全文読んだが、歴史研究的にはどう考えても非実在の神武天皇の存在を「そういう考え方があってよい」とかいう理由で議論を避けて肯定した上憲法改正に反映させるってんだから、UFO実在論者に自衛隊を預けるようなもの 政治 歴史認識 三原じゅん子
以前「はてなハイク」で2016年3月頃に書いていた内容の再録。 劇場版で西住まほが作戦名に「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦」と提案して「長い!」と一蹴されているシーンがあるけれど、あの作品はこのシリーズと通底する主題を扱っているので、なかなか脚本の選択が渋い、というお話はもっと誰かが論じても良いところだろうと思う。 親方の娘エヴァは歌合戦の勝者と婚約することになったので、エヴァと相思相愛の騎士ヴァルターはマイスタージンガーとなるべく親方たちの審査を受けるが、型破りなヴァルターの歌いぶりは保守的なベックメッサーをはじめとする親方たちに拒絶されてしまう。一人、ハンス・ザックスだけは彼の歌の真価を認め、彼を歌合戦に出場させマイスタージンガーとしての栄冠を勝ち取らせることに尽力しようとするが…。 これは結構西住流や戦車道の王道云々という話と、みほの型破りな「私の戦車道」に近いのではないかと
防衛省日報問題に関する今週の報道は、かなり衝撃的で驚くべき内容であったと考えます。 しかしながらウェブ上には何とも、雑といって良いような擁護論が観られましたので、それへの批判を兼ねて少し会議録を辿って分かったことについて記しておきましょう。 国会審議で言えば2月8日に始まり2月下旬までの時期、この段階を第1段階と整理すると、問題になっていたのは1つには情報開示請求後に敢えて日報を破棄し隠蔽していたのではないかという点と、2つには稲田大臣の再調査による結果判明と報告が遅すぎるのではないか、の2点で在ったと言えます。 これについて稲田大臣は、<1>請求時点では既に廃棄されており、文書規則上保管義務は無かった、<2>については今後の改善事項とする、という線で答弁を行っていました。 この段階での攻防の具体例は資料編の(1)-(5)にざっと挙げておきましたので御参照下さい。 ところが3月15日の報道
まあ完全に不見識な発言と言う他ありますまい。 毎日新聞の報道がどうも一番詳しいようです。インバウンド:山本地方創生相「学芸員はがん。一掃を」 - 毎日新聞 まあ冒頭からいきなり「講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各地の優良事例を紹介」でズッコケる訳ですが、 山本氏は京都市の世界遺産・二条城で英語の案内表示が以前は無かったことなどを指摘した上で、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」と述べ、学芸員を批判した。 はもう完璧に論外です。 この毎日の記事の末尾で取材を受けた学芸員が、 「観光のための文化財活用と文化財保護をいかに両立するかが大事な視点だ。観光に重きを置いている最近の国の風潮を象徴している発言だ」 と述べているのはごく一般的な見方で、文化財の活用は常に文化財の保護との相反という問題を
過去3度の記事でも延々書いてきたことであるが、この事件は動きがあればある程、予想を上回る事態が起こり、全く閉口したくなる憂鬱な気分で記事を書くことになる。 既に3度の記事で提示した視点を再提示するものに過ぎないが、今この時点で改めて書きたいという心情の赴くままに書き連ねることにも多少の意味はあると考えて、以下の文章を記した。正確性を欠く面もあるやもしれないけれど、読者諸賢の御批判をお待ちしたい。 日本将棋連盟の設置した第三者委員会は、三浦弘行九段の不正疑惑について、不正行為に関する証拠が不十分で不正の事実を証明することが出来ないとする旨の調査結果を公表した。 このこと自体は、当方が何度か論じてきたことであるが、筋が通っていて、一連の事態の中では丸山忠久九段の筋の通った意思表示と共に、数少ない真っ当な判断であろう。 しかし第三者委員会は、竜王戦前の不十分な証拠での処分を「妥当」と判断している
早いもので1年が過ぎてしまったけれど、DG-Lawさんが松江市美保関の旅館で発見された、加藤寛治の1929年の美保関滞在について (http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52299815.html)。 「しかし,加藤寛治ってひょっとして美保関事件の時の滞在なのでは……昭和4年だから違うか。逆に言ってよく泊まりに来たな。」 とはDG-Lawさんの感想で、それを読んだ私も全く同じような感想だった。そもそも私の場合、美保関と聞いても連合艦隊の演習事故しか浮かばなかったし、美保関事件を最初に知った阿川弘之『軍艦長門の生涯』上、新潮文庫、1982年(http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN01498398、艦隊これくしょんの波に乗ってしれっと復刊しないかな)では、事故時の連合艦隊司令長官である加藤と連合艦隊参謀長だった高橋三吉海軍少将については
10月12日夕刻、まず三浦弘行九段の12月末までの出場停止処分と丸山忠久九段が代わって挑戦者として竜王戦に出場する旨の第一報の記事が発信され、同日夜間には日本将棋連盟常務理事の島朗九段による会見での説明が詳報された。 報道されている範囲で島常務理事の会見内容を概観すると、 今年夏以降の三浦九段の対局時の行動にスマホの不正使用についての疑義があり、理事会で三浦九段に対する聴取が行われた。 その際三浦九段は不正を否定すると共に、疑惑をもたれたまま対局することは出来ないとして休場を表明した。 その翌日を休場届の提出期限としていたが提出が為されなかったことから、理事会は三浦九段を12月31日までの出場停止処分とした。 三浦九段が挑戦者となっていた今月からの竜王戦七番勝負には、三浦九段に挑戦者決定戦3番勝負で敗れた丸山九段を代わりに出場させることを決定、主催紙の読売新聞社にも了承を得た。 不正使用に
ことの発端は、NHKのこちらの報道だった。 はてなブックマーク - 子どもの貧困 学生たちみずからが現状訴える | NHKニュース しかし、「本人とされるtwitter」に基づいて、「報道された女子高生が貧困ではない」「NHKの捏造である」等々の言説が『保守速報』などインターネット上の各サイト等に出回り、遂には片山さつき自民党参議院議員がNHK側に説明を求めることを言明するという事態に至っている。 このような言説、特に似非保守的サイトとしてある意味著名な『保守速報』のそれについては、既にid:hokke-ookami氏による反批判記事アニメーター志望だった母子家庭の高校生に対して、画材を購入する余裕があるから貧困ではないという保守速報は、今の日本の象徴なのだろう - 法華狼の日記がある。 私としては、どちらかと言えば政治問題として片山議員の言動に絞って批判を加えることが、女子高生の基本的人
稲田朋美防衛大臣の8月4日午後の就任会見については、各種媒体で報道も為されているし、防衛省側でも会見の文字起こしを防衛省・自衛隊:防衛大臣臨時記者会見 平成28年8月4日(17時14分~17時42分)として公開している。 既に稲田朋美防衛大臣が、誤解を払拭したいと語った直後、持論の封印に失敗 - 法華狼の日記という記事で、id:hokke-ookamiさんも全般的な問題点と、稲田防衛相の「百人斬り」事件に関する認識について批判を加えている。 はてなブックマーク上でも既に数か所で議論が為されているが*1、稲田防衛相への歴史認識関連の質問を行ったメディアを批判し大臣の回答を評価する意見まで見られ、当方としてはむしろ各メディアの質問はなお不足気味であるという前述のhokke-ookamiさん記事に賛同しているくらいなので、以下では思いつく関連質問を数点あげ、稲田防衛相への疑問を提示しておく。 Q
目黒考二『笹塚日記 ご隠居篇』本の雑誌社、2007年 1冊の本として読むのは、実は意外に難しいのかもしれない。何しろ3月から読みだして、読み終わったのが7月だったりする。 『本の雑誌』に連載されていたこの日記、毎月連載されていた際の1月分が実に妥当だったのだと思えるくらいに、その1月分を超えて一気に読むことがなかなか出来ない。 実に見事なまでに変化に乏しいのが魅力であり、本を読み買い物をし料理をし本の雑誌社に顔をだし本を読んだまま寝て週末は競馬へ、というこの単調さが実に良い。 今回読み返して印象的なのは、笹塚の著者の部屋が本の雑誌社のビルの上階だったということで、社員たちと接する場面が意外に多い。浜本・杉江・松村・浜田・藤原と、今私は本を開かずに社員たちの名前を挙げたのだけれど、ホンの一行か二行断片的な言及がなされる社員たちがまた、結構強い印象を残していたりする。 反面、何十冊と取り上げら
酒見賢一『後宮小説』新潮文庫、1993年 これもまたまたid:Mukkeさんの本棚企画で挙げられていた1冊。今年は『ルバイヤート』に始まり、読了本への氏の影響が結構顕著な年なのかもしれない。 ここで取り上げる順番は前後するけれども、当方が小野不由美の「十二国記シリーズ」を読み切ってさて何か更に読みたいなあとなった時に、「日本人が書いた三大中華ファンタジー」として氏が紹介しているのが目に留まり、更に良い時機に入手できたので、この間読了。 読み終えて私は、これは人に薦めるか、もう人にも薦めることはないか、の二択で言えば確実に前者であっただけに、ウェブ上での感想には意外に否定的な意見も多く、そちらはそちらで分からなくもない。 少し辛辣なことを言えば、本書は期待を大きくして自室で勢い込んで読むと、前半の展開を退屈に感じてしまい、結果的に読了出来ないで終わったかもしれない。読了してこそ面白みの伝わる
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015083002000118.html で言及したところ、意外に知られていない様子だったので、朝日新聞アエラ編集部『創価学会解剖』朝日文庫、2000年から紹介しておく。 自民党の一部が、新進党と創価学会との関係を批判する一方で、選挙のため創価学会との関係を保つ議員も多いという、1990年代の状況。 (前略)秋谷会長は、村山が退陣した翌日の一月六日の本部幹部会で、 「村山首相が五日に退陣し、宗教弾圧をたくらんだ村山四月会内閣が崩壊しました」 と語り、盛大な拍手を浴びた。 「四月会」は九四年六月、創価学会に批判的な識者や宗教関係者で結成され、自社さ議員らが支援していた。学会の活動を「政教一致」「政治に対する宗教の介入」などと激しく非難、学会の活動を「
遠山茂樹『歴史学から歴史教育へ』岩崎書店、1980年 この論文集に収録されている論文や講演記録は、主に1950年代・1960年代に書かれたものが中心となっている。 本書の構成をみると、冒頭の著者自身による「歴史教育論への私の立場-『はしがき』に代えて」にせよ、巻末の加藤文三による解説にせよ、1970年代末の時点から「戦後歴史学」や戦後の歴史教育をたどろうという発想が強い。出版された段階で既に、史学史的・古典的な著作という位置づけだったことが伺える。 ただ、本書は2010年代の現在においてもなお、歴史教育論の重要な著作足りえている。数年前に一部を読み、今回ようやく読了した評者が言えたことではないかもしれないけれども。 そもそも「古典」というのは単なる懐古趣味によってでなくて、時代を超えて現在の凡百の書物を吹き飛ばすだけの生命力を有することによって初めて「古典」足りえるのだから、今更言うまでで
『シリーズ大学6 組織としての大学 -役割や機能をどうみるか』岩波書店、2013年 まず編集委員の一人である広田照幸が「序論 大学という組織をどう見るか」で書いているように、とかく大学組織を民間企業と同一視して経営改革を求める議論が一般には強いけれども、意外に大学という組織は複雑で階層的な構造を持っているということは案外認識されていない。それぞれの分野の専門家としての教員が居て、その教員達の所属している講座や学部(部局)があって、教授会等の教員集団による機構と学長以下の経営陣とが並列しているという具合に、教員の組織だけでも結構複雑であるということが提示される。 その教員集団に加えて、学生が居り、事務職員が居り、更に大学外から文部科学省や自民党文教族、財界といったところが影響を与えてくるという、大学組織の内外を論じた巻ということになる。 江原武一「1 大学と国家・市場」は、一言で言えば近年の
『シリーズ大学1 グローバリゼーション、社会変動と大学』岩波書店、2013年 シリーズ出版当初に関心は持ったのだけれど、率直に言ってさほど積極的に読む気はしなかった。目次を見て、高等教育論が専門でない人間にとっては、いささか冗長な構成に感じられたところがあったからと言える。 ただ現時点では、大学を研究対象とする教育学・高等教育論よりも幅広い分野の読者が、大学について考える上で結構役立つシリーズだという風に思っている。 全7巻のうちの第1巻で、去年一度第6巻を読了しているけれども、総論的なこの巻を初めて通して読んでみた。 編集委員でもある吉田文と広田照幸の論考が中心となっている。 まず序論も書いてる吉田の「1 グローバリゼーションと大学」は、世界的なグローバリゼーションの状況の中に大学を位置付けて、一国という枠をこえた世界の状況を批判的に検証しつつ概観してみせる。OECDや世界銀行などの国際
稲田義智『大学入試問題問題シリーズ1 絶対に解けない受験世界史:悪問・難問・奇問・出題ミス集』社会評論社、2014年 1.はじめに こちらの1冊に関しては、昨日一応の「書評」を既に書いてみたので(http://d.hatena.ne.jp/shigak19/20150705/1436034081)、今回は前回書き落としてしまった、やや細かい話を中心に綴っていくこととしたい。 前回の記事は、まだこの本を読んでいない層を念頭において書いたのだけれども、以下の記事はいわゆる「ネタバレ」を前提に、むしろ本書を読んだことのある層に向けての記事であることを最初にお断りしておく。未読の方は、まずはご一読あれ。 …と書いておいて早速物言いが付きそうだけれど、当方のはてなブックマークを読んでいた層からすると、「何だ、君は著者のid:DG-Law氏や、本書に関わっているid:Mukke氏から普段スターを貰い、
前回の「本棚を撮影してみる」、まさかまとめ記事に入るとは思いませんでしたし、本棚記事を呼び掛けられたid:Mukke氏等からもブックマークでコメントを頂戴しました。 他の方の本棚記事と比べるならば、id:katagiriSo氏の率直なコメント「本の向きがおかしい。。」という点が最大の特色であったようです。単にいい加減な取扱いが反映されているだけという感もありますけれども。 今回は、床に積まれていた積読本の方を撮影してみました。 発端となったMukke氏の記事(http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20141120/1416471369)以来、他の方の記事が体系的な本棚を中心としていたことから、まあ混沌とした無秩序ぶりを記録することにも多少の意義はあるのではないか、と感じたことと、この際本自体の整理と未読本の再認識には、むしろ積読本を取り挙げた方が自身にとっては有益だろうと
小森健太朗・遊井かなめ編著『声優論 アニメを彩る女神たち 島本須美から雨宮天まで』河出書房新社、2015年 本書は単著としては恐らく第一号と言って良い、声優に関する評論集。 これまで声優に関する本と言えば、まずは声優自身による自伝的な本の系譜があり(例えば小原乃梨子『声に恋して』小学館文庫や永井一郎『朗読のススメ』新潮文庫)、第三次声優ブーム以降には人気声優たちのエッセイ集も出版されていた。 そしてそれらと重なる形で、声優という職業とその技術について紹介する本が多く出版されてきたというのが、大まかな声優本の出版状況と言えるのではないか。 この類型の本では、勝田久や神谷明など声優自身によるものの他に、ぺりかん社の職業紹介シリーズの1冊である『声優になるには』が表題としても象徴的ではなかろうか。ちなみに同書の旧版には、先日亡くなった小川真司へのインタビューが入っていたはずだ。 ついに声優を主題
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く