私はみんなと同じような社会人1年目になれなかった、いや、ならなかった。 大学4年の夏。世間では就職『超氷河期』と言われていたが、関係なく灼熱の日差しが降り注いでいた。 熱中症になりそうな中、リクルートスーツ姿で炎天下のビジネス街を歩いていると、突然に気がついてしまった。 「こんなのやってても無駄だ。」 そうして、私はパタリと就活をやめる。 意気揚々と就活にいそしむ友人たちの雰囲気につられて、はじめは私もマジメに就活していたのだ。 大学内で開かれるセミナーにはほぼ皆勤賞で通ったり、コミケ並みの人混みでごった返すビッグサイトでの合同説明会にも足を運んだ。 学食で集まって企業の情報交換をしたり、オレたち意識高いんじゃね? と冗談言ったりして、就活を楽しんでいた。 けれど、高揚感が冷めて賢者モードになると、違和感が頭をよぎってきた。何かが、おかしい......。 圧迫面接が嫌になったから? お祈り