経済評論家の藤巻健史さん 多くの国民から支持されていたアベノミクスだが、日本経済を破壊してしまうことはないのか。この問いに対して最も悲観的な見通しを語るのは藤巻健史氏だろうと、アベノミクスの名付け親である原真人氏は言う。藤巻氏はかつて米モルガン銀行東京支店長時代に「伝説のディーラー」と呼ばれ、参院議員のときには安倍首相や黒田総裁に異次元緩和の危うさを最も厳しく問い続けた人である。原氏の新著『アベノミクスは何を殺したか 日本の知性13人との闘論』(朝日新書)での藤巻氏との徹底闘論から一部を抜粋、再編集し、紹介する。 【写真】藤巻健史さんの写真をもっと見る * * * ――なぜ世界的インフレがなかなか収まらないのでしょうか。 藤巻健史(以下、藤巻):世界的なインフレはロシアによるウクライナ侵攻とか、新型コロナの感染拡大とかが理由だと誤解している人も多いが、基本的には世界中で異常な金融緩和が