ISSP(国際社会調査プログラム)は,毎年40か国ほどの国民を対象に,特定の主題に関する意識を調査しています。 現在データが公開されている最新のものは,2012年の第4回「家族とジェンダー役割に関する調査」です。この調査の属性項目をみると,属する世帯の年収を尋ねているではありませんか。『世界価値観調査』のように,社会の中でどの辺りかを自己評定させる形式ではなく,前年(2011年)の年収の実額を聞いています。 データは,度数分布の形で国ごとに知ることができます。私はこれを使って,各国内部における富の格差の大きさを測る,ジニ係数を計算してみました。国民の富の格差が大きい国はどこか,日本は他国と比してどうか,という関心からです。これをみるには,個々人の収入ではなく,共に暮らし,生計を同じくする世帯(household)の収入分布に注目するのがよいかと思います。