第一話はこちらから 第二話はこちらから 明日、カウンターの地平線で 第三話 ※写真は朝陽門(東門)。 ナイターの照明がつき始めた横浜スタジアムの横を抜けて、玄武門に入る。 北門通り。 すぐにも「國皇」「中国茶房悠香房」「康華楼」が左に、少し行けば右には「中華飯店」「福満園」「錦臨門」「金香楼」……と店が並んで、赤や金の煌めく賑やかな極彩色に目がくらみそうになる。道にあふれる観光客達、渦巻くような熱気、ラードやゴマ、肉まんの湯気のにおい、土産物のパンダのぬいぐるみ、乱れる広東語と北京語……。 横浜中華街はいつ訪れても、味と香りと人々の喧噪で混沌としていて、楽しくなる。映画『ブレードランナー』の近未来世界を想起させて、この街には何があってもおかしくない気がするのだ。 ひしめく中華料理屋の脇の細い路地に入ると、ジャンクなPC部品が無雑作に売られていて、その店の奥には、知る人ぞ知る天才ハッカーの仙