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ブックマーク / brevis.exblog.jp (21)

  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

    プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2021/07/19
  • 書評:「橋本治のかけこみ人生相談」 橋本治・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    これはまあ、それこそ「考えてみれば」当たり前の真実なのだが、たぶんそう考えない人が多い。なぜなら、考えるという行為は、ほとんど物心ついたときからやっている『自然な』ことで、誰でもできるし、そのやり方を誰かに教わった訳でもないから、だろう。 当は、わたし達は考えるという行為を、親や兄弟を真似て習い覚え、学校でも一応それなりに教育されてきたのだ。だが、なにせ教える側が、「これが考える行為の上手なやり方だ」という風に、親切に説明してくれない。しかも、問題だけ一方的に与えられ、かつ、考える途中プロセスではなく、回答という結果だけを、判断・評価される。だから「考える方法」は、自分流に身につけるしかない。

    書評:「橋本治のかけこみ人生相談」 橋本治・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2021/03/24
  • リスク回避か、リスク追求か、それが問題だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    人がお金に対して感じる価値は、金額それ自体に比例する訳ではないらしい。たとえば1万円しかない財産が2万円に増えるのと、1,000万円の財産が1,001万円に増えるのとでは、同じ1万円の増加ではあるが、前者のほうがありがたみが大きい。 つまり、金額の増加に対して感じる価値は、金額が大きくなるほど、少しずつ鈍くなっていく。グラフの横軸に金額を取り、縦軸に「感じる価値」をとったら、それは右上がりだが、上に凸のカーブになると思われる。 経済学では、この「感じる価値」のことを『効用』と呼び、金額が1単位増えるときの効用の増え方を「限界効用」と呼ぶ習わしだ(数学的に言えば微係数である)。つまり、限界効用は少しずつ小さくなっていく。これを「限界効用逓減の法則」という。現代の経済学では、この考え方に従って、人間の財貨に対する様々な行動を予測し説明する理論が構築されている。 そして、複数の選択肢があって、そ

    リスク回避か、リスク追求か、それが問題だ | タイム・コンサルタントの日誌から
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    kanu-orz 2021/02/19
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    kanu-orz 2017/12/31
  • 原価の秘密 - なぜ、黒字案件だけを選別受注すると赤字に陥るのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    かつての古き良き時代、右肩上がりの高度成長の頃は、なにごとも単純明快で分かりやすかった。製造業は、生産量を上げることにひたすら邁進した。「作れば売れる」時代だったからだ。昭和40年代や50年代の日企業の多くは、欧米先進国から技術を導入しつつ、自分でもそれを改良し、使いこなしていった。その時の工場運営でキーとなる指標が、機械の稼働率だ。 たとえば、あなたの会社が3億円の大枚をはたいて、海外から高価な製造機械を導入したとしよう。15年間の寿命を想定すれば、減価償却費は毎年2千万円だ。それでも、旧式の機械+手作業に比べれば数倍以上の生産能力を上げられるし、より高品位な製品も作れる。だからソロバン勘定に合うはず、と考えて導入に踏み切るわけだ。 当然ながら、社長は工場長に対して、この機械を最大限活用しろ、とハッパをかける。機械は動いていても止まっていても、同じ減価償却費がかかる。だとしたら動かさな

    原価の秘密 - なぜ、黒字案件だけを選別受注すると赤字に陥るのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2017/07/08
  • 怒りやすい人びと・怒っていると気づかない人びと | タイム・コンサルタントの日誌から

    近所の通りを歩いていたら、信号が黄色から赤に変わりはじめたのに、交差点に突っ込んできた乗用車があった。強引に右折して進んでいく。歩道近くの歩行者たちは、あわてて身をひき、皆がひやりとした。車のドライバーは、年配の男性だった。みたところ団塊の世代くらいか。車種はそれなりの中型車だった。 何を怒っているのだろう。わたしは思った。あきらかに、何かに腹を立てているかのような、乱暴な運転だった。別に渋滞でもなく、忙しい通勤の時間帯でもない。だから別のことに腹を立てているのだ。 それにしても、彼は何に怒っているのか。立派な車も持ち、たぶんきちんと家庭もあり、年齢から見て、日の高度成長の栄光と共に生きてきたはずだ。年金だって、それなりにもらっているだろう。多くの若い人から見れば、うらやむべき境遇ではないか。 もちろん、日常生活には腹の立つ場面はたくさんある。出がけに夫婦げんかでもしたのか、あるいは、好

    怒りやすい人びと・怒っていると気づかない人びと | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2017/06/21
  • とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

    最初に、損益分岐点の説明からはじめよう。企業は、製品やサービスを売って売上を得る。しかし、世の中にタダの物はないので、そこには必ず費用(原価)が発生する。その費用が製品の販売数量に単純に比例する場合、企業は売上に比例した利益を得ることになる。この関係を図(a)に示す。横軸は、売上である。工場の視点から言うと、売上向上すなわち稼働率向上を意味するから、横軸は稼働率と見てもよい。縦軸は金額で、実線が売上高を、点線が費用を示す。費用は純粋に、売上高に比例する。これを変動費ともいう。売上に伴って、変動するからである。たとえば製品を作るのに必要な原材料の購入費がそうだ。あるいは、製品を加工するための外注費などもそうだ。 ところが、企業にはこれとは別に、売上高にまったく関係なく、固定的に発生する費用がふつうある。これを固定費という。その典型例は、設備機械の減価償却費である。あるいは、従業員の給料なども

    とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2016/10/07
  • スペシャリストか、ジェネラリストか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが就活をしたのはもう大昔のことだが(当時は「就活」なんて言葉はなくて、みんな「就職活動」といっていた)、エンジニアリング業界志望だったので、今の勤務先のライバル会社も当然、訪問した。そのときたしか先方の人事部長さんと会ったのだが、自分の会社には「42歳定年制」という仕組みがあると言われていたのを今でも覚えている。 当時はどこの会社も定年は55歳だった。ところが、その会社では42歳になったとき、退職するか、勤務を続けるかを選び直すことができるという。「42歳くらいになると、自分が会社で将来どこまで行けるかが漠然と分かるようになる。そのとき、独立して自分の道を選び直せるように会社も支援する」ことが制度の意図だと、たしか説明されたと記憶している。 現在その会社のホームページにいっても42歳定年制では検索にかからないから、すでにその制度はないのかもしれない。しかし、この説明は長く記憶に残った

    スペシャリストか、ジェネラリストか? | タイム・コンサルタントの日誌から
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    kanu-orz 2016/04/20
  • 在庫のデータ構造を考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    「わたし」は新米のエンジニアである。最近、先輩からオフィス備品類の在庫管理を手伝うようにいわれた。ペンだとかノートだとかフォルダとかいった文具類が中心である。これまである意味、ルーズな管理だったが、経費節減の折、きちんと在庫数量を管理した方がいい、と部長が方針を出したとのことだ。今まで、各人が勝手にネットからモノを注文して取り寄せ、請求伝票だけが部の庶務係に回される。これをやめて、部で必要数量を考え、集中的に購入し、部のキャビネに保管しておく。そして各人が必要時に庶務係に申請して受け取る、という管理方式にかえることになった。その、キャビネの在庫管理の仕組み作りが、「わたし」の仕事だ。 在庫管理の仕事ははじめてだ。だからいきなり部の仕組みを作り始める前に、たとえば自分の家のモノを在庫管理するとしたらどうするかを考えてみることにした。題材は何でも良いが、出入りの多いべ物にしてみよう。 在庫管

    在庫のデータ構造を考える | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2015/08/31
    私は商品マスタに在庫数量があるような設計をみるとくらくらすると同時に設計者の能力を疑います。
  • あなたは、どう考えるの? | タイム・コンサルタントの日誌から

    「佐藤さん、すみません、ちょっとご相談があるんですが・・」 若手社員が机の前にやってきて、顔を上げたわたしに、いいにくそうな声でぼそっときり出した。わたしが、ITリッチなプロジェクトをやっていた時代のことだ。 --なあに? 何か、いい話かな? 「いえ、あの・・。例の中間在庫ロットなんですが、どうしようかと悩んでいまして。」 --そこは新しいコード体系を使おうって、先週の打合せで決めたじゃないか。 「そうなんですが、注文書のシステムで、ちょっと困ったことが見つかりまして。あのままでは、番号がかち合ってしまう可能性があると分かったんです。」 彼は仕様書の該当箇所をわたしに見せて、問題を詳しく説明する。なるほど、先週の打合せでは、この点を見落としていたらしい。 --つまり、このまま進めば、ユーザに運用を変えてもらって、少しだけ手間が増えるのを我慢してもらうか、さもなければシステムの設計変更をする

    あなたは、どう考えるの? | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2014/09/29
    判断を人に委ねる人は少なくないが、委ねさせないようにするは大切なこと。
  • タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない

    さる8月、翔泳社主催の「PM Conference 2008」に招かれて講演をした。テーマはプロジェクト・コントロールの技法論で、私が長い間、エンジニアリング業界とIT業界の二足のわらじを履いてきた経験から、両者の比較を論じたものだった。最近のIT業界における「プロジェクト・マネジメント」の認識の普及進展はめざましいものがある。これに対して、エンジニアリング業界は過去10年以上、EVMSの徹底化以外とくに主立った進歩はない。にもかかわらず、両者の違いはいまだ歴然としたものがあり、それはとくにプロジェクト・コントロールの基であるWBSやコントロール・リストなどの使い方で明瞭だ、というのが論旨だった。 ところで、この講演の中で、「工程表のガントチャートExcelで書いてはいけない」と強調した点が、どうも多くの聴衆の注意を引いたらしい。終わってからのアンケートでも、そこに関する感想が少なくな

    タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない
    kanu-orz
    kanu-orz 2014/03/17
    コメントが鍋釜で楽しい。
  • 大学の体育の授業で学んだ、人の自発的な育て方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれつき、運動音痴である。小学校の時から、体育や運動会でいい成績を出したことがない。バランス感覚とか、瞬間的な判断とか、筋力とか、手脚のスムーズなコントロールとか、そういったことがからきしダメである。父母はどちらも長身で運動神経が良く、スポーツ万能だったのだが、あいにく、似てほしい美点は受け継がなかったらしい。おまけに生来、小柄である。かつ、体もひどく硬い。まったく良いとこなしである。 運動能力の低さをカバーし、体力を向上すべく、中学・高校とも運動部に入ったが、結果として青春の記憶を屈辱で上塗りしただけだった。自分が多少なりとも好きだと言えるスポーツ、他人に劣等感を感じずにいられる種目はスキーただ一つだった。スキーは自力ではなく重力によって駆動する点が、まだしも幸いだったらしい。しかしスキーなんて冬しかできないし、おまけに遠いスキー場までわざわざ出かけていかなければできない。だからクラス

    大学の体育の授業で学んだ、人の自発的な育て方 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2013/07/23
    測る目的と管理について
  • 組織のスケールアップと変曲点 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「ご趣味は?」ときかれたら、「音楽です。」と答えることにしている。「どんな音楽がお好きなんですか」とさらに質問されたら、「別にこだわりなく、何でも聴きます。やる方で言えば、素人コーラスが趣味でして」と答えるだろうか。合唱で歌を唄うというのは、いかにも中産階級的で、室内派的な道楽だ。ダイビングとかヨットとか、もっと活動的でリッチな趣味だったらかっこいいのだが、あいにくアウトドア派ではない。 ここ何年かは、荻窪を中心に活動する小さな男声アンサンブルに所属している。メンバーは今のところわずか6人。指導の先生を入れて7人。これくらい小さなグループだと、あまり組織といえるほどのものはない。広報、渉外、楽譜の手配、合宿、会計、そして演奏会の準備など、みな手分けしてやっている。一応、対外的な書面上ではリーダーがいるが、ほとんど実際の運営上はみな対等である。手が空いたら他の仕事も手伝う。あまり専門分化して

    組織のスケールアップと変曲点 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2013/07/15
    どっかで聞いたことのある話だけどどこだっけ?
  • 不稼働損という名のダウン・スパイラル - 原価を下げると赤字が拡がる謎 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ビジネスの世界では、ときどき常識では理解しがたいことが起きる。前に書いた『黒字倒産』という事象もその一つだが、もう一つ訳が分からないのは、原価を下げて黒字受注を続けたのに、会社が赤字に陥るケースである。しかも、“これはマズイ”と思ってさらに原価を下げる努力をすると、もっと赤字幅が増えてしまう。もちろん売値は下げていないのに、である。それは『不稼働損』という名のダウン・スパイラルだ。いくつもの日企業(それも立派な大企業)が、この病に陥っているように見受けられる。いや、米国でもかつて多くの製造業がこれを経験し、その結果衰退した会社も少なくなかったと想像される。今回は、これについて書いてみたい。 単純化した例で説明しよう。今、ある企業の主力製品Aは、定価が25万円で原価が20万円だ、というケースを考える。原価のうち、製品1個あたりの標準の材料費が10万円、労務費が3万円、製造経費が3万円で、つ

    不稼働損という名のダウン・スパイラル - 原価を下げると赤字が拡がる謎 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2012/10/15
    "マンパワーの稼働率から人月単価を計算している。不稼働だと原価が上がる。そこで営業マンは、単価の安い開発外注やハードの外部仕入れを推し進めるようになる。社内に人が余っているのにもかかわらず、である"
  • 品質とは(本当は)何だろうか - (2) 応答 | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、あるプロジェクト・マネジメント関係の研究に目を通していたら、要件定義段階における「顧客要求の品質」という表現に出会って、ちょっと驚いた。周知の通り、IT系プロジェクトにおける要件定義とは、顧客のもつ『要求』を引き出し明確化するプロセスのことを言う。ここで作成される要件定義書が、その後のシステム設計の基礎となっていく訳だ。ところが、この顧客の提示してくる要求内容が、しばしば曖昧模糊としており、また部門や担当者の間で相矛盾していたりする。受託側としては非常に悩ましい問題で、たしかに、これ自体がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではない。 そこでこの発表者は、要求工学やIEEE standard 830: "Recommended Practice for Software Requirements Specifications" などを引用しつつ、正当性・明瞭性・完全性・一貫性・

    品質とは(本当は)何だろうか - (2) 応答 | タイム・コンサルタントの日誌から
    kanu-orz
    kanu-orz 2012/06/03
    品質と設計思想に関わる話。「誰々さんの作ったシステムだから~」そこには設計思想の良し悪しの意味合いが込めらる。時にポリシーのない人の作ったものは、あまり出来の良いシステムではないのは良くある話。
  • 「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(1/3) | タイム・コンサルタントの日誌から

    << IT大国だが先進国ではない >> 「それにしても、日はITの創造性に欠けている、って当なの? 日はIT先進国なのかしら、それとも遅れているのかしら。なんだか両方の説をきくわよね。」 --うーん。最近の海外の評価を見ると、決して世界でもアジアでもトップではないようだね。 「そうなの? じゃ、どこがトップなの?」 --まあ世界のトップはアメリカだと、誰もが認めるんじゃないかな。2番目が日だと、かつては皆が思っていた。しかし90年代、とくに後半くらいに日はその座から滑り落ちてしまったようだ。 「“失われた20年”ね。こんなところでも失っていたんだ。」 --最近では、アメリカの次に話題になるのは、なぜか北欧が多い。フィンランドなんかインターネットの普及ではアメリカをずっと前から追い越していた。ドイツもERPパッケージでかなり株を上げたね。 それで、最近のアジアのIT産業はどうか、っ

    「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(1/3) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(2/3) | タイム・コンサルタントの日誌から

    「買い手の側のレベルをうまく計れる物差しってないものかしら。たとえばほら、会社がITにたいして出費しているエンゲル係数みたいなもので。」 --出費といっても経費と投資とがあるけれど、それを単純に合計していいのかという問題がまずある。それに、さっきもいったとおり、妙に独占的な規制があるために出費がかさむ場合はかえって不公平だ。 「それなら、電子メールの普及率なんてどう? あ、これは携帯電話の分が入ってくるから問題かしら・・」 --うん。電子メールの普及率だと、たぶん日は世界一だと思う。それは悪いことではないだろう。でもね、道を歩きながら親指一でメールを打ってりゃIT先進国なのか? 前にも同じ事を言ったけれど、オフィスでPCを配っても、みんながワープロとメールと表計算ばかりで、定型化されていないデータの卵みたいなのがあちこちのハードディスクに散らばっている状態って、決してIT化されていると

    「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(2/3) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(3/3) | タイム・コンサルタントの日誌から

    --それはね、結局、人の問題になってしまう。工場をどうするかではなくて、人をどうするか。つまり文字通り、教育だね。 「そうなの? だったら、日なんてアメリカ以上に教育レベルは高いんじゃないの?」 --はてね。むやみにアメリカを礼賛したくなんかないけど。でも日のそれは、はたして、事実に対し多面的かつ客観的にアプローチする方法の教育だろうか? あるいは新しいパラダイムを産み出せるような独創性をそだてる教育だろうか? 情報の価値を認識できる、あるいは物事の進め方をシステマティックに分析できるような教育だろうか? 正解の知識がどこか天から降ってきて、それをひたすら覚えるだけの、訓古学を試される科挙の制度みたいなものじゃなかったろうか。 「でも、あなたのいう、『システマティック』って何よ? システム・エンジニアならみんなシステム的に考えられるってわけ?」 --いやいや、とんでもない。IT屋がみな

    「ITって、何?」 第18問 日本はIT先進国なの、それとも遅れているの?(3/3) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 安全第一とはどういう意味か | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある時、友人がやってきて「車を2,3日貸してくれないか」という。小規模な引越をしたいので車が入り用なのだという。レンタカー代ほどではないが借り賃も払うから、といって謝礼を菓子折と一緒に置いていった。 さて、数日たって友人が返しに来た車を見て驚いた。フェンダーから左のボディにかけてへこみが入り、サイドミラーも折れている。どうして、と聞いたら「左折時に不注意で障害物に引っかけてしまって」という。そして、「すまんすまん。でも、車両保険には入っているんだろ? たいしたことはないから、すぐ直るよ。事故は一定の確率で起きるもんなんだ。」・・そんな風に友人が言ったら、あなたなら、何と答えるだろう? 「いや、車なんか大丈夫。それより君に怪我がなければ、何よりですよ。」こう答えられるほど、寛大な度量はわたしには、無い。たぶん頭に来て、「馬鹿野郎! 人の車を事故っておいて、その言いぐさは何だ。確かに保険にゃ入

    安全第一とはどういう意味か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 営業活動という名前のプロジェクト - そのリスクとリターンを考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト型の事業はふつう、初期には費用を使って、成功するとリターンを得るというキャッシュフロー構造をしている。言いかえれば、最初に投資が必要で、完了時に回収する仕組みである。受注型プロジェクトでも、最初は人件費や外部コストがかかり、成功裏の完了すると支払を得るわけだから、時間的な構造は同じである(会計的には「投資」扱いにならないとか、一部の「前払金」があり得るなど、細かな差違はある)。 いうまでもなく、多くのプロジェクトは失敗のリスクをともなっている。すなわち、初期の投資を回収できずに終わる可能性が(大小はともあれ)存在する。いま、プロジェクトの初期投資額をC、成功時の収入をSとし、かつ途中で中断失敗するリスク確率をrとすると、プロジェクトの生み出す価値の期待値は、非常に単純化して言うならば (1 - r)S - C       (1) で表されることになる。これがプラスでなければ、そ

    営業活動という名前のプロジェクト - そのリスクとリターンを考える | タイム・コンサルタントの日誌から