国連の「表現の自由の促進」に関する特別報告者のデービッド・ケイ氏(米カリフォルニア大教授)が2日、日本の「表現の自由」の現状について東京都内で記者会見し、「メディアの独立性が大きな脅威にさらされている」と懸念を示した。政府が放送免許を取り消せる点などを問題視する一方、ジャーナリスト同士の連帯の欠如や記者クラブ制度の排他性など、メディア側の問題点も指摘した。 ケイ氏は昨年4月に来日し、政府や報道の関係者らに聞き取りを実施。「報道機関の独立性」「歴史の伝え方や表現に対する干渉」「差別とヘイトスピーチ」など、項目別にまとめた報告書を先月末に公表した。 ケイ氏はこの日の記者会見でメディアの独立性をめぐり、「放送メディアの規制は(政府から)独立した規制当局がやるべきだ」と指摘。政府が放送局を規制すれば、同系列の活字メディアにも圧力がかかる恐れがある、と分析した。 一方で政府側だけでなく、大手メディア