「第3のエコカー」と呼ばれた「ミライース」を発表するダイハツ工業の伊奈功一社長(当時)=東京都内で2011年9月20日、山本晋撮影 ダイハツ工業の車両認証試験の不正問題は、国内外の工場で全車種の生産、出荷停止という前代未聞の事態に発展した。同社の第三者委員会は今回の不正の要因として「ミライースの成功体験」を指摘したが、どういうことなのか。その成功体験の裏には軽自動車の燃費をめぐる激しい競争があったのは間違いない。【毎日新聞経済プレミア・川口雅浩】 第三者委が指摘したダイハツの不正とは、衝突試験で助手席の試験結果を運転席のデータとして書き込んだり、エアバッグを実際の衝突ではなく、タイマーで意図的に作動させたりするものだった。いずれも新車の開発に必要な認証試験を確実にパスさせるものだった。 これはダイハツ社内に根付いた「過度にタイトで硬直的な開発スケジュール」が原因だった。万一、認証試験に不合