台湾の親日は「ハンバーガー構造」 日本人は台湾を「親日の国だ」といいます。台湾社会に日本への親しい感情があることは確かです。しかし、それだけでは片づけられない複雑さを孕んだ関係でもあります。ここからは日本と台湾の関係性について解説していこうと思います。せっかくなので、私が新聞社の記者として台湾に滞在していた経験も含めて、台湾の人たちの日本への感覚を中心にお話ししていきましょうか。 台湾の親日はハンバーガー構造だと私はよく語っていました。10年前ぐらいまで。 日本の統治時代に生まれ、教育を受けた人々は、日本への皮膚感覚的な親近感を持っていました。言語、風習、価値観。日本色に染め上げられる幼年期を過ごしたのです。心のなかに「日本」がすっかり住み着いていて、それを否定するよりは、肯定したい──それが人間というものです。 距離の近い日本への「海外旅行」が増えた 日本が台湾を放棄してからは、中国式の