公的機関では裁かれませんでしたが、民意によって裁かれました。半世紀ぶりのオリンピックという、国家規模のイベントに関連することでしたので、国民の大きな関心事であり、特別な洞察力とスキルとセンスを持った、匿名の民間人の手によって、デザイン作品の模倣性が短期間に調査され、具体的な根拠や証拠が示されて、デザインのアイディアや表現の出所についての異議が申し立てられました。このような、民間人の調査力がなければ、五輪エンブレムの1位案の白紙撤回はなかったことかもしれません。このことが約1ヶ月という短い期間のなかで行われましたので、その実行力とスピード感は、驚異的なレベルの高さだと思いました。故意ではなかったかもしれませんが、結果だけみると、あきらかにアンフェアな方法であったことは間違いのないことで、当事者たちが認めないことを、客観的に確認するための、民間人による新たな方法論が確立したのではないかと思いま