東日本大震災の影響で電力供給力は落ち込んだものの、電力使用制限令の発動で節電への取り組みが進んだ。この夏は余裕を持って乗り切れるはずだったのに、状況は一変した。 東北電力の電力需給が逼迫(ひっぱく)している。先月末の新潟・福島豪雨で、多くの水力発電所が被災したのが直接の原因だ。 東京電力から融通を受けてしのいでいるが、綱渡りの状態が続く。もし計画停電が実施されることになれば、被災地の復旧・復興への打撃は大きい。回避に向け、あらゆる手だてを講じてもらいたい。 豪雨では福島、新潟両県の合わせて29カ所の水力発電所が被害を受け、28カ所が今も停止している。復旧のめどは立っていない。電力供給力は、約100万キロワット低下した。 東北電は当初、8月の最大電力需要を1300万キロワットと想定し、需給に問題は生じないと見ていたが、目算が狂った。自社で確保できる供給力は1166万キロワットまで落ち