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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/c_a_nagaoka (7)

  • エヴァを壊すこと、鏡を割らないでいること――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』について - 灰かぶり姫の灰皿

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はある強い困難に向き合った仕事だ。もちろん新しい物語的展開やエピソードの挿入はある。そのことは旧作を引き継ぎながら超えていこうとする『ヱヴァンゲリヲン』の姿勢を示しているだろう。しかし、そうした努力によって逆にかつての仕事が呼び戻されてしまっている箇所が作には多くみられる。それどころか、その処理はどうも意図的に行われているようだ。  『ヱヴァンゲリヲン:破』では、基的に以前の『新世紀エヴァンゲリオン』テレビシリーズ第八話から第拾九話まで*1の内容が一のフィルムにまとめ直されている。そのためにテレビ版のいくつかの放映回は姿を消しているし(たとえば第拾壱話「静止した闇の中で」や第拾参話「使徒、侵入」)、大きく圧縮されて映画の中に組み込まれた出来事もある(たとえば『破』の第8の使徒は落下中、旧版第拾六話に登場する使徒レリエルに似た形態をごく短時間だけとる)。

  • エヴァを壊すこと、鏡を割らないでいること――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』へのメモ - 灰かぶり姫の灰皿

    Cut (カット) 2009年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2009/07/18メディア: 雑誌 ヱヴァンゲリヲン破を観てきた。いくつか簡単にメモしておきたい。苦しい仕事になったと思う。もちろん新しい物語的展開やエピソードの挿入はあって、それは旧作を引き継ぎながら超えていこうとする『ヱヴァンゲリヲン』の姿勢をよく示してもいるのだろう。でも、かえってそうした努力によって『エヴァンゲリオン』が呼び戻されてしまっている箇所があると感じる。今回の『破』では、基的に『エヴァンゲリオン』TVシリーズの第八話から拾九話までの内容が一のフィルムとしてまとめ直されていた。そのためにTV版のいくつかの放映回は姿を消しているし(たとえば第拾壱話「静止した闇の中で」や第拾参話「使徒、侵入」)、大きく圧縮されて映画の中に組み込まれた出来事もある(たとえば『破』の第8の使徒は落

  • 灰かぶり姫の灰皿

    Beautiful World / Kiss & Cryアーティスト: 宇多田ヒカル, Utada Hikaru, Bart Howard, Kawano Kei出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)発売日: 2007/08/29メディア: CD渋谷のアミューズCQNでヱヴァンゲリヲン新劇場版観てきた。言いたいことは山ほどあるし、複雑な気分でスクリーンを見ていた時間が長かったんだけど、最後は宇多田ヒカルに合わせて小刻みに頭をスウィングさせながらエンドクレジットに見入ってました。要するに、そういうことです。 いろいろ考えたけど、題だけ簡単に。旧作に難点込みで向き合った上で、もう一度新しい物語を模索しようという姿勢ははっきりしていたと思う。そのことに好感を持ちました。例えば旧版の六話にあたるヤシマ作戦では、シンジやミサトたち以外の人間に血肉を与えようとする努力が払わ

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2007/11/23
    公開から三ヶ月近く経ってもなおこうした鋭い批評を読める事の喜び。
  • 東浩紀の二つのエヴァ批評、ほか - 灰かぶり姫の灰皿

    郵便的不安たち# (朝日文庫)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2002/05メディア: 文庫 1996から97年にかけて書かれた東浩紀の「エヴァンゲリオン」評が、おそらくこの作品への最も優れた分析であり続けていることの意味を時々考える。冒頭部に情報を凝縮して提示し、それを素早く展開=解凍していくことであのドライブ感を持たせる、東の90年代後半の文体のパフォーマンスを。同じころ彼が第II期『批評空間』に連載していたデリダ論とその手法は共振するものだったし、それは同時に「エヴァ」のスタイルでもあった。アニメファンの快感原則にピンポイントで作用する映像/物語を描いてみせ、ついでその作動と同様な高速さでそれを自壊させる――東が庵野の戦術にこう見取り図を与えるとき、彼は自らのテクストをある意味では「エヴァ」へシンクロさせながら書いている。作品の症候と強度をテクストのスタイルへと

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2007/11/23
    東浩紀はやっぱり読まないといけないなあ。
  • 新しい「ミックステープ」の擁護のために - 灰かぶり姫の灰皿

    4/18 アバウト欄だけが更新され、今や日記以外の何物でもないものとして書かれている。度し難い。 提示された映像をいったんすべてまともに受け取った上で、きちんと読んでみるという形式での海外エヴァAMVのレビューはかねてしてみたいなと思っていて、一応簡単に調べも進めている(youtubeでいろいろ観るだけだけど。そのうちいくつかの作品は、ここでも順次紹介してきた通り)。基的に海外制作のこうしたAMVは、対象となる作品の主題にかなりストレートに反応してくる傾向があって、「エヴァンゲリオン」に関して言えばシンジとゲンドウとのオイディプス的関係とか、シンジ=アスカ関連の映像のカットアップから性の主題系を引き出してくるもの(たとえば彼の手に飛び散った精液のカットの多用)が目立つ。使用楽曲もポスト/オルタナロック系の重めのものが多く選ばれるなど、サウンドとアニメの映像を意図的にズレさせて楽しむという

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2007/11/23
    エヴァのFF論、MAD論として秀逸。ただ、その後もエヴァFFを読み続けた身としては、パロディという路線で成熟した生き残ったエヴァFFにもそれなりに見るべきものはあったと思う。
  • 灰かぶり姫の灰皿 - ナディア島編が楽しすぎる

    6/2 ナディア島編が楽しすぎる。作画にかかってる手数が当に激変するんだもの。そして出現するダジャレの嵐! 80秒ワンカット! 全てがありえねえ。ありえなさすぎる。これを放映したっていうのか。 いや。いや。正確に言い直しますね。ガイナの常として、作画の作業量の配分にムラがあるんですよ。しかもそれは意識的に行われていたと考えられる。例えば26話「ひとりぼっちのキング」では、夢の中でジャンが自分に絶対出来ないような高度な発明を次々ナディアにお披露目していくというシーンがある。最後には核爆弾を飛ばしちゃうんですが(NHKが嫌がりそうだなあ)、その爆発描写の細やかなこと。お前らな。絶対分かってやってるだろこれ。イメージの動きの質として、彼らには妥協することのできないポイントがあって(爆発、メカ描写や走り、等々)、そのためには残るカットにあらゆる皺寄せが行こうとそんなのは知ったこっちゃない。加えて

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2007/11/23
    第弐拾話以降のエヴァに関する、おそらく最も優れた論評の一つ。あとは言葉の選び方が異なるだけで、真摯に分析すればここに行き着かざるを得ないだろう。
  • 灰かぶり姫の灰皿

    いままで僕はアスカのことを誤解していた。 当に、当に素晴らしい。 素材は去年出たミュージックDVDからのものだけど、恐ろしいことに摩砂雪が編集したオリジナルよりも完成度が高い。冗談ではなく、映像で書かれた最高のLAS小説じゃないか。まず冒頭。ストリングスが昭和歌謡へのオマージュになっていることを軽く確認しよう。作曲家は同時に川井憲次サウンドにも参照を張り巡らしていることに注意。島谷ひとみのヴォーカルによる直球すぎるほどのメッセージ。これらが高橋洋子の歌う原曲の歴史性を強制上書きしてしまう。つまり選曲における勝利。ついでジオフロント跡の廃墟に立つアスカの弐号機とその上空を旋回する量産型エヴァへの引きショット、「REBIRTH」で最も美しい構図のひとつに対する超微速のズームバック(殺戮の気配だ)と打ち寄せる波(水と血の隠喩の交叉)との間に力線が引かれる時点でもうすでにやばい。やべえ。ヴォー

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2007/11/23
    「やっとわかったの!?バカシンジ!!」/とまれ、あのMADについてここまで濃密な評論を見たのは初めてで、大変勉強になった。
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