リチャード・ランガムはイヌの家畜化において自己家畜化の過程があったと推測している。ランガムによれば、イヌの頭蓋骨はオオカミの幼体の頭蓋骨と類似しており、先史時代において人が積極的に家畜化したのではなく、オオカミ自体が人と互恵的な関係を築く中で自ら家畜化したのではないかという。食料の自足に不安のあったオオカミのうち、人に対する攻撃性や警戒の少ない個体が人間の住居近くの残飯や屠殺の残骸を利用できることで生存し、その中から原始的なイヌが生まれたとしている[6][7][8]。 ボノボ(パンパニスカス)[編集] ブライアン・ヘアは、ボノボは自己家畜化したと主張している。ボノボはチンパンジーと近縁にもかかわらず、攻撃性が低い[9]。たとえばオスのチンパンジーは食物資源や、メスへのアピール、あるいは群内順位のために威圧的なディスプレイをすることが見られる他、両性とも子殺しをすることがある[10]。しかし