経済学の世界的権威であるジョセフ・スティグリッツ教授は、会談で消費増税について消極的な見解を示したが、格差問題によって経済の潜在成長率が鈍化しているという懸念を示した点にこそ注目すべきだ Ana Martinez-REUTERS 安倍首相は経済学の世界的権威であるジョセフ・スティグリッツ教授やポール・クルーグマン教授らと相次いで会談を行った。両氏ともに消費増税について消極的な見解を示したことで、市場は増税延期を織り込み始めている。 今回の会談は、増税延期への布石との見方がもっぱらであり、国内の関心も消費税問題に集中していた。両氏ともにこうした状況をよく理解した上での来日であり、その期待にうまく応えたといってよいだろう。 【参考記事】税制論議をゆがめる安倍政権の「拝外」主義 だが、実際に安倍首相に提言した内容は、世間一般の認識とはかなりのギャップがあるようだ。特にスティグリッツ氏は、格差問題