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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (26)

  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国公立大)

    1.共通テスト 世界史A <種別>難問 <問題>1 問6 文章中の空欄〔 エ 〕の都市の歴史について述べたうとえの正誤の組合せとして正しいものを,後の①〜④のうちから一つ選べ。〔 6 〕 (編註:空欄エは南京を指す。) う 太平天国が都を置いた。 え 李自成によって占領された。 ① う−正  え−正 ② う−正  え−誤 ③ う−誤  え−正 ④ う−誤  え−誤 <解答解説> うは基礎知識で正文と判断できるが,えは順王朝の支配領域なんて世界史Bでも習わないし早慶でも出ない。超難問である。順の最大領域は華北に限られるので,えの文は誤文であり,正解は②となる。作問者はおそらく「北京」と「南京」を入れ替えて誤文という極めて安直な発想で作ったと思われるが,こうした正誤判定の作問では入れ替える前後で比較するだけでなく,入れ替えた後の文単体で判断して妥当かどうかを検討する必要がある。問は検討不十分

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    kazutox 2024/03/17
    歴史ネタとしていろいろ面白い、自分が受験生ならたまったものではないが
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

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    kazutox 2023/03/17
    毎年恒例
  • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(共通テスト・国公立大編)

    昨日の続き。今年は共通テストと阪大・一橋大の計3問のせいで公開が1週間遅れ,おまけを作る気力が消滅したと言っても過言ではない。何なら一橋大の方はまだ原稿が完成しておらず,後に追記するか別記事を立てる可能性がある。解説が非常に長くなったので,心して読んでほしい。 1.共通テスト第2日程 <種別>分類不能(しいて言えば作図の指示ミス) <問題>1 B オーストリアの貴族クーデンホーフ=カレルギーは,1923年に『パン=ヨーロッパ論』を著し,ヨーロッパ統合運動を展開した。彼は世界が五つのブロックに分かれて統合されていくと考え,ヨーロッパも「パン=ヨーロッパ」として統合されるべきだと主張した。その際,欧米諸国の持つ世界中の植民地も,それぞれのブロックに統合されると考えた。次の図1・図2は,『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したものであり,縦線や横線,斜線,点などで地域がブロック別に示されている

    kazutox
    kazutox 2021/03/20
    一橋の問題がおそろしい。俺が受験生だったら泣いちゃう。
  • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大・早稲田大)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度①でもいいからとりあえず記載があるもの」とした。

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    kazutox 2021/03/19
    毎年恒例
  • nix in desertis:書評:『世界哲学史』7・8巻(ちくま新書)

    5・6巻の書評はこちら。 7巻「近代Ⅱ 自由と歴史的発展」 19世紀を扱った巻。よく19世紀が1冊に入りきったなというのが読む前の印象で,やっぱり無理があったかなというのが読後の印象である。サブタイトルの通り,大テーマはほぼヘーゲルとマルクスであって,その通りに論じているのはテーマ紹介の第1章の他,2〜4章まで。それもヘーゲルとマルクスを直接扱っているのは4章のみだった。後述するが,巻のサブタイトルは「啓蒙思想・観念論からの跳躍」とした方が実態に即していた。なぜこのサブタイトルになったのか,第1章を読んでも理解できない。 個々の章で面白かったのは第3・4章。3章はショーペンハウアーとニーチェについて。ショーペンハウアーの思想は全然詳しくなかったのだが,章で得た理解だけで言えば,章自身でそう触れられている通り,ものすごく仏教思想に近くて驚いた。ショーペンハウアーがどの程度インドに触れて

  • nix in desertis:高校世界史上で「大ジンバブエ」と「モノモタパ王国」をどう扱うか

    高校世界史深掘りシリーズ。現在のジンバブエ共和国には,その国名の由来となった大ジンバブエ(グレート・ジンバブエ)遺跡がある(見たことがない人のためにGooglemapにリンクを張っておく。ストリートビューで中を見ることができてけっこう面白い)。大規模な石壁に囲まれた都市遺跡であるが,この都市を建設したのは誰かというのは長年論争があった。19世紀後半から20世紀前半にかけては「サハラ以南の黒人にこのような都市を建設できるはずがない」という偏見からフェニキア人などの非黒人建設説が唱えられていたが,20世紀半ばにはさすがに否定され,現地のショナ人のモノモタパ王国(ムタパ王国)が建設したという説が有力になった。 しかし,現在ではこの説も否定された。というのもモノモタパ王国の存続年代が以前は11〜19世紀とされていたが,これは支配階級の部族や栄えた地域の変化を無視して,ザンベジ川とリンポポ川に挟まれ

  • nix in desertis:高校世界史上で,ロシアの農奴解放令をどう説明・評価するか

    高校世界史深掘りシリーズ。まずは前置きとして,各国で産業革命が進んだ時期をその国の「産業革命期」と呼ぶ。その国で機械を用いた工場が広がり始めてから,主要な工業分野で手工業が駆逐されるまでの期間のことである。並行して国土の主要幹線を鉄道が網羅し,都市化が進み,GDP内の割合や就労者数で工業が農業を追い抜くといった現象が起き,産業革命期の終わりを「産業革命の完成」とも呼ぶ。歴史上で最初に産業革命が始まったイギリスの場合,産業革命期は1770年代〜1840年代とされ,1851年の第1回万国博覧会が産業革命の完成の象徴と言われるのはそうした事情による。 イギリスに次いで産業革命が始まった国家群がベルギー・フランス・アメリカで,やや遅れてドイツ地域である。これらの地域は産業革命期が1830年代〜1860年代(ドイツがそれぞれ10年ほど遅れる)とされる。そう,アメリカドイツは後発資主義国と言われる

  • nix in desertis:高校世界史における中世・近世の「琉球王国」問題

    久々の高校世界史深堀りシリーズ。先日Twitterでこんなアンケートを取った。回答してくれた方々はありがとうございます。 ちょっと気になるので,アンケートをとってみたい。知っている人は知識で,知らない人は調べずにイメージでお答えください。 琉球王国の最盛期はいつ?(最盛期の定義が曖昧ということであれば,万国津梁の鐘の作られた時期をお答えください) — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) June 3, 2020 正解は万国津梁の鐘の制作年が1458年なので,一番上の「1429年〜16世紀前半」が正しい。実際に琉球王国の最盛期はこの時期であるというのが一般的な認識であろう。後述の理由から正解者は少ないだろうと思っていたのでそこはあまり驚きがなかったのだが,こんなに綺麗に解答が割れたのは予想外だった。琉球王国の盛衰については,Call of Histroryさんの次の

  • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。今年は通常の校正者以外の手も借りないといけなくなるような問題もなく,比較的スムーズに進行した。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「

    kazutox
    kazutox 2020/03/13
    毎年恒例
  • nix in desertis:2020年東大・日本史の第3問についての考察

    例の企画(執筆中)に先立ちまして,日史の問題を個別にちょっとだけ取り扱う。日史であるということ以上に難問でも悪問でもないというのと,これは単体で扱ったほうが面白いと判断したためである。単に小ネタというのもあるけど。 そういうわけで,今年の東大の日史の第3問。問題を打ち直すのはさすがに面倒なので問題はリンクでご勘弁願いたい。問題自体はさして難しくないというか,東大の日史らしい史料読解問題。Aは史料(1)・(2)・(4)から,実務は幕府担当で,名目上は日の統治者である天皇の朝廷が儀式面を執り行ったということが読み取れる。(4)は朝廷が実務を担当しようとしたら実力不足で失敗した事例として読めばよい。江戸幕府は「武家政権はあくまで実力を認められて朝廷から統治を委任されている」という自意識が強く,それを何かに付けてアピールする癖があるというテーマは東大の日史が好むところで,過去問を少なく

  • nix in desertis:世界史用語集から消滅した用語ver.2019

    山川出版社の『世界史用語集』はほぼ毎年出版されているが,大規模な改編があった場合は改版,ミクロな改編しかなかった場合は増刷という使い分けをしている。ただし,正確に言えば改版は刷数をリセットして第1版に戻すということをやっているので,改版ではなく再出版になるのだが,まあそこは置いといて。改版になるのは学習指導要領が変わったタイミングになることが多いが,そうでなくともたまに改版している。ちなみに,第1刷のみタイトルが『世界史用語集』で,第2刷以降は『世界史用語集 改訂版』という書名になるという小ネタがある。書店では最新版以外が売っていることはまずないが,Amazon等で注文する際はタイトルと発行年をちゃんと見ないと無駄に古いものを買うことになるので注意が必要だ。たとえば現行の『世界史用語集』は2014年に刊行,『世界史用語集 改訂版』は2018年12月刊行である。 さて,その2018年12月に

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    kazutox 2019/04/30
    オランプ・ド・グージュは知らなかった(「物語フランス革命」に思い切り出てた)
  • nix in desertis:2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大の途中まで)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。まあ,事情が複雑すぎて解説を書くのが追いつかなかったものが今回は2問ほどあるのだが…… ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史

  • nix in desertis:2018受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大)

    昨年に2巻を発売して一区切りつき,業も計画的に仕事を進めた結果,それなりに余裕ができたので,年は全編公開とすることができた(追加で少し日史までできた)。協力してくれている校正者の皆さんにも感謝したい。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまった

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    kazutox 2018/03/17
    毎年恒例
  • nix in desertis:センター試験「ムーミン事件」雑感

    大学入試センターが平均点などの最終結果を発表した。つまり,出題ミスは一切認めない方向で意志を固めたようだ。状況を上手いことまとめてくれた人がいたことだし,私も雑感を項目別にまとめておく。 ・結局のところ,良問なのか,悪問なのか? 問題を成立していると見なし,かつバイキングを範囲内と見なせば良問と言えなくもないが,出題ミスと見なすなら質以前の問題。“問題の質”と“成立要件”は重なりつつも別の概念ということを示す,良い事例と言えるのかもしれない。なお,「思考力を問う問題としては,あまりにも単純では?」という向きについては,思考力というものを余りにも高く捉えすぎているのではないか,と反論しておきたい。「センター試験を受験する平均的な高校生」に求めていい思考力とは,ムーミンの舞台が問われていても動揺せずにすぐに消去法に切り替えてノルウェー側から素材を探す力と,見知らぬ単語を見たら語族から解答を導く

  • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2017 その1(上智大・慶應大・早大途中まで)

    はじめに 今年は諸事情あって「そもそもやらない」すら視野に入れていたのだけれど,期待もあることだろうし全くやらないというのもダメだろうと思い直して,縮小版で更新することにした。問題の選定だけは済んでいるので,番号が飛んでいるのはまだ作業が終わってないんだなと察してもらえればと思う。ただ,最初から諦めていたおかげでかえって時間ができて,この2月は何年かぶりにのんびりしていた。Twitter等を見たら普通にゲームしてたのがわかるが,あれはこういう事情で気を抜いていたのが理由だったりする。完全版は2巻に収録する(2017年中に出るのは確定しました)。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識か

  • nix in desertis:『哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する!』入不二基義著,ちくま新書

    書は大学入試に使われた哲学の現代文を使って,哲学的な考察を行うというコンセプトのである。そこには様々な「誤読」が介在する。すなわち,出題者自身が文を読解できておらず,したがって全く頓珍漢な設問になっているもの(第1章)。出題自体は適切であったが,内容が高度すぎて予備校の解答速報や参考書でさえ適切な読みができていないもの(第2章)。書の筆者である入不二氏自身がある種の誤読をしてしまい,文章の意味を今ひとつとれなかったもの(第3章)。そして文自体に矛盾を抱えており,結果的に複数の読みが成立しうるもの(第4章)。この4章で構成されており,「入試の現代文には様々な誤読が介在されてしまう余地がある」からこその『哲学の誤読』という書名になっている。 私が書を読もうと思った理由はほとんどの読者にはお察しの通り,書のコンセプトの一部がまんま拙著の現代文版であり,事実,受験現代文をメッタ斬りに

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    kazutox 2016/10/12
  • nix in desertis:授時暦は“何の影響”を受けて成立したのか?

    受験世界史(高校世界史)の闇をほじくるシリーズ。 1.授時暦とは 「授時暦」は元朝で施行された暦で,郭守敬を中心とした科学者グループによって作成された。この授時暦の作成は,二つの理由から世界史上の特筆すべき事象とされる。 ・前近代の科学史において,最も精確な太陰太陽暦の一つであること。 ・イスラーム世界の天文学の影響を受けており,パックス=モンゴリカ下の東西交流を象徴する成果であること。 特に後者を理由に,高校世界史上でも郭守敬と授時暦は最重要項目となっている。センター試験でも出題されるし(そういえばいつぞやの出題ミスも授時暦絡みであった),各種私大・国公立大の二次試験でも出る。中でも東大は東西交流史を極めて好むため,驚くほど出題率が高い。何と2007・2011・2015年と近い間隔で,しかもそれぞれ論述の重要なファクターとして出題がある。 2.受験世界史参考書の記述の混乱 ところが,これ

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    kazutox 2016/05/02
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  • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2016 その1(上智大・慶應大)

    今年の分もなんとか書き上がったので,お届けする。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じであるが,新課程になったので用語集の収録語・頻度が大きく変わった。その点は変更がある。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度

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    kazutox 2016/03/13
    毎年恒例
  • nix in desertis:高校世界史上のフン人やマジャール人の扱いについて

    ・「ハンガリーHungary」と「フン族」の関係(Togetter) ・謎の用語「アジア系」「アフリカ系」(nix in desertis) この辺の話。気になったので,フン人・アヴァール人・マジャール人・ブルガール人について,現行の教科書(全7冊)がどう表記しているのか,調べてみた。教科書の年度は全て最新版のB課程。上から5冊がいわゆる“受験用”,下の2冊が非受験用の教科書である(山川の『新世界史』は分類が難しいが)。なお,参考書のうち『用語集』および『詳説世界史研究』も調べたが,全て『詳説世界史B』と全て同じ表記であったので省略する。 【フン人】 特徴:4〜5世紀頃にヨーロッパに襲来。民族(言語)系統についてはよくわかっておらず,トルコ(テュルク)系あるいはモンゴル系とされている。北匈奴が移動したもの説があるが,確定していない。というよりも匈奴自体がトルコ系説とモンゴル系説がある。一時

  • nix in desertis:モスクワ大公国とロシア帝国をめぐる冒険

    ロシア帝国の前身としてモスクワ大公国という国があるが,ではその切り替わりのタイミングはいつか。これが面倒なのは,「モスクワ」から「ロシア」,「大公」から「皇帝」という2つの変化を経ているからである。 実際のところ,一番賢い手段はもう一つ歴史用語を作ってしまって三段階にするというものだ。Wikipediaロシア・ツァーリ国(Tsardom of Russia)はこれに則っている。ただし,ロシア・ツァーリ国という表記は一般的ではない。山川の各国史など,一般向けのロシア史の概説書では「ロシア国家」ないし単に「ロシア」という表記が最も多いと思われる。いずれにせよ,「帝国」ではないが「ロシア」であるという段階を挟むか,または「ロシア」から「ロシア帝国」への変化(1721年)はさしたる重要な変化ではないとして無視することで,この問題を解決している。 さて,少し気になって調べてみたところ,高校世界史に