教頭の悪行を暴いたのは、度重なる被害に悩んだ女性教員の執念だった。大阪市立小学校の男性教頭(57)が職員室で部下の財布から現金を繰り返し盗む不祥事があり、被害者の女性教員がカバンにビデオカメラを仕込んで盗みの様子を撮影し、指紋のついた財布をポリ袋に保存するなどして教頭の犯行を割り出した。積み上げられた証拠に教頭は盗みを自白し、2月28日付で懲戒免職になったが、その動機は校長に昇任できなかったことから自暴自棄になったという身勝手なものだった。(藤井沙織)レンズがとらえた盗みの瞬間 「お金が減っている気がする」 西淀川区の市立野里小学校の女性教員がそう感じたのは昨年11月のことだった。その後も度々現金がなくなり、今年1月、教務主任に相談した。主任が調べたところ、別の教員1人も「お金が減っていると感じたことがある」と証言した。 だが、誰が盗っているのかは分からず、そもそも職員室で盗まれたという証