新型コロナウィルスの流行がようやく沈静化したこともあり、大手オペレーター(ゲームセンターの経営会社)各社は、既存店売上高や利益が前年度を上回ったことを相次いで発表している。店舗によっては、コロナ禍以前よりも売上が上がったとの情報も耳にするようになった。 一方、大手に比べて規模の小さい、個人経営の店舗の状況はどうだろうか? 以下、本稿では昭和の時代から長らく営業を続けている、昔ながらのゲームセンターの「今」をお伝えしよう。 今回、取材にご協力をいただいたのは大阪新世界、ジャンジャン横丁の一角にある「かすが娯楽場」。昭和34年頃に、現社長の祖父母が個人商店として開業以来、実に60年以上もの歴史を誇る、おそらく全国でも屈指の老舗である。 100坪ほどの店内には、80~90年代に発売された懐かしのビデオ、メダルゲームをはじめ、「ワニワニパニック」などのエレメカ、プライズ(景品)ゲームなど約95台が