「127」 論文 アーサー・ケストラー著『ユダヤ人とは誰か―第13支族、カザール王国の謎』(宇野正美訳、三交社、1990年刊行)(1) 鴨川光(かもがわひろし)筆 2011年1月28日 ●カザール王国、セファラディー、アシュケナージについて この本は、アーサー・ケストラー(Arthur Koestler)が一九七六年に『第十三支族―カザール帝国とその遺産』(The Thirteenth Tribe: The Khazar Empire and its Heritage)というタイトルで発表した。 『ユダヤ人とは誰か―第13支族、カザール王国の謎』 アーサー・ケストラー カザール王国(Khazar)というのは、七世紀から一〇世紀の間にカスピ海から黒海の北側の、コーカサスとボルガ川の辺りに実在した、トルコ系遊牧民族の国である。その東側は現在のウクライナに当たる地域である。 カザ―ル王国の版図