ITの分野で注目を集める「ビッグデータ」。多種多様なデータを分析して価値を見出そうというこの考え方に、早期から取り組んでいる企業の1つがJR東日本ウォータービジネス(JR東日本WB)だ。JR駅構内の飲料水ビジネスを手がける同社は2010年から、数千台の自動販売機で集めた大量のPOSデータを分析し、商品開発や販売戦略に役立てている。 その成果の1つが、2012年にリニューアル発売したペットボトル入り飲料水「フロムアクア」だ。同社は4500台(当時)の自販機で集めたデータを基に「フロムアクアは移動中に飲まれている場合が多い」という仮説を立て、片手での飲みやすさを重視して“落ちないキャップ”を開発した。それを用いたリニューアル後、フロムアクアの年間売り上げは従来比で1.5倍に増えたという。 「いまや、どんな施策を行う際も必ずデータをチェックしている」と話すのは、JR東日本WBで営業本部長を務める