今は誰でも書いて発信できる時代になった。誠に喜ばしい。これこそ真の意味で、大衆文化の時代だと思う。 だが、残念ながら「大衆文化」はこれまであまり肯定的な文脈で捉えられることはなかった。大量消費文化と同一視されることが一般的だったからだ。 例えば、ヘブライ大学のユヴァル・ノア・ハラリは現在の支配的な考え方である消費主義について皮肉を言う。 今日では殆どの人が資本主義・消費主義の理想を首尾よく体現している。この新しい価値体型も楽園を約束するが、その条件は富める者が強欲であり続け、更にお金を儲けるために時間を使い、一般大衆が自らの渇望と感情にしたい放題にさせ、ますます多くを買うことだ。 これは信奉者が求められたことを実際にやっている、史上最初の宗教だ。 だが引き換えに本当に楽園が手に入ると、どうしてわかるのか?それはテレビで見たからだ。*1 発信手段を独占していたマスメディアは企業と結びついて消
規制緩和後、事故が増えた? 先週15日、長野県軽井沢町でスキーバス転落事故が起きた。乗客乗員41名のうち14名死亡、27名重軽傷という痛ましい事故だ。 特に、死亡したのは若い大学生ばかりで、本当にやりきれない。亡くなった方のご冥福を祈るとともに、けがをされた方の一日も早い回復を祈りたい。 事故原因はこれから究明されるだろうが、バス運行会社には多くの法令違反があったようだ。 マスコミの中には規制緩和の弊害を指摘する声もある。たとえば、17日に放送されたテレビ朝日の『サンデースクランブル』である。小泉構造改革による規制緩和のせいだと断定するように、小泉首相(当時)の映像を映したあと、「規制緩和によって新規参入者が増えたせいで、バス会社の利益が出なくなった。(だから、いろんなところで無理をする業者が増えた)」としていた。 本当に規制緩和の弊害だろうか。まず、そのときの規制緩和がどのようなものだっ
●Lars Christensen, “The Crowd: “Lars, you are fat!””(The Market Monetarist, November 18, 2013) 去る金曜日のことだ。ダンスケ・バンク・グループで投資アドバイザーを務める40~50人くらいの同僚を前にして、グローバル経済をテーマに――言うまでもなく、世界各国の金融政策の話題を軸にして――プレゼンテーションを行う予定になっていた。 私の出番がやってきて準備をしていると、誰かがふと口にした。「おやおや。みなさん、今日はお静かなようで」。私に対する挑戦状だと感じて、即座に目の前にあるテーブルに飛び乗った。効果あり。一同の目は、すっかり覚めたようだった。 すかさず、目の前にいるみんなに問い掛けた。「僕の体重を予想してくれたまえ」。一同は、渡された紙に自分なりの予想を書き込む。私のプレゼン中に手の空いている同
Econlogのブライアン・カプランが40になった記念に書き出した40の教訓のうち30をこれまで紹介してきたが、今日は人生篇に相当する最後の10を紹介してみる。 生命は天からの授かり物であり、多々にして益々良し。 「汝の愛するものを 仕事に選べ、 そうすれば 生涯一日たりとも 働かなくて 済むであろう。」*1 まさにその通り。 処世術として友好的であれ。人格攻撃を受けたならば、もう一方の頬も差し出せ。気違い染みた戦略に見えるかもしれないが、それはうまく行く。 執着は、物理的および社会的問題に対する強力な解決策である。残念ながら、それは感情的問題の主要な原因でもある。 大人になれば、信心深い人々は、あなたの方からちょっかいを出さなければ、あなたにちょっかいを出さなくなる。 あなたが思うより人々同士の違いは大きい。それは誰のせいでもないということを自分に言い聞かせるべし。 取捨選択は社会での調
コーエンのTED講演の訳続き(その(1) / その(2))。ストーリーが抱える第2の問題点(「ストーリーは時に相反する複数の機能を果たす」)について。 次に、ストーリーが抱える第2の問題に移りましょう。私たちは一度に−あるいは一日のうちに、あるいは一生のうちでさえも−それほど多くの数のストーリーを心のうちに抱え込むことはできません。そのために*1、同じストーリーが非常に多くの目的のために利用される*2、ということになってしまうのです。例えば、私たちは朝ベッドから起き上がるよう自らを駆り立てるために、「私の仕事は非常に重要なものであって、私がこれから取り掛かろうとしていることは非常に価値があることだ」−たぶん重要なんでしょうけれども−とのストーリーを自分自身に向けて語りかけているわけですが*3、それほど重要ではないことに取り掛かる際にもこの同じストーリーが自らに向けて語られる*4ということが
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