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  • 原作『攻殻機動隊』全話解説 [第一話]|ヒト

    みなさんは『攻殻機動隊』と聞いてどれを思い浮かべるでしょうか。押井守の最初の劇場版でしょうか、それとも神山健治のSACシリーズでしょうか。ハリウッドの実写版を思い出す方もおられるかもしれません。 しかしながら、私にとっての”攻殻”は士郎正宗による漫画『攻殻機動隊』なのです。はじめてこの漫画を読んだときは、世にこれほどまでに面白い漫画が存在するのかと震えました。未だに私にとっての漫画の最高傑作です。しかし、この原作漫画はアニメシリーズと比較して、残念ながら知名度が高いとはいえません。 その理由の一つに、非常に難解なストーリー展開があると思います。一読しただけでは物語の把握は困難で、注釈が無数にあって、そして理解を読者に求めます。 この作品は、画に描いてあることを解説してくれない漫画なのです。読者は画とセリフから能動的に意味を読み取り、物語を自分で組み立てなければなりません。 もちろんそういっ

      原作『攻殻機動隊』全話解説 [第一話]|ヒト
    • 宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。|海燕(ライター)

      宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。 1000スキありがとうございます! さらに調子に乗っておまけとして有料文章30000文字を追加してみました。有料ではありますが、宣伝ツイートをRTしていただくと無料で読めます。くわしくは↓の有料個所から飛んでください。無料でもぜんぜんかまわないので、ぜひ読んでみてください。よろしくお願いします。 昨日、宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来、10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』が公開されたので、ひとりのアニメファンとして当然ながら初日初回で見てきた。 個人的にはリッチなアニメーションと幻想的なストーリーテリングを楽しんだが、予想通りというかいつものことというか、ネットでは賛否両論である。 それ自体はおおよそ想像できた展開ではあるのだが、予想外だったのは「ストーリーがわからない」という

        宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。|海燕(ライター)
      • 俺はゼルダに向いてないかもしれない|ジスロマック

        まず、僕はこのゼルダの伝説ってゲームを結構面白いと思っている。タイトルに「向いてないかもしれない」って書いてるけど、結構面白いと思ってる。たとえ相性的に合わないと思うような相手だったとしても、人間としては愛せるだろう。それと同じことだ。僕はこのゼルダってゲームが好きだ。 そもそも、僕ほどの天才がなんのプラスにもならないようなただ罵詈雑言を吐き散らすだけの駄文を書くと思うのか? だから、これからこの記事を読むアナタもそなたも貴様も「あぁ、こんな困った人もいるんだなぁ」と、それはそれは冷めた目で見守るがいい。 で、僕ってゼルダに向いてないかもしれない。 なんで向いてないのか、これからいろいろ書いてみる。 日本の恥 まず、このツイートを見てほしい。 僕が操作したリンクが、哀れにも落下していく。そんなに面白味のない動画。いや、この動画そんなに面白くないだろ。キミら、何がそんなに面白いの? 全ッ然面

          俺はゼルダに向いてないかもしれない|ジスロマック
        • 本屋大賞ホント糞。早く終われ

          出版界隈の端っこにいる人間だけどさ。 もともと売れている本が、さらに売れるだけの糞賞。書店員なんか一部を除いてベストセラーしか読んでないので、ベストセラーにさらにブーストがかかって他の本との格差がえらいことになるだけの糞賞。売れていないけど良作を書いている作家の、モチベーションと売上を低下させている糞賞。本屋大賞のノミネーション10作品が長期間本屋のいい場所を占拠し続けるので、選に漏れた良作が埋もれるだけの糞賞。書店員の多数決という糞システムを採用しているので、同じような作家ばかりがノミネートされる糞賞。本屋大賞が影響力を持ちすぎたせいで、出版社も書店相手にゲラを読ませて帯コメントを取るなどの糞行為をはじめ、書評家・評論家の立場が低下し業界の批評機能を麻痺させている糞賞。 早く終われこんなもの。出版界の癌やろ。 参考: https://anond.hatelabo.jp/201404131

            本屋大賞ホント糞。早く終われ
          • 「平成狸合戦ぽんぽこ」が元宗教二世をじんわりと癒してくれる理由|もるすこ

            平成狸合戦ぽんぽこを見たら号泣してしまう。何を言ってるかさっぱりですよね。 今まで誰に言ってもそういう反応しか返ってこなかったんです。 でも、宗教二世が話題となり、それまで日常生活では遭遇することのなかった宗教二世どうしの雑談の中でびっくりするほど共感してもらえたんです。 平成狸合戦ぽんぽこの何が宗教二世の琴線に触れるのか記事にしてみようと思います。 正吉への自己投影 主人公の正吉は人間に化けてサラリーマン生活を送るタヌキです。人間に化け続けるのは疲労がたまります。 疲れたら目のクマがあらわれ、尻尾が出てきちゃう。栄養ドリンクを飲んでなんとか尻尾を隠して人間の世界に紛れて生きています。 これが「元」宗教二世にとってはまるで自分のことのように見えてしまうんです。 過去の生い立ちや家族のはなし、いろんなことをを隠しながら息を潜めて生きてるんです。いろんなハンデを背負っていて一般社会になんとか溶

              「平成狸合戦ぽんぽこ」が元宗教二世をじんわりと癒してくれる理由|もるすこ
            • ガチでるろうに剣心初めて読んだ|ジスロマック

              『るろうに剣心』を初めて読みました。 理由は単純、今やってるアニメの薫殿がかわいかったから……。本当にそれだけ。CV高橋李依、最高! 薫殿かわいいし! 成人男性のクセに「おろ~」とか言ってる主人公えっちだし! よっしゃ全巻買うか!! ……こんな感じで、ぬるっとるろ剣を全巻買って読みました。ぬるっとしたキッカケで読み始めたので、この記事もぬるっと始まります。全体的にぬるっとした温度感なので、暇な時にでも読んでやってください。 どうぞ、よろしくお願いします。 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-東京編1巻 『るろうに剣心』1巻より 和月コメントの味が濃すぎる。 えっ、なにこれ……。単行本買ったら登場人物制作秘話までついてくるオトク感、すごいね。いやにしたって赤裸々すぎる。別に「この先、薫が剣心の恋人になるかは決めかねているところです」まで書かなくてよくない!? 1巻読んだ時、もっといろいろな感想が

                ガチでるろうに剣心初めて読んだ|ジスロマック
              • ハミッド・ダバシ「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」|早尾貴紀

                ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈したハミッド・ダバシ(試訳=早尾貴紀) 2024年1月18日 もしイラン、シリア、レバノン、トルコが、ロシアと中国に全面的に支援され、武装し、外交的に保護されながら、テルアビブを現在のガザと同じように、3カ月間昼夜を問わず爆撃し、何万人ものイスラエル人を殺害し、数え切れないほどの負傷者を出し、何百万人もの家を失い、この都市を人が住めない瓦礫の山と化す、そのような意志とその実現手段があったとしたら、と想像してみてほしい。それから、イランとその同盟国が、テルアビブの人口の多い地域、病院、シナゴーグ、学校、大学、図書館、あるいは実際に住民のいるどんな場所であれ、そこを意図的に標的にし、民間人の犠牲者を確実に最大化するということがあり、そしてイランと同盟国が、「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と彼の戦時内閣を探していただけだ」と世界に言ったとした

                  ハミッド・ダバシ「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」|早尾貴紀
                • 24/4/20 ダンジョン飯の感想 なぜファリンを蘇生したのは黒魔術なのか? - LWのサイゼリヤ

                  ダンジョン飯 ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX) 作者:九井 諒子 KADOKAWA Amazon 注:アニメ版ではなく漫画版の感想です 漫画最終巻までのネタバレを含みます ダンジョン飯 ああダンジョン飯 被食者を蘇生するから黒魔術 充足と渇望のダイナミクス 禊としてのカニバリズム 対立と和解のダイナミクス 完結していたので全巻読んだ。かなり面白かった! 個人的にはミスルン隊長が一番好き(アニメ未登場)。華奢な割に突出した異常な強さを持つエロい男、推せる。 Web漫画にありがちな一話完結っぽいタイトルに反してハードなファンタジーとしてのストーリーがしっかりしている。一話冒頭でいきなりパーティーが全滅するところから始まり、「最深部でドラゴンに食われた妹・ファリンを取り戻す」という明確なゴールに向かって迷宮を下っていく。ファリンの蘇生と救出は四巻で早くも達成してしまったかと思いきや

                    24/4/20 ダンジョン飯の感想 なぜファリンを蘇生したのは黒魔術なのか? - LWのサイゼリヤ
                  • 審査のゆがみ:全日本吹奏楽コンクールを例に

                    芸術競技において審査過程の公平性を確保することは重要な課題である.本論文では,審査結果に意図せざる形で偏りが存在しているか否か,存在するとしたらどの程度影響を与えているのか,という問いに対して全日本吹奏楽コンクールを事例として分析を行った.分析の結果,演奏順が後ろであればあるほど有利であるという “overall order bias” と,一つ前の演奏団体のパフォーマンスから影響を受ける “sequential order bias” が存在することが示された.

                    • アオサギの話しかしない『君たちはどう生きるか』考察&感想&レビュー - 沼の見える街

                      アオサギという鳥が好きだ。日本中で見ることのできる、とても身近な野鳥でありながら、大きな体をもち、翼を広げれば全長は1.5メートルにもなる。あまり人や外敵を恐れぬ泰然とした佇まいにも目を奪われる。目元から冠羽へとつながる濃紺の模様や、長い首を彩る斑点、くすんだ青灰色の色合い…。いわゆる「サギ」として連想する真っ白な羽のシラサギ(実はこれは種の名前ではなく、ダイサギ・チュウサギ・コサギらをまとめた通称なのだが)とは一線を画する、野性的な美をアオサギはその身にまとっている。 そのルックスに恥じず、アオサギの暮らしはワイルドだ。魚や虫や甲殻類だけでなく、時には同じ鳥類や小型哺乳類まで捕食する。「張り詰めた弓」のようにジッと動かないかと思えば、突如として矢のような瞬発がひらめく。長い首を素早くのばし、鋭いくちばしで獲物を捉えるのだ。堂々たる巨体の優雅さと、刃物のような攻撃性を兼ね備えたアオサギを眺

                        アオサギの話しかしない『君たちはどう生きるか』考察&感想&レビュー - 沼の見える街
                      • 既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書

                        万物の黎明 人類史を根本からくつがえす (翻訳) 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ光文社Amazonこの『万物の黎明』は、世の中にはやってもやらなくてもいいようなクソどうでもいい仕事で溢れているのではないかと論を展開した『ブルシット・ジョブ』で知られるデヴィッド・グレーバーの最新作にして、遺作となった大作ノンフィクションである(単著ではなく、考古学の専門家デヴィッド・ウェングロウとの共著)。今回テーマになっているのは、サブタイトルに入っているように、「人類史」だ。 多くの(特に売れている)人類史本には、環境要因に注目したジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や「虚構」をテーマにしたユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』のように「わかりやすい切り口」が存在するものだが、本書(『万物の黎明』)の特徴の一つは、数多語られてきた「わかりやすい切り口」の「ビッグ・ヒストリ

                          既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書
                        • 【翻訳】パレスチナ人の命も守れ:ユダヤ人の学者ジュディス・バトラーがイスラエルの「ジェノサイド」を非難|カフェ・フスタート

                          本稿はデモクラシー・ナウによるジュディス・バトラーのインタビュー(Palestinian Lives Matter Too: Jewish Scholar Judith Butler Condemns Israel’s “Genocide” in Gaza)の日本語訳です。 バトラーはクィア理論の大成者として有名ですが、ユダヤ人としてイスラエルの占領や暴力を一貫して非難してきました。このインタビューでバトラーの表情は終始険しく、ジェノサイドという言葉を繰り返し口にします。また、バトラーはイスラエルによる暴力は75年前から組織的かつ継続的に行われてきたと指摘し、パレスチナ人がその死を悼むに値しない人間以下の存在として扱われる状況に警鐘をならしています。イスラエルを植民地主義国家・アパルトヘイト国家として明確に非難している点も重要です(これまでのイスラエルの所業をみれば明白のことなのですが、な

                            【翻訳】パレスチナ人の命も守れ:ユダヤ人の学者ジュディス・バトラーがイスラエルの「ジェノサイド」を非難|カフェ・フスタート
                          • 「君たちはどう生きるか」が完全に失敗作だった件

                            初日に見たのでネタバレ感想。 未見の人や面白かったって人に水差すのもアレなので増田で。 以下ネタバレ (吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は未読なので、そこからの引用があったらごめんなさい) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ いやね、まったくダメってわけじゃないのよ?最終的には得意の異世界冒険活劇に着地させるし。そこは熟練の技。 ただ、セルフオマージュをしたいがための意味不明な設定や展開が多すぎて、全然ストーリーに乗れないの。 ■意味をなさない設定の多さ 父親が(多分)軍用機のキャノピーを作る工場を経営してて、主人公はいいとこの子、って設定、なにかに生かされた? あ〜「風立ちぬ」っぽい!ってシーン以外、ストーリーに絡んでなくない? 主人公が引っ越す旧家も延々歩く描写があるわりに、結局主人公が暮らすのは離れの洋館だし、舞台はほぼ塔の建物と異世界。 結果、和の旧家はばあやがたくさんいる、という

                              「君たちはどう生きるか」が完全に失敗作だった件
                            • ゼルダティアキンのラスボス戦がなぜ最高だったのかゲームデザインの観点で解説するよ|ニカイドウレンジ

                              前置きゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダムをクリアした。ラスボスとエンディングが非常に素晴らしかった。自分がこれまで遊んだゲームの中で、最上級と言えるようなゲーム体験がそこにあった。 グラフィック、展開、音楽、ストーリー、演出など全てが素晴らしかった。だがそれだけではない。最初は気付かなかったがしっかり観察していくとゲームデザイン面でも様々な工夫がされていることが分かった。 本記事では、私ニカイドウレンジがプレイして気付いたラスボスのゲームデザイン的工夫について解説していきたい。ゲームを理解することの助けや、ゲーム開発の助けになれば幸いだ。 逆にゲームデザイン以外についてはほとんど語らない。演出や展開や音楽などについて詳しく知りたければ、じーくどらむす氏の記事が詳しいのでこちらをお読み頂ければと。 まずは注意事項。 注意①:本記事はゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダムのラスボスにつ

                                ゼルダティアキンのラスボス戦がなぜ最高だったのかゲームデザインの観点で解説するよ|ニカイドウレンジ
                              • 『バービー』ネオンジェネシス宗教映画|うまみゃんタイムズ

                                映画『バービー』が前提としているブランドの基本情報についてELLEで紹介したのだが、この作品がユニークなのは、アブラハムの宗教をベースにしているところだ。それを知らずとも楽しめはするのだが、この10年「国際的な観客にとってのわかりやすさ」が重視されてきたハリウッドIP映画として異色な宗教的大作となっている。 「宗教儀式のような映画館」 まずこの映画、すでに興行収入10億ドルを突破していて、特に北米でものすごくヒットしている。『ダークナイト』を超えてワーナー・ブラザース最高の国内成績で、観客の二割が少なくともコロナ以降映画館に来ていなかった層とされる。 特異なのは、文化左派っぽい見てくれをしてるのに保守派での好評も目立つこと。ポリコレ叩き文化戦争工場ことFOX Newsすら肯定的言説を流すに至っている。さらに、映画館に行った人々からは「嗚咽してる人がたくさんいて宗教儀式みたいだった」という報

                                  『バービー』ネオンジェネシス宗教映画|うまみゃんタイムズ
                                • 「ブルアカはマジでヤバイと思いました」最前線の美少女ゲームの書き方を実践していて、あのレベルで書けるライターは何人もいないらしい

                                  稲塚 春@ハルねこ @Inatsuka 日本人としては、原神みたいな「アニメ風の絵柄で正面からクオリティで勝負して世界で大ヒットしたソシャゲ」を日本のメーカーが出せなかったことを非常に悔しく残念に思ってるんだよなぁ…… 2023-06-01 10:24:22 稲塚 春@ハルねこ @Inatsuka 日本ってクリエイターの実力的には全然負けてないと思うんだけど…… 会社のお偉いさん方にセンスがないというか…… クリエイターを信頼せずに全力を出せるだけの環境と権力を与えてないのが、ヒット作を生み出せない原因だと思うんですよね 2023-06-01 10:27:48

                                    「ブルアカはマジでヤバイと思いました」最前線の美少女ゲームの書き方を実践していて、あのレベルで書けるライターは何人もいないらしい
                                  • 「足が不自由」なのは何のメタファー? - 破壊屋ブログ

                                    ↑『ジョゼと虎と魚たち』。足が不自由な人を受け入れているように見えて、実は上から目線な感覚を暴く名シーン。 映画と健康について元気が出る映画のおすすめ 大人が満足の名作を厳選 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフで書いたわけですが、日本映画における「健康」には「難病モノ」というジャンルが不可避なので、難病モノの代表的存在である『余命1ヶ月の花嫁』もあえて取り上げました。 難病モノが流行る理由 ↑今年公開された『生きる』のイギリス版。 どうして日本でここまで難病モノがジャンルとして発展したのかは、沢山の要因があります。社会的な要因は「lala a live」に書きましたが、文化的な要因として「昭和の時代に不治の病モノが大流行してその影響がまだ残っている」があると思っています。古くは黒澤明の『生きる』がありました。またテレビドラマでも不治の病モノが鉄板でした。だいたい2

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                                    • 宮崎駿の悲しみと問いかけ─『君たちはどう生きるか』|下西 風澄

                                      『君たちはどう生きるか』を観た。 しばらくしたら専門家が本格的なレビューを書くのだと思うが、今の段階では簡単なレビューしか書かれていない。ちらりと見たレビュー記事が「ファンタジーへの回帰」を称賛するというもので、あまりにも素朴すぎると感じたので、僕も感想を書いてみたい。 一度見終わった直後に走り書きしているので、固有名や記憶違いがあるかもしれないが、その熱だけでも留めておきたい。 宮崎駿の自我空襲警報が高らかになり、燃え尽くす街を駆ける少年の映像。冒頭の1分ほどの映像を観たとき、僕はすでに感動した。この1分の間に、宮崎駿がこれまで描かなかった新しい表現があり、そこにこの映画全体のメッセージがあった。 宮崎駿はこれまで、幾度となく疾走する少年を描いてきた。誰もがコナン、ルパン、パズー、アシタカ、の走る姿を思い浮かべることができると思う。しかし、これらほとんどは走る少年の後ろや横からカメラが追

                                        宮崎駿の悲しみと問いかけ─『君たちはどう生きるか』|下西 風澄
                                      • 【ネタバレ全開】ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomをクリアした時の感動は、何だったのか|じーくどらむす

                                        (注1)本記事では、ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomのラストバトルを全てネタバレします。クリアした人だけ読んで下さい。まだクリアしてない人は、感動を奪いたくないので、引き返して下さい。 (注2)本記事は、以下のTotK批評記事のネタバレ部分のみ切り出した形式のものです。 両方お読み頂くと、より理解が深まると思います。 軽く↑の記事で説明した前提だけ共有しておくと、私は「BotW以前の3Dゼルダが大好きだった、BotWはちょっと自分の期待と違う方向に行ってしまった」と思っていたプレイヤーでした。 では、ここに残っているのはゼルダTotKをクリアした人だけだと思って、存分にネタバレを含めて解説していきます。 遥か空中で「私にできることがある」と直感した唯一無二の体験Tears of the Kingdomのラストバトルの最終盤の黒龍戦。 魔王ガノンドロフが秘石を飲み込んで

                                          【ネタバレ全開】ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomをクリアした時の感動は、何だったのか|じーくどらむす
                                        • 宮﨑駿『君たちはどう生きるか』を観て - 内田樹の研究室

                                          私は宮崎駿の映画のかなり熱烈なファンである。これまでいくつかの宮崎駿作品について映画評を書いてきた。宮崎作品を観た後は、いつでも語りたいことが湧き上がってきて、語らずにはいられないのである。 今回の『君たちはどう生きるか』についても、何かを語らずにはいられないことに変わりはないのだが、それはこれまでのように自分が観た映画について語ることを通じて「さらなる愉悦」を引き出すためではない。「これは一体どういう作品なのか」を何とか言葉にしてみないと、自分が何を観たのかがよくわからないからである。 これまでの宮崎作品なら、物語は完結し、ラストで伏線は回収され、映画の「メッセージ」も別に解釈の手間をかけずにもすんなりと伝わってきた。映画を楽しむためには、それで十分だった。そして、映画をたっぷり楽しんだ上で、「果たして物語はあれで完結しているのか?」「伏線はほんとうに回収されているのか?」「あんな『わか

                                          • 鳥山明逝去、に寄す - king-biscuit WORKS

                                            ● 今こそ、ドラゴンボールを集めに行かねばならん――わが国のみならず、世界中がそう思ったようです。 鳥山明急逝の報がweb環境を介して瞬時にかけめぐりました。享年68。急性硬膜下血腫とのことでしたが、その衝撃は国内もさることながら、むしろそれ以上に世界規模での反応の大きさが伝わってくることによって、戦後の過程で高度経済成長の「豊かさ」を原資として結実させていった、でも、実はそれらについて本気でそう深く考えてもこなかったある種の「文化」が、知らぬ間に持ってしまっていた現実的な力量について、われわれ日本人に思い知らせることにもなりました。 鳥山明というと、自分などは、どうしても「まんが家」としてまず認識してしまっています。「ドラゴンボール」以降の、ジャンルも国境もかろやかに超えたすさまじい確率変動ぶりと共に育った若い世代にとってはそんなこじんまりした印象ではないらしいのですが、さりとてこちとら

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                                            • 映画「君たちはどう生きるか」を評価する - 紙屋研究所

                                              2回見た。1回目は一人で。2回目は家族で。 これは間違いなく、宮崎駿の最後の作品であろう。と予感した。 「まーた、これで最後最後詐欺だろ」という声も聞こえてきて、実際にそうかもしれないけど、そこが問題なのではない。 現在82歳となった宮崎駿。彼にとって、最後の作品が「風立ちぬ」(2013年)ということであったのだが、彼はこれではいけない、と思ったに相違ないのだ。知らんけど。 ぼくは10年前に「風立ちぬ」をかなり厳しく批判した。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 「風立ちぬ」は一言で言えば「人間はそれぞれの時代を、力を尽くして生きている」として、「全体には美しい映画をつくろうと思う」という意図を貫いた映画となった。逆に言えば零戦を開発したという戦争の負の側面は糾弾されることもなく、あるいは何か昇華されることもなく、ただ不問に付されて終わってしまったのである。別にドキ

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                                              • ブレワイ&ティアキンの建築物を見てみる回|すい

                                                こんにちは。初めてnoteを使います。使い方がいまいちわかりません。最近撮ったナイスな写真を表紙にしました。なにも建築に関係がありません。そんなのでええんか??ていうか一体何文字まで書けるんでしょうか。よく分からないので行き当たりばったりで行かせていただきますよ!!!! 概要 動機など  こちらはハイラルの建築物についてお話するnoteです。私は以前ハイラル城について建築様式や家具などからお城を深堀りしたものをTwitter(Xって何ですか?)に出しましたが、今回は違います。何を取り扱うかというと、ハイラルの各地に転々と広がる残存した建築物についてです。 なぜこんなことをしているかというと、2月某日のイベントのときに博識フォロワーのカムラさんが私にハイラルの建築様式にはいつくかタイプが存在すること、いたるところに気になる建築物が存在していることなどを教えてくださったのがすべての始まりです。

                                                  ブレワイ&ティアキンの建築物を見てみる回|すい
                                                • ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomが取り戻した「アタリマエ」だった3Dゼルダの魅力|じーくどらむす

                                                  ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomを、100時間かけてクリアした。その時の感動は忘れがたく、プレイヤーとしての満足感とともに、一人のゲームクリエイターとして、「こんなものを見せられて、俺はこの後いったい何を作ればいいんだ?」と、打ちのめされる感覚すら覚えた初めての体験だった。 Tears of the Kingdom ようやくクリアしました。 完全に打ちのめされました。 — じーくどらむす/岩本翔 (@geekdrums) June 3, 2023 まずこの記事ではネタバレはしない。ネタバレが含まれる批評については、別記事に分けたうえでそのリンクを貼るので、未クリアの方も安心して読み進めてほしい。 ただそうなると、絶賛部分がほとんどネタバレ含む別記事に取られ、道中の体験を記す本稿においては「自分はこうじゃない方が良かった」という、いわゆるnot for meな点にも言及

                                                    ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomが取り戻した「アタリマエ」だった3Dゼルダの魅力|じーくどらむす
                                                  • 【傑作】劇場版『パトレイバー2』は何が凄い? 小泉悠&高橋杉雄&太田啓之が押井版「パト2」への偏愛を告白

                                                    ▼本編(114分)フル視聴は以下のURLから(「文藝春秋 電子版」初回登録は「月あたり450円」から) https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h6051 【フル動画】小泉悠×太田啓之×高橋杉雄「アニメの戦争と兵器」 ▼「文藝春秋 電子版」掲載のテキスト記事はこちら 小泉悠×高橋杉雄「ウクライナ戦争『超精密解説』」(2023年5月号掲載) https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h5941 太田啓之「《語り残した事は多い》宮﨑駿が漫画版「ナウシカ」に描いた“最後の1コマ”の真意とは?」 https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h6151 小泉悠×高橋杉雄「ウクライナ戦争『超精密解説』」(2022年9月号掲載) https://bunshun.jp/bungei

                                                      【傑作】劇場版『パトレイバー2』は何が凄い? 小泉悠&高橋杉雄&太田啓之が押井版「パト2」への偏愛を告白
                                                    • 介護されたい高齢オタクを引っかける釣り針がすごい──『葬送のフリーレン』 - シロクマの屑籠

                                                      これから書くことは『葬送のフリーレン』評ではない。なぜなら『葬送のフリーレン』という厚みのある作品の全体像をうんぬんするものでなく、作品のごく一部、作品に仕掛けられている数ある釣り針のひとつに注目し、「これは介護されたい高齢オタクが釣られるしかない、見事な釣り針ですなぁ」とテカテカする趣向のものだからだ。 釣り針というのは他でもない、『葬送のフリーレン』が、介護されたい高齢オタクが過去と現在に思いを馳せて願望するのに都合良い作品としてつくられているからだ。繰り返すが、『葬送のフリーレン』の魅力はそれだけじゃない。エルフと人間の寿命の差や時間感覚の差、勇者の遺したもの、人類の英知と技術革新etc...、そういったものを支える作者の洞察の泉はどうなっているんだろう? と惚れ惚れしてしまう。ただ歳月を感じさせる作品でなく、まして寿命チートを連想させる作品では決してなく、歳月の果てにしか宿らない旨

                                                        介護されたい高齢オタクを引っかける釣り針がすごい──『葬送のフリーレン』 - シロクマの屑籠
                                                      • 精液を飛ばしあうシーンに「ヒドすぎる」の声も…研究者が分析する『ゴールデンカムイ』の下ネタ、“本当の役割” | 文春オンライン

                                                        しかし、こういった個別の性的表現に対して簡単に「これはよい、あれはだめ」と言えるほど単純な話ではない。 筆者は主にポピュラー文化を対象とする表象文化論研究者だ。 今月刊行予定の学会誌『表象』に掲載される拙論「刺青に突き立てられる刃:『ゴールデンカムイ』における皮膚上の記号作用とギャグの機能」をもとに、今回は『ゴールデンカムイ』という作品の中で性的表現が作品全体の構造とどのように関わるかを考えてみよう。(全2回の1回目/続きを読む) 『ゴールデンカムイ』における「刺青」の意味 まずは、『ゴールデンカムイ』の物語を動かす仕掛けである暗号の刺青に注目しよう。 タイトルに「ゴールデン」とあるように、同作の登場人物たちがアイヌの隠した黄金を求めて争うことで物語は動きだす。黄金の隠し場所は網走監獄を脱走した囚人たちに暗号として施されており、登場人物たちはこの刺青を持った囚人たちを探すことになる。 刺青

                                                          精液を飛ばしあうシーンに「ヒドすぎる」の声も…研究者が分析する『ゴールデンカムイ』の下ネタ、“本当の役割” | 文春オンライン
                                                        • なぜ『F-ZERO 99』はレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言えるのか?

                                                          ならば、書かねばならない。『F-ZERO 99』がレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言える理由を。 「リスクとリターン」を中心に据えた見事なルール 『F-ZERO 99』は、1990年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『F-ZERO』にバトロワ要素をかけあわせた新作である。 ルールはシンプル。99人のプレイヤーが同時にレースを行い、1位を目指すというものだ。しかし、互いのプレイヤーは当然ながら邪魔をし合うわけで、トップになるのは容易ではない。 基本システムで特に秀逸なのが画面右上にある「パワーゲージ」だ。これはプレイヤーの体力であると同時に、ブーストゲージでもある。なくなればブーストができなくなるだけでなく、ほかのマシンにやられてしまう可能性が出てくるわけだ。 虹色のものがパワーゲージ。その下にあるのが「スカイウェイ」を使用するためのゲージだ(詳しくは後述)。 パワーゲージ

                                                            なぜ『F-ZERO 99』はレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言えるのか?
                                                          • 序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま

                                                            機動戦士ガンダム、伝説巨神イデオン、Gのレコンギスタ……。数々の作品を手がけて熱狂的ファンを生み出してやまない富野由悠季とはどんなアニメーション監督か。「演出の技」と「戯作者としての姿勢」の二つの切り口から迫る徹底評論! 書籍化にさきがけて、本論の一部を連載します。  (バナーデザイン:山田和寛(nipponia)) アニメーション監督として語るための2つの切り口 アニメーション監督・富野由悠季について考えたい。ここで重要なのは、この言葉で比重がかかっているのは「アニメーション監督」のほうで、決して「富野由悠季」個人のほうではない、ということだ。富野由悠季という「アニメーション監督」は、その存在感の大きさに比して、十分に語られないうちに長い時間が経ってしまった。 富野は、TVや新聞雑誌などマスメディアに登場することが多いアニメーション監督だ。人気者といってもいいだろう。書籍に関しても、批評

                                                              序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま
                                                            • 「ゼルダ」が達成できなかった「オープンエアのストーリーテリング」を達成した『Outer Wilds』――2023年を振り返る個人GOTY:お茶缶

                                                              2022年の個人GOTYはその年に発売していないゲームばかりになってしまったけれど、2023年は本当に豊作だったので、そもそも10本を選出することにとても苦労した。ここに選出しなかったものも含めて、面白いゲームが本当にたくさんあった。 けれど、それでも結局、2023年の私の脳内は「ゼルダ、ゼルダ、ゼルダ」だった。私が最も好きなゲームシリーズである「ゼルダの伝説」の最新作であり、世界的な高評価を受けた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編である『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』がついに発売したのだから、仕方がない。 発売前も、発売後も、他のゲームを遊んでいるときも、記事を書いているときも、新たな「ゼルダ」をどのように受け止めるかということでいっぱいだった。とにかく、TOP10は以下の通りだ。 『Outer Wilds』 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キング

                                                                「ゼルダ」が達成できなかった「オープンエアのストーリーテリング」を達成した『Outer Wilds』――2023年を振り返る個人GOTY:お茶缶
                                                              • ハヤカワのオススメ本12冊+α(〜12/1 kindle版セール中)2023.11/30更新 - 沼の見える街

                                                                [2023年11月30日更新] ハヤカワがまたkindle本の大規模セールをやっている(今回はブラックフライデーセールで12/1までとのこと)。 amzn.to 私もハヤカワの本が好きで、面白かった本をよくオススメしてるのだが、セールのたびにいちいち紹介するのも面倒なので、広くオススメできそうな本をまとめておく。 ちなみにハヤカワといえばSFの印象があるだろうが、私はけっこうノンフィクションに偏っているので、単純に面白かった本をフィクション/ノンフィクション問わずごちゃまぜで紹介したい。タイトルで10冊といいつつ上下巻やシリーズも1冊扱いで、関連書もちょいちょい並べてるので明らかに数十冊はあるが…。ついでなのでその他のオススメ本も軽めに紹介しとく。セール時はどれもだいたい半額なので買っといて損なし。 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 『イヌはなぜ愛してくれるのか 「最良の友」の科学』 『

                                                                  ハヤカワのオススメ本12冊+α(〜12/1 kindle版セール中)2023.11/30更新 - 沼の見える街
                                                                • 富野由悠季「AIが書く小説は安いエロ本。人間の感度はかぎ分けてしまう」ChatGPTはエンタメの脅威にはならない|概要|インタビューサイト 双葉社 THE CHANGE

                                                                  1979年に『機動戦士ガンダム』で、ロボットアニメの世界にリアリティを取り入れる新しいジャンルを生み出した富野由悠季監督。82歳にして、今なおアニメの最前線で挑み続ける富野監督のクリエイティビティの源はどこにあるのか。東京・杉並のバンダイ…

                                                                    富野由悠季「AIが書く小説は安いエロ本。人間の感度はかぎ分けてしまう」ChatGPTはエンタメの脅威にはならない|概要|インタビューサイト 双葉社 THE CHANGE
                                                                  • 『水星の魔女』はなぜエポックな作品なのか? (1/3)

                                                                    アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんをお迎えして、ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を語る前後編。ファーストガンダムでは「中の人」として関わった経験を持つ氷川さんは、SNSでのバズが途切れない新しいタイプのガンダムをどのように捉えているのでしょうか 後編はこちら ここまで皆が一喜一憂するガンダムは初めてかも まつもと 今回は「氷川竜介さんと語る『水星の魔女』」ということでお話をうかがっていきたいと思います。氷川さんよろしくお願いします。 氷川 はい、よろしくお願いいたします。 まつもと 今日のお品書きは下記の通りです。さっそく1つ目のコーナーに参りたいと思います。「『水星の魔女』はなぜエポックな作品なのか?」。 バンダイだけどエポックなのはさておき……氷川さんと私はFacebookでつながっているのですが、先日『水星の魔女』について氷川さんが、「まるで初孫が産まれたような不

                                                                      『水星の魔女』はなぜエポックな作品なのか? (1/3)
                                                                    • 小説の欠点は構造を明確に記述するのが苦手なところだと思う

                                                                      だから各人に勝手に解釈されたら成り立たない「〇〇館の殺人」みたいな推理ものでは間取り図がついてたりする ほんとは家の間取りなんかは大筋に影響なかったら曖昧にしといてもいいんだけど、 自分で書くときは結構ムキになって書き込んでしまう 玄関を入るとまっすぐ廊下が伸びており、左右に二枚ずつドアが並んでいる。扉の形状から右の二枚は水回りで手前がトイレ、奥が浴室だろうと予測する。左手手前のドアは開け放たれていて小さな居室が見えている。ピンク色のランドセルと整頓された学習机から、子供部屋であることがわかる。その並びに引き戸があり、これはどんな部屋か見当がつかない。足音を立てぬように老化を進む。突き当りには扉がなく北欧デザインの暖簾がかかっている。しかしそれを潜るのは躊躇われた。酸化した血液の粘度のある臭いがねっとりと漂ってきたからだ。 みたいな ほんとは要らないんだこんな文章は、でも難しいから逆に頑張

                                                                        小説の欠点は構造を明確に記述するのが苦手なところだと思う
                                                                      • バービーと原爆:「#Barbenheimer」が浮き彫りにした「軍事」と「フェミニズム」という難問 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

                                                                        Photo by Ian Waldie/Getty Images / CORBIS/Corbis via Getty Images ファッションドールの世界を実写化した、グレタ・ガーウィグ監督による2023年最大の話題作『バービー』が日本でも公開スタート。内容が気になりすぎるあまり、先に公開されたアメリカでの考察記事やネタバレ動画を隅々までチェックしてきた若林恵(黒鳥社)は、もちろん本作を公開初日の朝イチで鑑賞。勢いそのままに本稿を書き上げた。“原爆の父”と言われた科学者の伝記映画『オッペンハイマー』(日本公開未定)が、本国で『バービー』と同時公開されたことから生まれたネットミーム“Barbenheimer(バーベンハイマー)”を巡る考察。先日の騒動が浮き彫りにしたものとは? 「被曝」をめぐる嘘 この8月7日に、78年前の広島、長崎への原爆投下に関する新たな情報が、ジャーナリストや研究者に

                                                                          バービーと原爆:「#Barbenheimer」が浮き彫りにした「軍事」と「フェミニズム」という難問 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
                                                                        • 『チェンソーマン』外国人が語る 三鷹アサ という現代少女の象徴

                                                                          『チェンソーマン』の舞台は日本であるが、この作品に登場するアサの抱える問題は、国や文化や世代を問わず、広く共感されている。 incredibly yoshidapilled @bpdasa I truly have to applaud Fujimoto for his writing of Asa Mitaka. It’s been a while since I have seen such an inspired character and truly excellent writing of a teenage girl in a shonen manga 🧵 pic.twitter.com/IPCxRAEwqz 2023-06-29 04:20:22

                                                                            『チェンソーマン』外国人が語る 三鷹アサ という現代少女の象徴
                                                                          • 「ダンジョン飯」は、単行本1巻が出たときに買って読んでからずっと追っていたが、アニメ放映中にあらためて通読し、色々とすごいマンガだと思う。特にあげたいのが、さじ加減の主役設定なのに骨太なストーリー構想力、「食べるとは何か」という哲学、筋立ての緻密なまでの完成度の高さという3つの話

                                                                            小森健太朗@相撲ミステリの人 @komorikentarou 「ダンジョン飯」は、単行本1巻が出たときに買って読んでからずっと追っていたが、アニメ放映中にあらためて1巻から最終巻まで通読した。で、これは色々とすごいマンガだと思う。特にあげたいのは、以下の三点。 2024-03-26 23:40:52 小森健太朗@相撲ミステリの人 @komorikentarou ・ライオスは普通には共感しづらい性格設定なので主役にはならないタイプ。悪役とか憎まれ役でもなく、熱血漢・正義漢でもなく、共感しやすい無個性型でもなく、成長型でも努力型でもない。こんなさじ加減の主役設定をおけるのは作者のストーリー構想力がよほど骨太。 2024-03-26 23:41:04 小森健太朗@相撲ミステリの人 @komorikentarou ・物語の後半にいくとわかるが、「食べるとは何か」という哲学的な問いかけがテーマとして

                                                                              「ダンジョン飯」は、単行本1巻が出たときに買って読んでからずっと追っていたが、アニメ放映中にあらためて通読し、色々とすごいマンガだと思う。特にあげたいのが、さじ加減の主役設定なのに骨太なストーリー構想力、「食べるとは何か」という哲学、筋立ての緻密なまでの完成度の高さという3つの話
                                                                            • スタジオジブリのアニメは、欧米による「日本の見方」を変えてきた | 敵ではなく、夢を見せる国としての日本

                                                                              犯罪率が低く、モノづくりによって成長を遂げた経済大国であり、いまは少子高齢化が止まらない国──世界は日本に対してそんなイメージを抱えているだろう。 だが、世界の「日本」に対する印象に大きく関わってきたのは結局、アニメや漫画などの「ファンタジー」なのかもしれない。なかでも80年代、スタジオジブリが欧米の若者に与えた影響について、英メディア「アンハード」が報じた。 日本は「夢の工場」だった インターネットの登場以前、米国のティーンがアニメを見るには「違法な手段」に訴えるしかなかった。海賊版ビデオカセットはファンのあいだで、まるで「見るドラッグ」みたいに流通していたのだ。 新しいアニメの発見は、小さな啓示みたいだった。未知の国に一歩足を踏み入れたようだった。彼方の国である日本について私が知っていたことといえば、祖父の語る戦争の話と、夕方のニュースで流れる暗い話に限られていた。 80年代は、日本と

                                                                                スタジオジブリのアニメは、欧米による「日本の見方」を変えてきた | 敵ではなく、夢を見せる国としての日本
                                                                              • 「作劇の異様なドライさを感じる」ドラゴンボール原作では大きな感情の処理が短く終わっていて、それが1コマの情報量とテンポの良さに繋がっている

                                                                                汚泥灰 @pesopesojamp 「大好きなじいちゃんを踏み潰して殺したのは自分自身だった」とかいうトンデモ真実を知らされたことによる感情の処理が1コマで終わってるの、ドラゴンボールの作劇の異様なドライさを感じる pic.twitter.com/PB5jH6t8Mt 2024-03-03 09:03:15

                                                                                  「作劇の異様なドライさを感じる」ドラゴンボール原作では大きな感情の処理が短く終わっていて、それが1コマの情報量とテンポの良さに繋がっている
                                                                                • 『アリスとテレスのまぼろし工場』は、『花咲くいろは』のやり直しなんじゃないかという話

                                                                                  『アリスとテレスのまぼろし工場』を鑑賞して、自分の中で岡田麿里の評価が爆上がりしている今日この頃です。 岡田麿里という作家に何か思いれのある人は絶対に見るべき作品だと思いますし、90年代を生きていたオタクにはできれば見てほしい作品です。 そして今回は、その感想ではなくて、『アリスとテレスのまぼろし工場』という作品は、実質的に『花咲くいろは』のやり直しなんじゃないかという話を書きます。 『花咲くいろは』とは、2011年に放送されたオリジナルテレビアニメで、同時期に放送された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』と共に、脚本家としての岡田麿里の名声を決定づけた作品であります。岡田麿里にとって、キャリア初期のオリジナルアニメであり、作家としての根っこの部分が見えた作品でもあると思います。 この話題を語るうえで、『アリスとテレスのまぼろし工場』と『花咲くいろは』のネタバレをしまくります。 そ

                                                                                    『アリスとテレスのまぼろし工場』は、『花咲くいろは』のやり直しなんじゃないかという話