エンタープライズアジャイルは、単なるアジャイル開発と従来手法との組み合わせではない。従来のように詳細過ぎる計画やドキュメントを作成すると、効果を発揮できない。エンタープライズアジャイルで「良いところ取り」を効果的に進める五つの勘所を、事例を基に見ていこう。 エンタープライズアジャイルでは、アジャイル開発と従来のウォーターフォール型開発をどのように組み合わせて進めるのか。まずこの点を、代表的なエンタープライズアジャイル手法の一つであるDADを例に採って説明しよう。 DADでは、システムの開発を大きく(1)計画・要件定義、概要設計、(2)開発、(3)運用準備、という流れで進める(図3)。これだけを見ると、従来型の開発と変わらない。 (2)の開発はアジャイル開発の流儀で進める。DADでは、一般的なアジャイル開発手法である「スクラム」を採用している。1週間から1カ月程度の短い期間で、実装やテスト、