ドイツ・マックスプランク化学研究所の研究者らが2021年5月20日に、「単純なサージカルマスクでも、日常生活のほとんどの場面で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の拡散を十分に予防する」との研究結果を発表しました。これにより、医療機関など感染に対して特に注意しなければならない場所でない限り、市販されている一般的なマスクでも感染予防に十分に効果的だということが確かめられました。 Face masks effectively limit the probability of SARS-CoV-2 transmission | Science https://science.sciencemag.org/content/early/2021/05/19/science.abg6296 Gesichtsmasken schützen effektiv vor COVID-19 | Max-P
昨年12月、国立研究開発法人「理化学研究所」(理研)のスーパーコンピューター「富岳」による、マスク素材ごとの飛沫防止効果のシミュレーションが発表された。 これによれば、感染していればウイルスを他者にうつす可能性のある「吐き出し飛沫量」のカットは、不織布マスクで約80%、ウレタンマスクは約50%。うつされるかもしれない「吸い込み飛沫量」は、不織布が約70%、ウレタンは約30~40%しかカットされないらしい。 以来、街中や電車内でウレタンマスクをしている人を注意する、「ウレタンマスク警察」と呼ばれる人まで現れていると報じられている。行き過ぎた”警察行為”は厳に慎みたいところだ。 しかしながら、専門家からは「ピッタリ装着できるウレタンマスクは脇漏れしないものの、不織布は脇が開いている人が多いので(効果は)あまり変わらない」といった意見も。口元がゴワゴワせずつけやすく、色も選べてファッショナブルな
12月18日、スウェーデンが混雑時の公共交通機関ではマスクを着用するよう新たな推奨を出しました。 これまでスウェーデンは医療従事者以外の使用に否定的でしたが、この方針転換にはどのような背景があるのでしょうか? ユニバーサルマスクとは?コロナ以前の時代には、咳やくしゃみなどの症状のある人にマスク着用が推奨されていたのに対し、このコロナ時代には症状の有無にかかわらず屋内や人との距離が保てない環境では全ての人がマスクを着用する「ユニバーサルマスク(Universal Masking)」という概念が急速に普及してきました。 日本は元々インフルエンザシーズンには無症状の人を含めてマスクを着用する光景が見られていたことから、このユニバーサルマスクという考え方には比較的抵抗がないのではないかと思いますが、こうした習慣のない国や地域ではいまだにこの考え方に抵抗がある人も多いようです。 確かにこの「ユニバー
インフル、昨年の1000分の1 コロナ対策奏功か―厚労省「手洗い徹底続けて」 2020年09月22日07時08分 インフルエンザの報告患者数 インフルエンザの患者数が例年に比べ、異例の低水準になっている。厚生労働省によると、今月13日までの2週間に報告例はわずか7人で、昨シーズンの1000分の1未満、例年の100分の1ほどだ。同省は、手洗いやマスク着用の徹底など、新型コロナウイルスの感染防止策が背景にあるとみている。 検査拡充、都道府県と連携 不妊治療はまず助成増額―田村厚労相インタビュー 厚労省は例年、9月に入ると、全国約5000の医療機関から報告があった患者数を集計して公表している。今季は9月第1週(8月31日~9月6日)が3人、第2週(7~13日)は4人だった。内訳は千葉県が2人で、岐阜、京都、大阪、兵庫、沖縄の5府県が各1人。 一方、昨年の9月第1、2週は、沖縄で大流行が起きていた
マスクが抑える飛まつの量は、化学繊維や綿など素材や、形によって異なるとする研究結果をアメリカのデューク大学などの研究チームがまとめました。 この実験の結果では、広く普及している不織布マスクの素材に使われているポリプロピレンのマスクは90%以上、綿のマスクは90%程度から70%程度、何も着けていない場合に比べて飛まつの量が減ったということです。また、ニットのマスクの場合は65%程度、バンダナを二重にしたものは50%程度の効果だったとしています。 一方で、実験に用いた、首から口元までを覆うフリースと呼ばれる素材のものでは、飛まつの粒の量が反対に10%程度増えたということです。 この点について研究チームは「繊維によって大きな飛まつが細かくなった結果ではないか」と推測しています。 アメリカでは、マスクを手作りしたり代わりの物を使ったりする人が増えていますが、研究チームは、素材や形によって飛まつの広
新型コロナウイルス感染症が流行して以降、屋内ではマスクを着用することが一般的になっています。 これに関して、これまでは科学的な根拠が十分ではありませんでしたが、徐々にそのエビデンスが増えてきました。 なぜ症状がない人もマスクを着けるべきなのかインフルエンザなどの「発症した後から周囲に感染させる」呼吸器感染症とは異なり、新型コロナは発症する前の無症状のときから人にうつしていることが明らかになってきました。 インフルエンザと新型コロナの発症前後の感染性の違い(https://doi.org/10.1038/s41591-020-0869-5より作成)このように新型コロナウイルス感染症では、発症前に感染性のピークがあり、発症前の無症状の時期から周囲にうつしているというデータが集積してきました。 これがほとんど無視できる量であれば良いのですが、新型コロナの感染伝播の総量を100とすると、この発症前
この話も、本当はネットに挙げたくはなかったのです。絶対怒られるから。何を言っても。 とはいえ、何も言わなければさらにデマが広がってしまうというジレンマが生じてしまいます。よって、ここでマスクについても説明します。これも長いですよ。 実は、マスクについての考え方について、新しく説明すべきことはあまりありません。どうしてかというと、その考え方は、 検査の考え方 と全く同じだからです。すなわち、 マスクの属性 だけで、マスクを論じてはならない。マスクがどのように飛沫の放出を防ぐかとか、防がないとか、富岳のシミュレーションでどうだとか、そういう「マスクの性能」は議論の一部をなすけれども、議論の全てではないってことです。 察しの良い読者はお気づきでしょう。そう、実はマスクの議論も、検査の議論同様、 状況の判断 が大事なのです。もう少し詳しく説明しますね。 マスクの効果についてはすでにメタ分析が出てい
WHO=世界保健機関は、健康な人が着けても感染を予防できる根拠はないとしていた新型コロナウイルスに関わるマスクの使用についての指針を大幅に修正し、感染が広がっている地域で人との距離をとることが難しい場合はマスクを着けるよう、各国の政府が勧めるべきだという方針を示しました。 この中でテドロス事務局長は「感染が広がっている地域の公共交通機関や店舗などで人との距離をとることが難しい場合は、マスクを着けるよう各国の政府が勧めるべきだ」と述べ、これまで健康な人が一般向けのマスクを着けても感染を予防できる根拠はないとしていた指針を大幅に修正しました。 ただ、「感染が広がっている地域」がどういった場所を示すのか具体的な説明はなく、各国に判断を委ねる形となっています。 さらにテドロス事務局長は「感染が広がっている地域の医療機関で働く人は、新型コロナウイルスの患者の対応をしていない人も含め、すべて医療用マス
皆さん、こんにちは。医師の高山義浩と申します。 感染症内科医として沖縄県の公立病院に勤めています。悪性腫瘍の終末期の患者さんの在宅医もやってます。医療と介護の連携を深めることが、これからの高齢社会では大切だと感じて、地域包括ケアの構築にも取り組んできました。そうした私たちの経験を高齢化が進みつつある他の国々にも伝えられたらと、国際保健の領域でもゆる~く活動しています。 もともとは総合内科が専門で、長野県の農村医療に従事しておりました。10年前に沖縄に赴任したときは、在宅医をやってほしいとの依頼だったのですが、当時の感染症内科の部長が悪性腫瘍で倒れられた直後だったこともあり、応援のために感染症内科に入ったら… そのまま今に至っております。 人生、何が起きるか分かりません。あらがっても仕方ないと思っています。必要とされるところで仕事ができれば幸せです。 現在は、新型コロナウイルスの流行を受けて
緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康) No.5004 (2020年03月21日発行) P.30 白木公康 (千里金蘭大学副学長,富山大学名誉教授(医学部)) 木場隼人 (金沢大学附属病院呼吸器内科) 登録日: 2020-03-18 最終更新日: 2020-03-18 しらき きみやす:1977年阪大卒。2013年富山大学医学部学科長,2019年4月から現職。専門は臨床ウイルス学。新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補に挙がっている抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(商品名:アビガン)を開発 No.5005 緊急寄稿(2)COVID-19治療候補薬アビガンの特徴 No.5006 緊急寄稿(3)COVID-19を含むウイルス感染症と抗ウイルス薬の作用の特徴 No.5036 緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVI
専門家有志の会の和田です。 「濃厚接触者」の定義が、新たに「患者さんがコロナが疑われる症状を示した日の2日前から、患者さんとの距離が1m以内で、マスクなどで口元が覆われていない状態で15分以上会話した人」と変わります。 言い換えると、「1m以内」「マスクなし」「15分以上会話」した相手が、2日以内にコロナの症状を示したら…あなたも濃厚接触者です。 「濃厚接触者」とは、保健所が健康観察の対象とする人のことです。その定義が4月20日付けで変更されました。 この記事では、その変更点を解説します。 濃厚接触者の定義には、4つのカテゴリーがありますが、そのうちの1つが、大きく変更されました。 これに伴い、「感染するかもしれない期間」も変更されます。これまでは「発症日以降」が対象でしたが、「コロナを疑われる症状を示した日の2日前」までさかのぼり、患者さんが隔離される日までとなります。 この期間に患者さ
(c)ALAIN BOMMENEL, GILLIAN HANDYSIDE, SABRINA BLANCHARD / AFP 【4月4日 AFP】新型コロナウイルスが通常の呼吸や会話を通じて伝染する可能性があるとの見解が、米国の科学者らから出されている。米政府は間もなく、すべての人にマスク着用を促す勧告を出す見通しだ。 【関連記事】米、国民にマスク着用を推奨 トランプ氏発表 新知見で方針転換 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は3日、FOXニュース(Fox News)に対し、マスク着用のガイドラインを変更する理由として、「新型ウイルスは咳(せき)やくしゃみだけでなく、会話をしただけでも伝染するという最新の情報がある」と語った。 現在の公式ガイドラインでは、顔を覆う必要があるのは罹患(りかん)した人々と、自宅でその看病をする人々の
通常の「かぜ」のコロナウイルスに感染した患者が、一般的に使われる使い捨てのマスクをすると、ウイルスはマスクの外に出なかったとする実験結果を香港大学などのグループが発表しました。新型コロナウイルスでも、患者がマスクをすることで感染拡大のスピードを抑えられる可能性を示しているとしています。 研究グループでウイルスを検出できる特殊な装置を使って、30分の間に呼吸やせきを通じて出るウイルスを調べたところ、マスクをしない患者は10人中3人で、1000分の5ミリより大きい飛まつの中にウイルスが検出されましたが、マスクをした患者では11人全員から検出されなかったということです。 また、マスクをした患者では、より小さな空気中を漂うような飛まつの中からも、ウイルスが検出されなかったということです。 患者の中には、せきが出なかった人もいたということで、研究グループは症状が出ていなくてもウイルスは排出されるもの
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く