「主人を殺したのはわたしです」 重すぎる十字架を背負った人へ、瀬戸内寂聴さんが贈る言葉 瀬戸内寂聴の人生相談 #3/5 体の弱さから失業した夫に代わり、家計を支えることになった妻。無事に子供たちを社会に送り出した後、ふとした拍子に出た妻の一言により、夫は自殺してしまいます。重すぎる十字架を背負った彼女に瀬戸内寂聴さんはなんと言葉をかけるのでしょうか? 懺悔、そして供養することの本当の意味を説きました。 「主人を殺したのは私です」 ナレーション:半年前、主人を亡くしました。自殺でした。主人は体がとても弱く働く意思はあるのですが、仕事に体がついていけず、不況のおり、失業してしまいました。毎晩のように主人の愚痴を聞きながら私は働き続け、子供たちを大学にやり、大企業と呼ばれる会社に就職させるところにまでこぎつけました。 しかし、ふと「私の人生って何だったんだろう?」と虚しい気持ちに襲われたのです。