Department of Electrical and Electronic Engineering, Department of Information and Communication Engineering, The University of Tokyo
一般的な三葉虫は、単一の眼が無数に集まってできた複眼と呼ばれる構造により、いわゆるレンズ部分と視覚細胞が1対1でつながっていたと考えられている。これは、現在の昆虫にも見られるしくみだ。 しかし、Dalmanitina socialisと呼ばれる種の三葉虫は、視覚系全体に二重レンズ構造を持ち、表面側のレンズは中央部の膨らみにより第二の焦点を得られていたことがわかった。つまり、この種は近くにいる獲物を見ると同時に、遠くで動く天敵もはっきりと視界にとらえることができたようなのだ。 NISTの研究チームは、この構造を「ライトフィールドカメラ」と呼ばれる特殊なカメラに応用できないかと考えた。ライトフィールドカメラは通常のデジタルカメラとは異なり、複眼のように多数のマイクロレンズを使用して、1度の撮影で色と輝度だけでなく、センサーに入る光の方向もまとめて記録し、ソフトウェアによって後から遠近のフォーカ
日本周辺だけが網掛けになっている地図。そして「NO FORECAST(予報なし)」の文字。実はこれ、日本の研究機関が発表している雨の予測です。何か機密が隠されているのか?それともハッカーによるものか?取材を進めると、気象の予報技術が急速に進む一方で、昔からの規制が残っているため、その成果が一般に共有されにくいという皮肉な現実が見えてきました。(社会部記者・災害担当 島川英介) さきほどの画面は、理化学研究所計算科学研究センターの研究グループが運営する「理研天気予報研究」のホームページです。 現在、「世界の降水予報」と「関西の降水予報」の2つが一般に公開されています。 このうち「世界の降水予報」は、複数の人工衛星のデータから、世界全体で降っている雨の強さを確認。そのデータをもとに12時間先までの世界の雨雲の動きを予測します。 一方、「関西の降水予報」は、予測が困難で、突如激しく降り始める局地
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは、電磁波などの振動現象全般について、100年来の常識であった「Q値」に関する物理的制約をくつがえす発見をしたと発表した。研究論文は、科学誌「Science」に掲載された。 電磁波、音波、機械振動などの共振現象を利用するさまざまなシステムの性能を評価するため、よく使われる指標としてQ値(クオリティ・ファクター)がある。 Q値は、共振周波数ω0を振動の減衰率Γで割った値であると定義される(Q=ω0/Γ)。Q値が大きければ大きいほど、共振周波数ω0は高くなり、ω0を中心とするバンド幅Δωは狭くなる。つまり、強くて鋭い共振になる。 また、Q値の定義からは、減衰率Γがバンド幅Δωに等しいという関係が導かれる。これは、導波路や共振器の内部に振動を保持できる時間とその振動のバンド幅の間には物理的なトレードオフがあり、振動を長時間とどめておこうとすれ
CiNiiは、国立情報学研究所(NII)が運営している、論文などの学術情報で検索できるデータベースサービス。1997年以降、紙の論文を電子化し、CiNii上でPDFデータを無料公開する「電子図書館事業」(NII-ELS)を進めており、430万論文を電子化・公開してきた。 だが、NII-ELSが17年3月で終了し、国からの支援が途絶えた。国は、論文の電子化支援について、科学技術振興機構が運営する「J-STAGE」に一本化する方針で、CiNiiの掲載論文もJ-STAGEなどに移行するよう各学会に推奨した。 これを受けCiNiiは、17年3月28日に論文PDFの公開を停止した。だが、J-STAGEへの移行作業は遅れており、多くの論文が移行できないままこの日を迎えてしまった。移行作業は各学会に任されおり、学会によって“移行度”にばらつきがある状態だ(学会誌の移行先と移行準備年度一覧)(紀要の移行先
ネットによる情報検索は、実際以上に自分が賢いと錯覚させる──米国の研究者によるこんな研究結果が米心理学会の専門誌に掲載された。検索ユーザーはネット上の知識と自分の知識を混同してしまう傾向があり、研究者は「正確な知識を身につけるのは難しいことだが、ネットはそれをさらに困難にしている」という。 ある実験では、対象者をネット検索を使ってもいいグループとそうではないグループに分け、「ジッパーはどういう仕組み?」といった4つの質問に答えてもらった。その上で、4つの質問とは無関係な別の質問(「曇りの夜はなぜ暖かい?」など)を示したところ、ネット検索を使ってもいいグループは、そうではないグループに比べ「自分はその質問に答える能力がある」と考える傾向にあったという。 検索を使えるグループは、正確な回答が見つからないようなとても難しい質問や、Googleのフィルターによって回答が見つからないようになっている
By chippa オンラインのニュースや面白い記事を提供するネタ板であるredditの1コーナーで、数々の著名人に直接質問を行うことができる「AMA(Ask Me Anything)」に、世界最大の粒子加速器である大型ハドロン衝突型加速器を擁し、数々の世界的研究プロジェクトを行っているCERN(欧州原子核研究機構)のスタッフが参加しました。「タイムマシンの研究は?」という質問に対し、CERNスタッフが「それはSERNに任せたよ」とまるで想定科学アドベンチャーゲーム・アニメのSTEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)を思わせる回答を寄せたことから、作品のファンを含めて大きな反響を呼んでいます。 We are scientists working at CERN, home of the Large Hadron Collider and birthplace of the World
ゼンリン地図の作成にあたっては、国土地理院発行の50万分1地方図、2万5千分1地形図及び電子地形図25000を使用しています。 (測量法に基づく国土地理院長承認(使用)R 4JHs 823-001号)
広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
理化学研究所は12月3日、X線レーザー施設「SACLA」のスペシャルサイトに、「未来光子 播磨サクラ」のコーナーを開設した。公式キャラ「播磨サクラ」を主人公とするアニメや、イラスト・漫画などのコンテンツで、同施設をPRする。 未来光子 「播磨サクラ」コーナー X線レーザー施設「SACLA(サクラ)」とは、「ミリ(mm)」→「マイクロ(micro)」→「ナノ(nano)」に続く小ささを表す単位「ピコ(pico)」の世界を見ることができる、いわば“巨大な顕微鏡”。生命の神秘の解析や、医療の発展などに貢献している世界最先端の施設だ。 播磨サクラ、登場ッ! オープニングタイトル 原子の宇宙で、謎に立ち向かうサクラ サクラ、変形ッ! 起動するサクラ。ボディが輝きだす 弓矢を出現させ、原子サイズの謎に狙いを定めるサクラ コヒーレント・アロー、照射ッ! サクラの仲間と提供テロップ SFアニメ「未来光子
By David J Morgan オープンソースの共有ウェブサービスであるGitHubで働くRyan Tomayko氏は、長年ソフトウェア開発に携わってきた中で、HTMLの基礎のリンクタグである「href」が何に由来するのかについて考察を行っており、2008年からコラムの更新を続けています。 What does "HREF" stand for? http://tomayko.com/writings/wtf-is-an-href-anyway Tomayko氏は、リンクタグが、「url」や「link」、もしくは単に「ref」ではなく、なぜ「href」と表記するようになったのか?という疑問から、「HTML recommendation」を調べたところ、「href」の項目には属性の説明のみが書かれており、起源となる記述を発見できなかったとのこと。 By Anna Vignet ほかにもさま
2011 年 9 月 20 日 株式会社豊田中央研究所 人工光合成の実証に初めて成功 ―太陽光を利用して水と CO2 から有機物を合成― トヨタグループの株式会社豊田中央研究所(愛知県長久手町、所長 斎藤卓)は、太陽光エネルギーを利用し、 水と CO2 のみを原料にして有機物を合成する人工光合成の実証に、世界で初めて成功しました。 近年、CO2 排出による地球温暖化問題、および化石燃料の枯渇による代替エネルギー問題を抜本的に解決でき る手段の一つとして、人工光合成の実現に対する関心が高くなっています。しかし、従来の技術では、 ・ 犠牲薬と呼ばれる有機物を添加する ・ 太陽光には含まれない波長域の紫外線を利用する ・ 外部から電気エネルギーを加える など、何らかの付加的要素が必要で、水と CO2 と太陽光だけで有機物を合成することは困難とされていました。 今回の研究成果は、植物の光合成と同
TEDの『ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?』を見て「なるほどねー」と勉強になったのでメモ的な意味もかねて掲載。 内容はズバリタイトルそのままで、本来なら選ばれないような選択肢でも、魅力的でない選択肢を加えることで選ばせることができるようになるというものです。 行動経済学者のダン・アリエリー教授は、イギリスの新聞紙『Economist』のとある広告に疑問を持っていました。その広告とは、web版、もしくは新聞の定期購読を申し込むものだったのですが、このようなおかしな選択肢でした。 web版の定期購読。年間59ドル。 新聞の定期購読。年間125ドル。 webと新聞の定期購読。年間125ドル。 本来なら真ん中の選択肢は必要ありませんね? マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生100人に対して「どちらを選ぶか?」という実験を行ったところ、次のような結果となり、やはり真ん中を選ぶ
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前の記事 「iOS売上げの4割はiPod Touch」、その意味 高解像度で捉えた火星の風景:画像ギャラリー 次の記事 行動が伝播しやすい「クラスター化ネットワーク」 2010年9月 9日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Jess McNally Image: Damon Centola 「行動の変化」の伝わり方についての研究がこのほど発表された。これによると、行動の変化は、感染症やニュースが広まる様子とは異なった様相を見せる。つまり、「遠い関係」が一様に存在するネットワークよりも、「近い関係」が多く存在するネットワーク上のほうが速く広がるという。 ここで重要なポイントは「重複」だ。というのも、人は、自分の周りの大勢の人がしている行動をとりたがる傾向が強いからだ。 9月3日付けで『Science』誌に発表されたこの論文の執筆者
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