大滝瓶太による『その謎を解いてはいけない』(実業之日本社)が話題となっている。大滝瓶太は『青は藍より藍より青』で第1回阿波しらさぎ文学賞を受賞し小説家デビュー。これまでにさまざまな文芸媒体に作品を発表し、今回が初の単著である。 『その謎を解いてはいけない』は、探偵である暗黒院真実(あんこくいんまこと)と助手である女子高生の小鳥遊唯(たかなしゆい)によるバディもので、5話による短編の連作。「ミステリ」の形式をとっているが、ミステリの常識を覆すような内容で、書評家をはじめとした読書好きを中心に反響を巻き起こし、即重版の人気だ。 今回はそんな注目作家である大滝瓶太氏にインタビュー。『その謎を解いてはいけない』の創作についての話を中心に、作家としてのルーツや影響を受けた作品など、大滝氏の作家性にミステリ評論家であり書評家の千街晶之が迫る。 学者になろうと考えていた学生時代 ――大滝さんが小説家にな