候補者同士が罵倒し合うというアメリカ大統領選挙は、史上初の女性大統領を目指した民主党、ヒラリー・クリントン氏を、公職経験が皆無の共和党、ドナルド・トランプ氏が破るという劇的な結果に終わった。 まずはアメリカの民意が選んだトランプ氏の勝利に祝意を表したい。 このビッグニュースは日本では、まさにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を巡る国会審議の真っ最中、モロッコのマラケシュでは気候変動対策「パリ協定」を議論する国連会議の開催中に届いた。誰もが戸惑いを覚えただろう。 来年1月20日、大統領就任式のその日にトランプ氏は、TPPとパリ協定からの離脱を決めるからだ。両方、アメリカが抜ければ、シナリオは大狂いだ。それでも、私はわが国がカードとしてのTPP、少資源国としての宿命としてのパリ協定批准を支援したい。 一方で、金融市場は円安ドル高、そして株高を示している。ビジネスマンとしてのトランプ大統領を市