法律家への狭き門・司法試験。その問題を長年つくり続けてきた憲法学の第一人者が、教え子の女性に試験問題を漏らしたとして在宅起訴された事件は、世間を驚かせた。元教授はなぜ、一線を踏み越えたのか。 東京・霞が関の東京地裁では10日、司法試験漏洩事件の傍聴券を手に入れようと300人近い人が列をなした。高倍率の抽選に当たった人ら約40人で傍聴席が埋まる中、明治大法科大学院元教授青柳幸一被告(67)は濃紺のスーツに青いネクタイ姿で入廷。検察官が起訴状を読み上げるのを、証言台の前で少しうつむきながら聞いた。 今年2月上旬から5月上旬にかけて、自ら作成した憲法分野の短答式(マークシート)と論文式の司法試験の問題を事前に20代の女性に漏らしたとする国家公務員法(守秘義務)違反。 裁判官に認否を問われると、元教授は少し高い声で「間違いありません」と罪を認めた。 元教授は明治大法科大学院で教鞭をとる一方、10年