プロボクサーに対する偏見が生んだ冤罪だった。 1966年6月に静岡県旧清水市で発生した強盗殺人、および放火事件の犯人として、静岡県警は袴田巌さん(87)を逮捕。袴田さんは無罪を主張しながらも、被害者一家4名を殺害し、現金37万円を奪ったとして、1968年9月に静岡地裁で死刑判決を受ける。その後の控訴、上告も棄却された。が、袴田さん、袴田さんの実姉(90)、そして弁護団は、清水警察署の杜撰な取り調べを追及しながら再審請求を続け、この3月21日に更なる再審開始が決まった。 この件について、浅川拓也弁護士(39)からコメントを得た。 浅川拓也弁護士 写真:本人提供 「捜査機関が袴田さんを犯人として決め打ちしたうえで捜査をしていた印象です。根底に、ボクサーに対する偏見があったのかもしれません。ボクシングを単なる殴り合いと捉えている人と、崇高なスポーツとして理解している人がいますよね。私はスポーツ