今年4月に、元米国財務省長官や国家経済会議(NEC)委員長を務めたラリー・サマーズと前FRB議長バーナンキの「長期停滞」を巡る論争が話題をよびました。 「長期停滞論」とは、2013年11月にスタンレー・フィッシャー*1の業績を記念する行事の席上、ラリー・サマーズが、「現在の米国など先進国は自然利子率、完全雇用を達成できる金利水準がゼロよりもかなり下である可能性があり、ゼロ金利の恒久化が現実味を帯びるなら、財政赤字は危機が顕在化している短期間のみ必要といえるだろうか」という疑問を呈したことに端を発しています。 サマーズは「長期停滞論」でゼロ金利でさえ投資を十分に喚起できず、先進国経済がリーマン・ショック前の状態に戻ることは容易ではないし、先進国経済は過剰な設備・貯蓄・労働力を抱えており、これらを十分活用するような投資機会が不足していると捉え、財政政策の必要性を主張しています。 この「長期停滞