東京電力ホールディングス(HD)が7月31日、福島第2原子力発電所の全4基の廃炉を正式に決めた。震災復興を目指す地元の強い要望に応えた形。東電は今後40年以上かけて廃炉していくことになるが、東電だけでは解決できない問題も横たわる。それでも東電は「いばらの道」を進むことを決断した。 福島第2は2011年の震災時に全4基が運転中に自動停止した。福島第1のように炉心溶融はなかったが、津波で3号機を除いて冷却装置が浸水して破損。現在は全基が冷温停止し、落ち着いている。 今回の廃炉がいばらの道であるのは、まず、国内では例のない規模の原発の廃炉である点だ。福島第2は、首都圏の電力需要を支えてきたこともあり、1基あたりの出力が110万キロワットと大型の原発。さらに福島第1も含めると、東電が廃炉にする原発は計10基にのぼり、前代未聞の難事業に挑むこととなる。 2点目は、福島第2だけで2800億円にのぼる