昭和天皇が昭和50年を最後に靖国神社に参拝しなくなったことについて、野党各党などの反対運動が影響したことが「昭和天皇実録」の記述から明らかになった。宮内庁の富田朝彦(ともひこ)長官の生前のメモを基にして、いわゆるA級戦犯の合祀(ごうし)が原因だったなどとしたマスコミ報道については、最初に日本経済新聞が報道した事実だけを記述した。 実録では50年11月21日の靖国神社参拝について、「終戦三十周年に当たり、同社より御参拝の希望があり、また昭和四十年十月には終戦二十周年につき御参拝になった経緯もあったことから、私的参拝という形で行われた」と説明した。 しかしその後、(1)日本基督教協議会ほか6団体による参拝中止の要望書(2)野党各党からの反対声明(3)日本社会党議員による国会への質問主意書-が出され議論を呼んだとし、「靖国神社への御参拝は、この度が最後となった」と記述した。 一方、「富田メモ」に