが、皮相的な経営ノウハウが書き連ねてあるわけではなく、『経営思想家』と評されるがごとく、時に非常に深淵で、読む側にそれなりの準備と覚悟を求めるものが多い。昨年は、これもかなり内容的には難解な、米国の政治

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  • 孤高の天才小室直樹氏を偲ぶ - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

    ■追悼特別番組 前々回、9月初めに逝去された、学者/評論家の小室直樹氏について、昔読んだ著作を再読してブログ記事にしてみたが、小室氏の弟子にあたる宮台真司氏がレギュラー出演する、ネット有料配信プログラムであるマル激トーク・オン・デマンドにて、同じく弟子の一人である東京工業大学教授の橋爪大三郎氏をゲストに呼んで、10月9日分のプログラムを追悼特別番組として配信されたので、再度小室氏について書いてみたい。この番組は事前の予想を上回って非常に格調の高い内容となっていて、大変感銘を受けた。そして、自分の生きてきた時代のいまだ解決し切れていない巨大な課題をあらためてはっきりと見せていただいた気がする。 VIDEO NEWS[追悼特別番組]巨人、逝く 小室直樹が残した足跡 » ■ソ連崩壊とその後についての予測 小室直樹氏の業績については、私のような浅学の徒は残念ながら非常に小さな窓から覗き込む程度の事