生きているだけで、社会は私の心をすり減らす。子供のころから変わらないその苦しみの逃げ道を、私はいつしか自然と見つけていた。 それが、私の「邪魔されたくない時間」である。 卒業式の着物の着付けで気後れ。友人の一言で気持ちが晴れた ◎ ◎ 私の邪魔されたくない時間。それは、創作の時間である。なぜなら創作は、私の脳内の思考や想像を自由に表現することを許す、最も幸福な時間だからだ。 私にとって一番身近な創作は、文章を書くことである。 文章というのは、専ら自作小説のことを指すのだが、書き始めてみるとこれが存外楽しい。日常では使うことのない文学的な表現や、表に出すことのない感情を、紙の上でなら爆発させることができる。 昔から、心の奥に隠れた想いを、文章の中でなら容易く表現することができた。そして、自分以外の代弁者にそれを語らせることにより、いくらでもドラマチックに表現することができた