近年、わが国においても臓器移植手術のニュースを耳にすることは多くなってきた。しかし欧米諸国と比べると、臓器移植の実施件数はまだまだ極端に少なく、需要と供給のアンバランスも著しいという現状がある。そのような中、「臓器移植先進国」であるアメリカでは、それに関連した新しい技術も、次から次へと誕生しているようだ。 今月11日、「The Daily News」紙が、ドナーの体内から取り出された肺を、凍らせることなく保管・輸送し、患者へと移植することを可能にする医療機器を紹介している。「臓器管理システム(OCS)」と呼ばれるこの医療機器は、TransMedics社によって開発され、現在はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の外科医たちによって臨床試験が繰り返されている段階であるという。 ■OCSって何? ドナーの体内から取り出された肺を、患者に移植するまでの間、凍らせることなく保管・輸送すると