名古屋大(名古屋市千種区)が、軍事技術に直結する研究に歯止めをかける独自の指針を策定することが分かった。松尾清一学長が本紙の取材に「夏ごろまでに名大としての基準作りを進めたい」と明らかにした。防衛省が軍事分野に応用可能な研究への助成制度を拡充するなど「軍学接近」への警戒感が高まる中、国内トップ級の研究レベルを誇る名大の指針策定は他大学や研究機関にも大きな影響を与えそうだ。 国内の科学者で構成する「日本学術会議」は、各大学ごとに軍事研究の是非を判断する指針を策定するよう求める声明案をまとめており、四月の総会で結論を出す見込み。東大、京大など有力大学の多くは新たな指針作りの意向を表明しておらず、六人のノーベル賞受賞者を輩出する名大がいち早く策定に乗り出すことになる。 名大は独自の学術憲章で「人々の幸福に貢献することを使命とする」と研究の理念を定めているが、軍事研究を明確には禁じていない。一九八
法政大(田中優子総長)は26日、軍事研究を行わないとする指針を制定し、防衛省の研究費への応募は「当分の間認めない」と決めたことを発表した。 防衛省の安全保障技術研究推進制度は2015年に始まり、予算も17年度は約100億円に急増している。戦争中に大学が軍事研究に加担した反省から、応募するかどうかで大学の判断が分かれている。法大は昨年7月から検討を始め、今月18日の常務理事会で「応募は当分の間認めない」と決定した。「軍事研究や人権抑圧など人類の福祉に反する活動は行わない」と定める指針も、新たに制定した。 田中総長は「戦争を目的とした武器等の研究・開発は、本学が使命とする持続可能な地球社会の構築の対極にあり、関与するのは、本学の存立基盤をゆるがすことになる」などとするコメントを出した。
防衛装備庁は、軍事研究への応用が可能な基礎研究に研究費を支給する公募制度で、二〇一六年度分について四十四件の応募があり、国立研究開発法人物質・材料研究機構(茨城県つくば市)や大阪市立大など十件を採択したと発表した。それぞれ最大で年三千万円の研究費が支給される。 制度が始まった二〇一五年度は、応募数百九件に対し採択は九件だった。装備庁は、応募数が半分以下に減少した理由について「募集する研究テーマを絞り込んだのが要因の一つと考えられる」と説明したが、大学などが軍事研究に関わることについて批判的な見方も根強く、消極姿勢につながった可能性もある。 装備庁によると、採択されたテーマのうち、物質・材料研究機構が研究するのは水中での摩擦抵抗を低減する技術。ペンギンが海中を高速で泳ぐ際、体表面に空気膜ができることなどを参考に泡を表面に形成する技術を掘り下げるという。潜水艦や護衛艦の高速化などにつながる可能
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く