かつて「造船の町」として栄えた三重県伊勢市大湊町にあった旧市川造船所(1702~1978)の創業家が「門外不出」として所蔵していた軍船・日本丸の模型が、伊勢市へ寄贈された。いせ市民活動センターで開催中の企画展「大湊 船と人―歴史を刻む旧市川造船所資料―」で初公開されている。29日まで、無料。 日本丸は16世紀末、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、鳥羽城主の九鬼嘉隆に命じて造らせた軍船で全長約34メートルとされる。 模型は全長約1・2メートルと、30分の1のサイズで市川造船所が昭和初期に製作した。市造船資料保存調査員の伊藤政光さん(73)によると、同社は大正~昭和初期に日本丸の模型を3回作ったが、所在がわかっているのはこれだけという。日本丸の模型は他にも各地に残っているが、ほとんどが同社製を模したもので、これほど精巧ではないという。 寄贈資料は他にも数百点あり、このほど寄贈式が行われた。14代社長の故