このニュースは現在「支援金と共にたくさんの応援コメントが寄せられ……」などとして報じられていますが、これを「美談」として終わらせてはなりません。むしろ、その背景にあるものは全く逆の文化施設等をめぐるわが国の状況です。 博物館や美術館などの文化施設が高額の拠出をした者に対して、他とは違う特別なメニューを提供するというサービスは、欧米圏においてはいたって標準的な施策です。 諸外国の博物館との大きな違い 例えば米国ニューヨークの自然史博物館などでは、一人約2万円で博物館内に宿泊できるサービスなども提供しています。この博物館は映画『ナイトミュージアム』の舞台で、そこに宿泊し、夜の博物館を体験できるこのプランはとても人気を博しています。 今回の国立科学博物館が実施したようなクラファン形式での資金調達を、世界の主要美術館で初めて成功させたのは2010年のルーブル美術館であるともいわれています。ルーブル