ヨーロッパとアジアの境目にあり、ロシア連邦、アゼルバイジャン共和国、イラン、トルクメニスタン、カザフスタンの5か国に面しているカスピ海は、日本の国土面積に近い374,000㎢という面積を誇るが、一方で海とは直接繋がっておらず、「湖」とされている。しかし、湖と海では面している国の権益が変わるため、カスピ海は「事実上海として扱う」ということで周辺5カ国が同意したそうだ(産経新聞)。 湖の資源は沿岸各国に均等に配分されるが、海の場合は沿岸線の長さに応じて領海が設定される。そのため、沿岸線が短いイランはカスピ海を湖として扱うと不利益を被ることになる。また、湖底には原油や天然ガスなどの天然資源が存在することもあり、海として扱いたい4か国とイランが対立していた。今回の合意の背景にはアメリカによるイラン制裁を受け、イランがロシアとの関係強化を望んでいたことがあるようだ。