1953ColdSummer : 『ヒーローショー』 井筒のおっつぁんがやっと真摯に「暴力」に向き合ったぞ! (2010/日本 R15+ 監督:井筒和幸) 狂騒的に見せかけてその実、暴力は報復という連鎖を生むだの、殴られた方の心の痛みが云々だのと、おためごかしの自己陶酔、辞書から引いてきたようなキレイな「暴力」描写で悦に浸っていた井筒の大将がついにやった! やりくさりゃあがった! 思想だ政治性だ映画的文法だというヒョーロンカ向けの営業スマイルをかなぐり捨てて、井筒和幸がやっと目を向けた「日常」「生活」単位の暴力。うわあ、えぐっ! じゃなくて、ああ、あるある(あったあった)、と一般市民を頷かせるその説得力、シンプルさ。大学生に女を寝取られたボンクラが知り合いの組関係者を使ってボコにする、ボコられた方はチンピラと自衛隊上がりの人間凶器に報復を依頼する。そして暴力はエスカレートして……という、