前稿では、近著「国破れて著作権法あり~誰がWinnyと日本の未来を葬ったのか」(以下、「国破れて著作権法あり」)をベースに金子氏同様、世の中をよくしようとしてソフトウェアを開発した欧米の天才プログラマーが億万長者になったのに対し、金子氏が不当な逮捕・起訴と闘い、無罪を勝ち取るのに42年の短い生涯の7年半も費やされたと紹介した。 (前回:Winny 開発者・金子勇 死後10年に想う(上)) 「国破れて著作権法あり」では、金子氏の悲劇を繰り返さないための以下の4つの提言をしたので、本稿で紹介する。 第三者意見募集制度の著作権法への導入のすすめ 審議会の構成員は中立委員だけに絞る 取調べに弁護士の立会いを義務づける 日本版フェアユース導入 1. 第三者意見募集制度の著作権法への導入 米国には係争中の裁判に当事者以外の第三者がアミカスブリーフ(amicus brief)とよばれる法廷助言書を提出で